ゲームの王国

ゲームの王国　小川哲　を読了。

ポル・ポトの隠し子ソリヤと神童ムイタック。
混迷のカンボジアと二人の縁。
半世紀も紡がれたゲームの終わりに彼らが手にしたものとは――

文庫版で購入しました。
日時と視点となる人物が書かれ、紡がれていく形なので、
ある程度覚えるまでは場面転換に戸惑いもしましたが、
引き込まれていく内に慣れてきますね。上巻は二人の子供時代でＳＦ味は薄いです。
でも、上巻合ってこその下巻、と言わんばかり。

主人公二人も個性的ですが、他の登場人物も奇矯で印象深いですね。
でも一貫しているからか、奇を衒うだけのキャラ造詣じゃなくて、
それが彼らの人生というゲームのプレイスタンスなのかなぁ、と思えてくるのが楽しい。

流石はＳＦ大賞受賞作。
前作、ユートロニカのこちら側も面白かったし、
今後もチェックしていきたい作家さんです。