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2015年11月23日23:58

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いっそドラゴンレールで攻めてみては?

小湊とい鐵が房総横断鉄道として自身をブランディングするそうです。

■「房総横断鉄道」ブランド化へ 小湊・いすみ両鉄道組む
(朝日新聞デジタル - 11月23日 15:14)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3725649

…とはいえ元々両路線は繋がる予定のなかったもの。小湊鐵道の小湊は外房線の安房小湊を目指した名残ですし、いすみ鐵道の路線名である木原線は木更津と大原の「木」「原」を繋げたもので、当初の構想での接続相手は久留里線でした。
それが紆余曲折の末…ぶっちゃけ資金力の欠如と重要性の低さのせいですが…計画の完遂に至らず、たまたま向こうから延びていたもの同士をくっつけたのが今日の形態であり、だから利便性の点ではこの二路線の横断鉄道としての利点は現状ほとんどありません。
路線は(主にい鐵側が)蛇行し、速度は遅く、両線の接続駅である上総中野での接続時間は流石に意識されるようになりましたがそこまで行く列車が(今度は主に小湊側で)段落ちで極端に減らされているという有り様です。これでは自動車に負けるどころか、鉄道を使うにしてもJRの房総循環路線で迂回する方が時間的には有利でした。

盲腸線同士の結びつけでしかなかったこの横断路線がそれでも生き残れたのはそれぞれのマイレール意識の高さゆえで、木原線は当時の国鉄から廃線対象と見なされながら存続に舵を切り、現在の第三セクター、いすみ鐵道に生まれ変わりました。
それでも採算性の問題から再び存廃問題が持ち上がったのをまたも乗り切り、その頃から取り入れた公募社長によるユニークな経営アイデアが功を奏し、着実に注目度を上げつつ現在に至ります。
小湊鐵道の方は京成グループの傘下にある民営鉄道なのでい鐵ほどには経営難の話題は聞かれませんが、それでも里見駅の行き違い設備を一度は廃してタブレットを止めるなど決して左うちわな経営環境には見えません。
そんな中でも昭和の時代に製造されたディーゼルカーを堅持し、久しぶりに新車を発注したかと思えばSL風トロッコ列車という独特の保守性は木原線とは違う形でのマイレール意識を感じさせます。

ただ今後を模索する上で単独でやっていては限界があるとの判断も無理からぬところで、例えば相手の会社に廃止か、或いは上総中野までの一部区間を廃止されただけでももう片方が乗り継ぎ分の客足を減らされ立ち行かなくなる恐れは十分に考えられます。
実際、近年はい鐵で脱線事故があったり、また小湊鐵道で豪雨被害による長期寸断があったりと、不確定要素により連絡運輸が脅かされる機会が増えており、二路線を一体として行政の支援を得やすくする環境を整えるにはちょうどいいタイミングでした。
さてそれで、こうなると気になるのは次の一手です。横断鉄道として定義付けたなら、順当に言って次に考えられるのは両路線の直通運転ですが、記事中にもあるように直通は困難とされています。
自分としても直通はそれほど望みません。何故なら現在小湊側がスタフによる票券閉塞を実施しているためで、直通してしまうと恐らくこれが廃止になるからです。元々列車自体の直通需要も少ないのですから、差し当たりは現状の延長で出来る施策が求められていると思います。
企画乗車券や記念乗車券の充実、ダイヤの接続改善……しかしそれらは既に手を着けられている策でもあり、ブレイクスルーにはなり得ません。横断路線として一体化した/することを広くアピール出来る一手というには、ちょっと弱いです。

物理的な直通なくして一体化を前面に出せる一手。これの案として推したいのは、ドラゴンレールブランドですね。東北のJR大船渡線において提唱された施策で、建設時の経緯から大きく迂回した大船渡線の路線図を、龍の体躯に見立てたアイデアです。
これを両路線に当てはめると、先述の通りい鐵の路線には大多喜方面への大きな迂回が見られます。ただこれがい鐵単体だと単に尺取り虫のようにのたうって見えるだけなのですが、小湊鐵道まで含めるとちょうど大船渡線と同様に、龍のごときうねりをもって見えるのですね。
もとより利便性とは離れた分野で勝負せねばならない以上、仲間を増やすことは意義のある行動だと思います。幸い大船渡線は両路線の接続路線の運営者と同じ東で、ここはローカル線の事業者にもそれなりに理解のある姿勢を見せています。
い鐵と小湊とがドラゴンレールのブランド導入に合意し、かつ東に使わせてもらいにいってそちらの合意も取り付けるというのは傍目にも面倒な交渉事になりそうですが、物理的な建設よりお金が掛からない積極策であるのだけは確かです。
そしてこの連携が実れば、それをきっかけに、ゆくゆくは急勾配路線の運営事業者による集まりであるパーミル会のように迂回路線ばかり集めたドラゴンレール会なんてものが組織されても面白いところで、一考の価値はあると思いますね。
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