私はいまだ携帯電話派で、キーボードがないと落ち着かないたちです。
自動車もMT車でクラッチが無いとなんだか落ち着きません。
どうも手応えと言うものに拘ってしまいがちですが、
世の中ではそう言った機器は減りつつあるようです。
WIREDの記事によるとアメリカ海軍が駆逐艦のタッチスクリーン操作を撤廃し、
昔ながらの物理的なスロットル操作に戻すと発表したそうです。
過剰なデジタル化に対するフラストレーションが蓄積し、現場でも習熟が進まなかったと。
これらは、人間と機械とのインターフェースに共通する課題と教訓が浮かんできます
駆逐艦の制御にタッチスクリーンを導入していたアメリカ海軍では
駆逐艦を操縦する船員らがタッチスクリーン式の統合船橋・航海システムを十分に理解できず、
2017年に発生したミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」と貨物船との衝突事故の一因が、
統合システムの欠陥と誤った使用によるものであると。
タッチスクリーン式のシステムを物理的なスロットルに戻すには、18〜24カ月かかるそうです。
一連のタッチスクリーンに起因する問題は、設計、テスト、訓練の3つが不十分という
最悪の三拍子が揃ったことで発生。
2017年の駆逐艦による事故後に数カ月かけて実施された米艦隊総軍の調査では、
船の操舵システムが改良されたばかりなのに、
見張りに立った船員らが使用法の訓練をきちんと受けていなかったそうです。
タッチスクリーン上で設定される制御や配色も
「安全を重視すべき制御盤に関する業界のベストプラクティスに反していた」そうです。
実際に操舵システムを使用していた乗組員たちがタッチスクリーンを利用せず、
バックアップとして用意されていたトラックボールとボタンで操作することも多く、
さらにシステムのバックアップ用に用意されていた
マニュアルモードについても問題があったそうです。
これら一連のトラブルは明らかに複雑なデジタルシステムによるフラストレーションが、海軍全体に蔓延。
物理的なスロットルを取り上げられてしまった、
という意見が海軍の現場から多く寄せられていたという面からも考察できます。
われわれが使えるスロットルが欲しい。というのが現場の声でした。
航空機の操縦システム、フライ・バイ・ワイヤの開発には実際の感覚に合わせるのに
開発に大半の時間を費やしています。
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