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2019年11月27日22:04

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丁寧な検証こそが、丁寧な指導と子どもの成長につながる

何とも不幸な事故だと思う。授業中に起きたことなので、教員、学校の責任は免れないが、安易に「教員の自作教具は不適当」とする流れにならないことを切に願う。

市販の教具や、これまで特に問題にならなかった運動を怖がる児童は珍しくない。後転のみならず前転を怖がる児童もいれば、逆上がりの際に思いっきり地面を蹴れない子もいる。その際、教員の臨機応変な機転でそれを乗り越えられるなら、それはその教員の一つの手腕とも言えると思う。

高跳びの際にゴムひもを使うのは、よくある方法だし、私も40年以上前、授業で練習したのを覚えている。棒なら走っていくのを怖がってしまうが、ゴムひもなら恐がらずに跳べる子もいる。足上げのタイミングや上に跳ぶことに慣れることができれば、ゴムひもが棒に変わっても挑戦できることは多い。

判断材料が乏しいので、はっきりしたことは言えないが、気になる点が幾つかある。
1つ目。「2本の棒は別々の児童が支えた」とあるが、これは危ない。実際の棒高跳びでも、支柱は手に持たず、落ちた棒を拾う人も少し離れて待機しているはず。支柱を使うなら、児童に持たせない方が良いと思う。手に持たせるなら支柱ではなく、ゴムひもだけにすべきだったのではないか。

2つ目。記事に付いていた小さな写真から感じるのは、支柱に使った園芸用の棒2本(長さ約1・5メートル)とのことだがもっと長いように思える。長さ約90センチとされる手芸用ゴムひもも、支柱に引っ掛ける分の長さが含まれての90cmだったとしたら、実際にはもっと間が狭かったかもしれない。だとしたら、危険性はさらに増す。

3つ目。「教諭はこのグループから離れた所で相談していて、事故が発生した瞬間を見ていなかった」どんな状況だったのか、推測の域を出ないが、見ていなかった、見られる状況でなかったとしたら、不注意と言うしかないように思う。

しかし、こうした教員の配慮不足はあったとは思うが、これで「正規の器具を使うべき」「ゴムひもなんて使うな」「教員の考えた教具なんてダメ」とする論調には賛同できない。
ゴムひもの効果は何十年と積み上げられた指導の中で、検証されてきた物。それは、子どもの成長を願って工夫した教員の知恵でもある。40数年前、クラスで一番背の低かった私が、跳び方を習得しクラスで3位の記録を出せたのもゴム紐の練習からだった。

正規の器具を使っても、指導がまずければ事故は起きる。ゴムひもを使うことで、高跳びの足掛かりをつかめることがある、教員が考えたことだかからこそ、子どもに成長につながることは多い。そうしたことまで今回の件で否定するのは違うと思う。

安易な指導が事故を招いたように、安易な批判は正確性を欠き教育現場を混乱させると思う。丁寧な指導こそが子どもの成長に繋がる様に、丁寧な検証こそが現場の安全につながると考える。批判の矛先を間違えることは、子どもの成長と安全を奪いかねない。


■走り高跳び練習器具で小6失明 園芸用の棒で教諭が自作
(朝日新聞デジタル - 11月26日 21:25)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5879632
(以下記事)
 神奈川県真鶴町立まなづる小学校で今月7日、体育の授業の走り高跳びの練習中に、6年生の男子児童(12)が左目を負傷し、失明したことがわかった。担任教諭らが走り高跳びの練習のために用意した棒が目に当たって負傷したといい、町教育委員会は26日に記者会見を開いて「学校側に責任がある」と認めた。

 町教委によると、担任教諭と、授業をサポートする教諭らが7日の体育の授業前、長さ約90センチの手芸用ゴムひもを走り高跳びの「バー」として使うため、園芸用の棒2本(長さ約1・5メートル)に結びつけた。この自作の教具を二つ用意したという。

 授業は体育館で行われ、児童41人を6グループに分け、うち2グループがこの教具を使用。ゴムひもは地面から30センチ前後の高さにし、左右に立たせる2本の棒は別々の児童が支えた。棒を支えていた男児の1人の目に棒が当たり、負傷した。当時、2人の教諭はこのグループから離れた所で相談していて、事故が発生した瞬間を見ていなかったという。

 男児は目の出血が確認されたため救急車で東海大学付属病院(伊勢原市)へ搬送され、「左目失明」と診断された。手術を受けて入院し、13日に退院した。19日から小学校への登校を再開した。

 担任教諭は走り高跳びの練習にゴムひもを使うことで、「跳ぶ児童の恐怖心を軽減できる」「跳ぶ機会をより多く持てる」と考えたという。また、同校には走り高跳び用のバーと、それを支えるスタンドが5セットあるが、着地する際に体を受け止める厚手のマットは2点だけだったことから、正規の教具であるバーとスタンドの使用は2セットにしたという。

 同校は今後、教諭の手製の教具・教材について、複数の教員で安全性を確認するという。浜口勝己校長は会見で「自作の教材は各担任がそれぞれの判断で作り、管理職は把握できていなかった。教具として適しているかを確認する態勢をつくれていなかった。校長である私の責任」と述べた。また、牧岡努教育長は「取り返しのつかない結果になった。心よりおわび申し上げます」と謝罪した。

 同校は14日に保護者会を開き、再発防止への取り組みを説明。町教委は事故原因を調べる第三者委員会を設置するかどうか、有識者らと協議した上で決める。(村野英一)
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