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2015年11月23日17:24

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トロリーバス…

東北道の那須高原SA上り線に、バスを改造した売店があるそうです。

バスを改造したお店で味わう“こだわりワッフル”
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=62&from=diary&id=3721475

しかし店名がちょっとくせ者。

>リゾート地である那須高原の近くに位置する東北自動車道・那須高原サービスエリア(SA)上り線。ここの店外売り場でひと際目を引くのが、バスを改築したお店である「トロリーバス」だ。

とあり、

>このバスは、アメリカ・サンフランシスコで実際に運行していたトロリーバスを店舗として利用。異国情緒漂うバス内では、買った商品を食べられ、ちょっとした休憩にも利用できる。天気のいい日は、車窓から那須高原の山々を眺めることも可能。

とまぁサンフランシスコからやって来たとのことで、サンフランシスコはトロリーバスが走っていますから一瞬、まさかあそこの車両を持ってきた?と思ってしまいます。
なおサンフランシスコのトロリーバスは、こんな感じ。

https://en.wikipedia.org/wiki/Trolleybuses_in_San_Francisco

ご覧の通りで飾り気の欠片もありません(笑
だからこそ、そんなマニアックなことをする御仁がいるのか??いやまさか…との逡巡に見舞われるのですが、現実はこれ。

http://nasusa.jp/blocks/index/00083

路面電車を模したバス、いわゆる「トロリー」です。

アメリカはかつて路面電車王国であり、路面電車のことをその集電装置から通称としてトロリーと呼んでいました。
のちモータリゼーションの進展からアメリカの路面電車はほとんど全滅寸前にまで廃止が進むのですが、やはり郷愁があったのか路面電車を模したバスの製造が盛んになり、そのバスの名称がトロリーとなっているのです。
なお、アメリカの路面電車の呼び方としてはもうひとつ、「ストリートカー」があるもののこちらはバスの呼び名としてはあまり定着していません。恐らく言葉の指す意味が幅広すぎるので敬遠されたのでしょうね(笑
そして路面電車型バスであるところのトロリーは日本でも観光ガイドなどで紹介されるのですが、このときトロリーの言葉に馴染みが少ない日本では、親切心からかトロリーにバスを付け足してトロリーバスと案内してしまうケースが少なからずあります。

しかし紛らわしいことに(?)、アメリカではかつて、電車の架線システムを活用し、車両はバスだけど電車と同じように電気で走るトロリーバスがまた大流行していたのでした。
これは先のトロリーとは逆に、集電装置がトロリーポールなだけで車体は完全に普通のバス。路面電車同様こちらも数を減らしましたが一部の都市では現役であり、その中の一都市がサンフランシスコです。端的に言うと、「トロリー」と「トロリーバス」はアメリカ、というか少なくともサンフランシスコにおいては全くの別物なのですね。
しかも画像を見る限り那須高原SAの「トロリーバス」はサンフランシスコの路面電車の中でもケーブルカーを模しており…あれは動力がケーブルですから元ネタとしてのトロリーポールすらありません(笑
こういう文化伝達の伝言ゲーム的な混沌は傍目に面白い部分もありますが、21世紀も15年経ってこれだけの大物を目の当たりにするのはやはりちょっと複雑な気持ちになりますね。
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