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2020年01月26日20:49

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第278回 未来からくる演奏家を聴く会@山王オーディアム

ワグネルの大先輩G隊長がヴォランティアで主催されている標記の演奏会に行って参りました
老い先短いワタシにとって、未来の方からやってきて聴かせていただけるとは有り難き幸せ
G隊長のFBでご案内いただいた曲目は、あまり聴く機会のないモーツァルトに、これは初めての
ベルク、それに加えてヴェテランの練木繁夫さんの賛助を得てブラームスという魅力的なもの
初めての会場である山王オーディアムはJR大森駅から住宅街へ7分ほど歩いて入ったところ、
Mapionの地図を片手に行きましたが、それほどわかにくい場所ではありませんでした

モーツァルトの弦楽四重奏曲は沢山あるので、全く聴いたことがないわけではないが、果たして
どれとどれを聴いたことがあるのか不明、CDも(多分)持っていないのでYouTubeでジュリアー
ド・クァルテットの演奏の頭の部分だけ聴きました
驚いたことにいきなりオクターヴの跳躍に続いて悪魔の音程と言われる増四度の下降、すぐに
半音階で上昇するという、和声付けなしですからほとんど無調のように聞こえます
なるほど、この後に弾かれるベルクへの前哨戦だな、と
この冒頭部分を聴いただけでも「モーツァルトは音階を繋げただけの音楽だ」という批評が、い
かにうわべだけのものかわかります
しかもこの半音進行は導音なのですが、解決する先は曲の調性である変ホ長調ではなく、平行
調のハ短調です(長調と短調の交錯するモーツァルト!)
このグループの選曲が、いかにも問題意識を持ってのものだと感じられます

そしてベルク、これははっきりと未聴でありますので、これもYouTubeでさわりだけ
作品3でありますが、作品1のピアノソナタがそうであるように、すでに調性とは決別している
しかしだからといって無茶苦茶ではなく、ベルク節ともいえる叙情性に富んでいて、これもまた
ピアノソナタのように耳に心地よい響きを持っています
さりながら、そこは表現主義の音楽で、フラジオレットによる超高音、ピツィカートとスタカートを
交互に打ち鳴らす激しさをインテグラの皆さんは気合を込めて演奏されました
全曲を弾き収めるとBravoがかかりました

休憩を挟んで、彼らの師匠である桐朋学園教授の練木繁夫さんが加わってブラームスの
ピアノ五重奏曲、これはワタシが好んで聴くもので、今回足を運んだ理由ともなっています
練木さんは、もうずいぶん昔、TVで(題名のない音楽会だったかな)ショパンの黒鍵のエチュー
ドを左右の手を入れ替えて演奏するという超絶技巧を披露されるのを聴いたことがあります
なので、多分ご年配の方だろうと思っておりましたが、全然そのような老いを感じさせない、
それもそのはず、先ほどネットでプロファイルを拝見したらワタシより一つ年上なだけでした

それでも孫のような年代のクァルテットと共に演奏したブラームスは、若々しさと老練さの
融合で、大変聴きごたえのあるものでした
アンコールは用意されておられなかったらしく、しかしなにやら耳打ちした後、第三楽章の
トリオが終わって主題が再現される部分から、文字通りアンコールとなりました
チェロがわびし気にモノローグするのに続いて突然全奏できっぱりと主題を演奏すると
「これこれ、これですよ」と言いたくなります

いうわけで、気持ちの良い演奏会を気持ちよく締めくくりました

なお、G隊長のFBに故三浦洋一氏夫人絵里さんがコメントをなさって、このクァルテットの
チェロ奏者築地杏理さんは我々が現役時代ヴォイストレーナーとしてお世話になった築地
利三郎先生のお孫さんだということでした
築地先生(通称リー様)のご子息には30年以上前に畑中先生のお宅でお会いしたことが
ありますが、畑中先生が「まぁ男前ねぇ」と仰ったのを覚えておりまして、多分そのお嬢様
ですから当然のように美貌でありました

終演後は日曜恒例のカレーを、食べログで調べた(但し評点は参考にしない)インド料理
サクティさんへ
税込み1300円でバッフェスタイルの食べ放題、カレーを3種類にサフランライス、チキンパ
コラにサラダを添えてテーブルに運び、これは別勘定のジムビーム・ハイボールと共に
頂いておりますと、焼き立ての骨付きチキンと、これも焼き立てのナンが供せられました
そのナンの大きいこと、半端じゃありません(どうもグループ客前提のサイズではないか)
料金内のコーヒーを食後にいただいて、コスパは充分で満足致しました

本日の演奏会はG隊長がもう20年も続けられているもので、新人とはいえこれだけレヴェ
ルの高い演奏を2000円というコスパの高さで聴かせていただけるのですから、これからも
折に触れ足を運んでみようかと思います(サクティさんのカレー・バッフェと抱き合わせで)
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