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2019年02月07日18:00

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子どもを育てられない社会になる危機感

「企業の9割が『人手不足』実感」している現状で、働きに出ている親自身、育児への時間的精神的余裕が奪われていると考えられる。よって、学童保育の需要が高まるのだが、学童保育でも人員不足のため、きつい仕事となっていることに危機感すら感じる。

学童保育に関わっている知人によれば、「仕事がきつい(人員不足による多忙化、親の要求の高度化等)」「待遇が悪い(現場の声を雇用側が聞いてくれない等)」「雇用が不安定(学童保育をやめる児童がいると雇用がなくなる場合もある等)」…等の話は止むことが無い。何とも大変であるにも関わらず、大変さと比例するように、周囲の理解は低くなっているようすら思える。そこに大きな危機感が生じる。

「親に急な残業が入り、学童保育に迎えに行けない。時間を延長して預かって欲しいと言われた。」「今日は病院に行く予定だと子どもには伝えてあるのにまだ帰ってこない。」「下校時刻をかなり過ぎても学童保育に子どもが来ないので、探し回ってみると、学校で居残り学習をしていた。」「(同様に)勝手に友達の家に行っていた。」等々。

それは酷い話だという事例に事欠かない。そんな状況で学童保育が人員不足にならない訳がない。それは「仕事がきつい」ために仕事が続けられない人が増え、人員不足となり、さらに多忙化し、さらなる退職動機や敬遠の理由となり、支援員不足に拍車がかかっていくのだろうと考える。いわゆる負のスパイラルだろう。

世間はどうも、子ども自体の数は減っているのだから、子どもに関わる仕事は楽になっていると思っているかのようにも見えるほど、現状の理解・関心が薄いように思える。そして、親自身が子どもに向き合う時間も、精神的な余裕も奪われ、育児に関われなくなっている分、育児の負担は教育現場(学校・学童保育)に集中している現実があると思う。

仮に、親の多忙化により、子ども一人当たりに必要な育児時間を10分だけ、学童保育に背負ってもらうとする。そうすると現場では、10分×40人(支援単位児童数)=400分の増加である。40人を2人の支援員が担う現状では、一人当たり200分(3時間20分)の増加となる。

もちろん、こんな単純計算で学童保育の多忙さを説明すべきではないのだが、先述の「今日は病院に行く予定だと子どもには伝えてあるが、まだ帰ってこない。」の訴えを回避するために、親が数行のメモを書いて子どもから支援員に渡したり、一言先に電話連絡したりするなどにより、状況が大きく好転することも少なくないと思う。

折りしも下校後の子どもの事件などで親の不安は強くなっている。それゆえ、せめて学童保育では自由に伸び伸び過ごして欲しいという願いもあるだろう。しかし、一度、事が起きれば学童保育の責任は免れない。「自由に過ごして欲しい」という親の願いを叶えるには、「支援員が子どもに目も保護も行き届き易くする(管理し易い)」親の協力が不可欠ではないだろうか。

児童数の減少で一緒に帰る友達も不足している。地域で営業する個人の店も減り、近所づきあいも希薄になっている。日没後の帰宅は、親が子どもだった頃より、明らかに危険性が増している。それなのに、子どもは下校の安全を保障してもらえる時間も相手も奪われているのだ。それを「誰か」に補ってもらえる段階はもはや過ぎてしまっているのではないか。「誰か」ではなく「誰もが」と考えて行動すべき現状なのではないか。そのための、知恵と工夫と英断が求められている。

これは、決して、保護者や支援員に問題があるという指摘ではない。慢性的な人員不足による社会全体の多忙化が、結果的に子どもを、育児・教育を置き去りにしてしまっていることへの危機感である。

その点で言えば、先日の「ファミマがこども食堂 3月から全国2千店」とのニュースは、一縷の期待が持てる。もちろん、その記事への日記に「壮大な社会実験として支持します。」と書いたように、まだどこまでのことが可能なのか不透明な実験的な取り組みとは思っているが、「子育て可能な社会の維持、変革」のための知恵と工夫と英断を行った具体例として、注目・支持する価値はあると思っている。

今、子どもに対して、目も人手も足りない社会構造となっていることを、社会全体が真剣に考え動かないと、大げさな話ではなく、健やかに子どもが育てられない社会になってしまわないかと思えてしまうのである。


<参考URL>
企業の9割が「人手不足」実感 「高待遇での採用活動」など実施も効果薄
(mixiニュース)2019年01月29日
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=voice&id=5476269
ファミマがこども食堂 3月から全国2千店、イートイン
(朝日新聞デジタル - 02月01日 17:57)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5481037


<関連する日記>
壮大な社会実験として支持します。(2019年02月01日22:55)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970223293&owner_id=14924440

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■ギリギリの学童保育の現場 過去には支援員が「逆ギレ」も
(AERA dot. - 02月07日 11:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=5488515
(以下記事)
 共働き家庭にとって、子どもの小学校入学以降を安心して過ごすため、なくてはならない存在が学童保育だ。近年、利用者が急増している。その現場で基準緩和をめぐり不安が広がっている。
*  *  *
「我々が働く現場を見てよ、とお偉いさんに言いたいです。今はギリギリでまわっているけれど、全く余裕はありません」

 関東地区のある学童保育で支援員をする女性(46)の声だ。子育てが一段落した2年前、知人の紹介で正規の職員としてこの職に就いた。面接では「子どもと遊べばいい」と言われ気楽に足を踏み入れたが、現場はハードだった。

 交代制で6時間勤務と聞いていたが、夏休みは職員が足りず10時間超えの勤務が続いた。発達障害の子もいれば食物アレルギーがある子もいて、個別に対応するのはかなりの労力がいる。学校との連携や保護者をケアするための情報共有も欠かせない。

 やることは山積みで、支援員はお茶を飲む時間もトイレに行く時間もなかなかとれないほどだ。毎日早く出勤して仕事をこなしても、給料は増えず残業代の概念もない。

「子どもたちはかわいいし、すごくやりがいのある仕事だけれど、正直きついです」

 学童保育は、共働き家庭など保護者が放課後の小学生をみられないケースで、代わりに保育をしてくれる仕組みだ。小学3年生までが対象の場合が多い。保育園に頼っていた親たちが働き続けるための“頼みの綱”だ。

 厚生労働省の調べによると、学童保育は2018年5月時点で全国に約2万5千カ所ある。共働き家庭の増加なども影響して、利用児童数も増えている。16年には全国で109万人超だったが、18年には123万人超になった。

 学童保育の運営形態は自治体や施設によって大きく異なる。運用基準は長い間現場に任されてきたが、15年にようやく「支援の単位(40人以下)ごとに職員2人以上」「うち1人は都道府県による研修を受けた放課後児童支援員」とする2点が「従うべき基準」として定められた。しかし昨年の秋、これらが緩和され「参酌すべき基準」となることが決まった。保護者や職員からは「保育の質を保てるのか」と不安の声が上がっている。

 緩和の背景にあるのは地方からの要望だ。17年夏、内閣府地方分権改革の会議で、都道府県や市町村から「学童保育の実情はそれぞれの地域によって異なるので緩和してほしい」という声が上がった。

 保育園の待機児童問題と同様に、都市部など人口が流入している地域では学童の利用者数も増加傾向だが、一方、地方の山間部など子どもが激減している地域では、全国一律の規定を当てはめるのは難しい面もある。

 現在の基準では子どもが少なくても2人の職員が必要。中部地方の豪雪地帯にある小規模校では、数年前から学童保育の開設を求める声が出ているものの、登録者が1人のため予算化に踏み切れず、基準の緩和を求めている。

 東京都内で支援員をする男性(55)からも疑問の声を聞いた。

「土曜日は学童に来る子どもの数がすごく減る。以前いた教室では子どもが1、2人のこともザラ。でも職員は2人必要だから休みがとれない。このルールは困りますね」

 また、放課後児童支援員の資格が必要という基準についても、「人手が足りないため、職員が研修を受けようにも現場を抜けられず資格を取れない」「経験豊富で子どもや保護者から信頼が厚い職員がいるが、中卒のため資格を取れない。『高卒以上のみ』を資格の基準とするのをやめてほしい」などといった意見もあった。

 今回の基準緩和について、厚労省子ども家庭局子育て支援課は説明する。

「実際にどんな基準で運営するかは、各自治体が地方議会で議論した上で条例化するので、いい加減な基準になることは考えづらい」

 ただ地域によっては、増える児童がすし詰め状態で、職員の目が行き届いているのか疑問が残る状態の学童もある。

 2人の子どもを学童に通わせてきた千葉県の女性(42)はかつてのことを思い出す。

「上の子が学童に入った6年前は職員さんの数が少なくて、余裕がなさそうでした」

 そのころは、まだ基準がなかった時代。長男が上の学年の子にいじめられたことを学童の職員に伝えたときは、「職員数が少ないので仕方がない」と逆ギレされたこともあったという。

 ここ数年は職員の数が増えて以前よりはよくなったが、まだ十分とは思えない。たまに職員が少ない日はやはり大変そうで、子どもたちもちょっとしたことで叱られているという。

「子どもを見守る目は多ければ多いほどいいのに、基準の緩和で人が減ったりしたら困ります」

(ライター・大塚玲子)

※「『事故があればもうアウト』学童保育の基準緩和で現場に不安の声」へつづく

※AERA 2019年2月11日号より抜粋
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