花の色は 移りにけりな いたづらに
我が身世にふる ながめせしまに
4月の中頃生まれの私にとって、この歌はまるで自分のことを歌っているようだと、学生時代から思っていた。
自分では幼い頃から変わったところは何一つないつもりなのだが、やはり時を重ねるにつれ、無意識に変わってしまったところはあるものだ。
自分自身がそう感じているのだから、他人様から見ればかなり変わってしまっているのだろう。
人の変わりよう以上に社会の変わりようは数段早いように私は思う。
“十年一昔”と言うが、最近は“五年一昔”、場合によっては“一年一昔”のように感じることもある。
そんな流れていく世の中で人は時として、本当に期せずして再び巡り逢うことがある。
特に私は来る者は拒まず、去る者は追わず、とても広く浅い人付き合いをしているので、こういう偶然というものに非常に弱いのだ。
そう考えると私はマラカイトを探しながら生きているのかもしれない。
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