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2015年05月22日21:32

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バッティストーニ 東京フィル イタリアン・シンフォニック・プログラム


(5月21日 東京オペラシティ・コンサートホール)
 バッティストーニのコンサートはできれば全て聴きたいと思い、大変な名演となった「トゥーランドット」から4日後のイタリア・プログラムに行く。
ロッシーニ「コリントの包囲」序曲、ヴェルディ歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より舞曲、プッチーニ「交響的前奏曲」、レスピーギ組曲「シバの女王ベルキス」というこれまで聴いたことのない曲ばかり。もっとも「シバの女王ベルキス」は吹奏楽コンクールの定番曲とかで、吹奏楽の世界ではよく知られている。吹奏楽をやっているような若者たちが近くにいて、バッティストーニに盛んに拍手を送っていた。
バッティストーニは「トゥーランドット」の疲れも見せず、爆発力のある指揮を聴かせてくれたが、東京フィルは弦の音がやせており、いささか精細に欠けた。
ヴェルディ歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より舞曲は歌劇の中で踊り手が踊る劇中劇の音楽で、四季をテーマにしている。ヴェルディの歌劇の経過音楽のような面もあり、妖精的で魅力的な音楽だが、東京フィルはあるいはバッティストーニの指揮はイマジネーションをふくらませることにあまり寄与できていなかった。ところどころ「いいな」と思う部分もあるのだが。たとえば第1曲冬のバレエ音楽が始まるところのフルートの浮き立つようなところ。そしてクラリネット(杉山伸)のソロが見事だった第2曲春、第3曲夏のオーボエのソロ、第4曲のチェロの舞曲のソロなど。
ただ音楽全体がどこか活気に欠け、生き生きとした、浮き立つような表情が出てこない。ひょっとして、メンバーが入れ替わったとはいえ、「トゥーランドット」の熱演の疲れが尾を引いているのではないかと想像してしまった。
後半は少し元気が出てきて、プッチーニ「交響的前奏曲」の展開部のクライマックスではバッティストーニと東京フィルは勢いを取り戻した。
最後のレスピーギ組曲「シバの女王ベルキス」はさすがに熱演だった。第3曲「戦いの踊り」(戦太鼓は和太鼓のように見えたがどうだろうか?)と第4曲「饗宴の踊り」では、バッティストーニらしい熱狂的なエネルギーが炸裂したが、まだできるのではないかという思いは残った。「トゥーランドット」あるいはデビューコンサートで度肝を抜いた「ローマ三部作」のすさまじい演奏を知ってしまった身にとっては、今夜の素晴らしい演奏でさえ物足りなさを感じてしまう。
指揮者とオーケストラが最高の演奏をしたからと言って、聴き手は欲が深く、まだその上を求める。受けとめるバッティストーニと東京フィルも大変だが、9月の「展覧会の絵」、12月のベートーヴェンの第九へとバッティストーニと東京フィルへの期待はふくらむばかりだ。


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