タボリンの鱗 ルーシャス・シェパード を読了。
遥か昔、魔術師に破れた竜、グリオール。
全長1マイルにも及ぶ巨体の周囲に住まう人間は、
彼が齎す利益と邪悪な霊力の影響を受けると言う。
竜の鱗を触っている内に過去へ飛んでしまった商人と娼婦の話や、
竜の頭蓋骨を巡る奇想譚の二編を収録。
今回も表紙絵が格好いい。
そして竜に翻弄され、
心の翳を無理矢理引きずり出されているかのような人間達の暗さがたまらないですね。
二本目は時間の隔たりもあってか、人々は自分の生み出した混沌に呑まれ、
対照的にグリオールの神性が弱まっているような感覚も受けました。
このシリーズもあと一作未訳のものが残っているそうで、
どういった切り口で紡がれるものなのか気になりますね。
翻訳され、手に取ることができることを祈るばかりです。
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