ホーム > mixiユーザー(id:15218407) > mixiユーザーの日記一覧 > アンジェラ・ヒューイット(ピアノ) 第1夜 スペイン・プログラム

mixiユーザー(id:15218407)

2015年05月02日22:51

285 view

アンジェラ・ヒューイット(ピアノ) 第1夜 スペイン・プログラム

(4月27日 王子ホール)
4月24、25日インキネン日フィルと共演したブラームスの第1番に続いて、
この夜のプログラムもアンジェラ・ヒューイットにとっては初めて公開の場で演奏するものだという。(カナダのCBCレコードにグラナドスの「12のスペイン舞曲集」と「ゴイェスカス」からの2曲を録音している。)
 プログラムの構成は、前後プログラムの最初にスカルラッティのソナタを4曲置き、各曲の調性、曲想から4楽章作品に見立てて演奏した。
 そのほかの曲は、前半にグラナドスの「12のスペイン舞曲集」から「ビリャネスカ」「アンダルーサ(プライエーラ)」「ホタ(ロンデーリャ・アラゴネーサ)」と、グラナドスの「ゴイェスカス」から2曲。
後半はアルベニスの「スペイン組曲」から「セビーリャ(セビリャナス)」「アストゥリアス(伝説)」「カスティーリャ(セギディーリャス)」とファリャの
「ベティカ幻想曲」という内容。

前半ではグラナドスの「12のスペイン舞曲集」からの「アンダルーサ(プライエーラ)」が素晴らしかった。ギター編曲でも有名なポピュラーな名曲だが、情熱的なスペイン美女が目の前に颯爽と登場したような躍動するリズムと色彩感に満ちており、鮮やかな色で描かれた大きなスペインの絵画を見るような生々しさがあった。
前半のスカルラッティのソナタ(K9、K159、K87、K29)の中では、ニ長調K.29,L461の難しい両手のクロスが見事で、見ても聴いてもほれぼれとする。

後半のアルベニスの「スペイン組曲」からの「セビーリャ」の中間部、「サエタ」と呼ばれるキリスト受難を悼む春の行事を表した部分はしみじみとした哀愁が出ていた。「アストゥリアス(伝説)」の冒頭の主題のスタッカートも鮮やか。中間部の「ピウレント」もよい。次の「カスティーリャ」にすごい気合で入って行くが、この変化は面白かった。
最後のファリャもすごかった。グリッサンドやアルペッジョが華麗。コーダもすごかった。
 
一方、あまり心に響いてこなかったのは、後半のスカルラッティ(K113、K430、K8、K13)で、まだ完全に自分のものになっていない演奏に思えた。グラナドスの「ゴイェスカス」からの「嘆き、またはマハと夜鳴き鶯」は余りロマンが感じられない。続く「わら人形」も表面的で、ラローチャの土臭く生命力にあふれた演奏に較べると味わいがない。

アンコールは2曲。最初のスカルラッティのソナタホ長調K.380は気品があり、ハンサムウーマンというヒューイットのニックネーム通りの誇り高い演奏になっていた。
最後に弾かれたドビュッシーの「月の光」はこの夜一番の聴きものだったかもしれない。ファツィオリの高貴な響きときれいに伸びるカンタービレがこの曲に良く合っていた。ヒューイットの演奏は非常に絵画的、描写的であり、舞台上に大きな月が浮かんでくるような気がした。最後の音が月の光のような繊細な余韻を残して消えていくさまは本当に美しかった。ヒューイットは絵を描くように、あるいは物語を語るように音楽を組み立てていくのではないかと思った。

(c)Bernd Eberle

6 3

コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年05月03日 06:35
    すぺいんのピアノ曲、大好きです。ラローチャとはだいぶ雰囲気がちがうでしょうが、ヒューイットの演奏、気になりますムード
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年05月04日 19:02
    ほんとうはバッハよりも、この第一夜のほうを聴きたかったのです。バッハ弾きという枠から脱皮しようと積極的ですね。ファツィオリに変えてからのベートーヴェンも新しい響きがしました。私はその透明度の高いベートーヴェンが好きですが、あくどさがのようなものが不足するかもしれません。クープランは少し不満でした。ですから、スカルラッティなどは、ホロヴィッツやポゴレリチとは違った、それでいて魅力のある演奏になるのかどうか、聴いてみたかったし、グラナドスやアルベニスなどからどのようにスペイン情緒を出すのか興味があったのです。ファツィオリだからこそ、ギターのような多彩な音色と触感を出せるような気がしましたし、一方でそのままでは鳴らしにくいファツィオリの低域からギターの胴鳴りのような音が出るのかどうか。独特のリズムとアクセントなどなど、聴きどころが多いですよね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年05月05日 09:32
    > mixiユーザー グラナドスの「アンダルーサ」とファリャの「ベティカ幻想曲」では「ギターのような多彩な音色と触感」は確かに感じられました。グリッサンドはフラメンコギターのラスゲアード奏法のような効果をあげていたと思います。ファツィオリの低音からギターの胴鳴りのような音、たぶんあったと思います。

mixiユーザー

ログインしてコメントを投稿する