人間、歳を取ると、体のあちこちにガタが来るものです。
私も、登山やその他スポーツの古傷が筋力とか関節の衰えと共に表面化してきました。
消耗の故障より過去の打撃の故障のほうが辛く感じるのは、その古傷に
記憶が残っているせいかもしれません。
そんな中ニューズウィークによると、難病により余命わずかな61歳の英国人科学者が
「世界初の完全サイボーグ」に変身しようとしているという事が話題に。
30年間政府機関や民間企業で活躍したのち、2007年以降、自身の研究活動に専念していた
ピーター・スコット=モーガン博士は、2017年「運動ニューロン疾患」の末期と診断。
運動ニューロン疾患は、英理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士が闘い続けた病。
運動神経細胞がゆっくり変性、重要機能や随意運動を制御する神経システムの能力が失する難病。
モーガン博士は、運動ニューロン疾患と診断された後、研究プロジェクト
「ラディカル・ディスアビリティ・プロジェクト」を立ち上げ、自ら実験台となって、
テクノロジーの活用により重度の障害を持つ人々の生活の質を向上させる試みを行っているそうで、
2019年10月には24日間をかけて自らを「アップグレード」したと。
直前に公式ツイッターで
「これが『ピーター1.0』としての最後の投稿です。僕は死ぬのではない。変身するのだ」と。
11月12日、医療処置を終え、博士曰く「アップグレードを終えて『ピーター2.0』となった」と。
小型の人工呼吸器をつけ、栄養チューブを胃に直接挿入し、カテーテルを膀胱に挿し、
人工肛門を結腸につなげた。唾液が肺に入るのを防ぐために咽頭を除去し、
音声合成でコミュニケーションをとっているそうです。更に顔の筋肉を失う前に
リアルなアバターを開発、人工知能のボディーランゲージに反応するそうです。
コンピュータを操作する視線追跡技術がコンタクトレンズに反応しないため、レーザー手術も。
モーガン博士は、自らを世界初の完全サイボーグと称し、人類の歴史上最も進化した
「人間のサイバネティックス生命体」だと。
公式ブログでは、
「人間として死に、サイボーグとして生きる。僕にとっては簡単なことだ。」と。
実質、脳内のデータ化ができれば話は早いのでしょうが、
そこまではまだまだ先の話になりそうです。
それでも、博士は、現状最も機械化の進んだ人類でしょうね。
ips細胞と言い、機械化と言い
人間の部品交換と言う話がここ何年かで急速に具現化してきた気がします。
怪我や病で失った部分だけ交換するならとにかく、博士の様に総とっかえしたら、
傷や病に記憶さえ残らない気がします。
私の指の登山で自分で縫った縫い傷、ボクシングで歯が食い込んだ顎の傷。
人間、痛みや死が大きな悩みや恐怖となり、生への渇望となって
文学や芸術が生まれて来た面も大きくあると思います。
その渇望が満たされた場合芸術の原動力となるのはどういった、意識なんでしょうね。
死なない、という事は生殖本能すら失わせるかもしれません。
そうなった人類は何を渇望し、何に憧れるのでしょうね?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191118-00010006-newsweek-int
ログインしてコメントを確認・投稿する