1941年5月12日ベルリンでコンラート・ツーゼ氏がZuse Z3という計算機を発表します。
世界初の自由にプログラム可能な完全自動化された機械で、
現代の視点からすると、コンピュータの定義に適合する属性をほぼ備えていて、
1980年代に入ってからコンピュータを定義する、チューリングマシンであると証明されます。
つまりZuse Z3は現代のコンピュータの始祖なのです。
平均計算速度: 加算0.8秒、乗算3秒
演算装置: 22ビット2進浮動小数点数で、
加算、減算、乗算、除算、平方根の計算が可能
データメモリ: 64ワード×22ビット
プログラムメモリ: さん孔セルロイドテープ
特殊なキーボードと結果表示用のランプ群を備えた端末機で入出力します。
消費電力: 約4000W
重量: 約1000kg
この機械はドイツ航空機研究所で翼のフラッター現象の統計解析に使われます。
ツーゼ氏自身は土木技術者で、
畑違いのコンピュータを作ったのは、建築計算の為と言う話もあります。
1940年、ドイツ政府は航空力学研究所はツーゼに資金提供し、成果を滑空爆弾に利用します。
S2と言う計算機はアナログ・デジタル変換器を備え、プログラム制御されます。
そのため、世界初のプロセス制御コンピュータとも。
S2はヘンシェルの Hs 293 と Hs 294 という誘導ミサイルで使われる事になります。
これらは、有線誘導ミサイルの原型となります。
ツーゼ氏はナチ党の党員ではないですが、
軍事のために働くことに何の疑問も感じていないと。
優秀な科学者や技術者は、
この時期多少問題のあるビジネスや軍と仕事をするか、
全く何もしないか、選ぶ必要に迫られるものだと述べてたそうです。
確かに国家の決めた方針に普通に従うとそうなりますね。
あとから間違いだったから反省しなさい、と言うのは、理不尽です。
まだ、いい機械を開発できなかったせいで戦争に負けたから反省しなさい。
と言われた方が納得行きます。
今から見たら、関数電卓程度のスペックですが、機械式でやり遂げた事自体驚異です。
そういえば、私が初めて買ったパソコンは、今から見ると悲しいくらい原始的でした。
何もかも変わってしまいました。
我々は何処へ行くのでしょうね。
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