mixiユーザー(id:14924440)

2018年12月27日13:44

92 view

問われるべきは、捕鯨の是非ではなく、政権の姿勢

商業捕鯨、鯨食文化の是非の判断と、IWCの脱退とは別次元の話。国際的には「日本は自国のルール優先して国際ルールを投げ棄てた」と判断されるだろう。まるで、パリ協定からアメリカ離脱を表明したトランプ大統領の「America First」を追従しているかのようだ。

IWC脱退に関する内閣官房長官談話によれば、
「持続可能な商業捕鯨の実施を目指して、30年以上にわたり、収集した科学的データを基に誠意をもって対話を進め、解決策を模索してきました。」
「鯨類の中には十分な資源量が確認されているものがあるにもかかわらず、保護のみを重視し、持続的利用の必要性を認めようとしない国々からの歩み寄りは見られず」
「本年9月のIWC総会でも、条約に明記されている捕鯨産業の秩序ある発展という目的はおよそ顧みられることはなく、鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらない」
として、脱退を正当化している。

商業捕鯨再開への30年間の努力が実らないことへの苛立ちが理解できないわけでもないし、鯨食文化を否定するつもりもない。むしろ、鯨食文化のみならず、各国の食文化は可能な限りで保持すべきだと私は考えている。

しかし、「国際ルールを無視してでも」となると、「可能な限り」の外側だ。
ましてやそれが、安倍・二階氏の意向を大きく反映した閣議決定によるものとなれば、憤りすら覚えるのである。

IWC参加で問われていたのは、商業捕鯨の再開や鯨食文化の是非だけでなく、それをも含めた国際理解であったはず。そしてそれは同時に国内での理解でもあったはず。つまりは、国内世論と国際世論の相互理解にあったはず。30年間の努力は、日本を国際的に受け入れてもらうためのものであって、日本の意地を貫くためのものではなかったはずだ。
その30年間の努力を、安倍・二階氏の強い意向で無に帰すことには憤りすら覚える。

そしてそれは、日本を「自国の理論が通らなければ、国際ルールから脱退する国」として世界に知らし召すことでもある。これは戦後70年以上かけて築いてきた日本の国際協調の努力と信頼までも無に帰すことにもなりかねないとさえ思う。

菅氏が、ご丁寧に「「一次産品共通基金」という国際機関を2013年に抜けた例(それも、2012年に衆議院選挙に自民が大勝した後の話ではあるが)を持ち出し、日本の国際機関脱退は珍しくない」とまで、言及したのは、私のような不安を持つ者への配慮でもあったのだろう。しかし、それは同時に「これからは政権の意向で国際機関からの脱退はいくらでもできますよ」という宣言にも聞こえるのだ。

日本の捕鯨文化を守るために、IWCを脱退すると言えば国民に聞こえは良いのかもしれないが、日本の捕鯨文化を守るためには、国際ルールから逸脱してもよいと支持できる国民がどれだけいるだろう。脱退以外に方法がなかったとは到底思えない。

国際協調を大事にしてきた日本のイメージは、ここでまた大きくぐらつくことになる。
それは、国際的に見ての話ではなく、私個人の話でもある。

「自国の理論が通らなければ、国際ルールからも脱退する国」
それが現政権が、かねてより言っていた「日本を取り戻す」であったのかという思いは強くなるばかりなのだ。


■安倍・二階氏の意向大きく=IWC脱退、外交に冷や水
(時事通信社 - 12月27日 08:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5435824
(以下記事)
 政府が国際捕鯨委員会(IWC)脱退を決定した。決断に至る過程では、古くから捕鯨が盛んだった地域が地元の安倍晋三首相と二階俊博自民党幹事長の意向が大きく働いたとみられる。一方、脱退は、オーストラリアなど反捕鯨国との国際協調に冷や水を浴びせる恐れがある。

 和歌山県太地町の三軒一高町長は26日、自民党本部に二階氏を訪ね、脱退決定に謝意を伝えた。二階氏は「(捕鯨を)徹底的にやれ」と激励。この後、三軒氏は記者団に「幹事長が地方の声を官邸に届けてくれた。神様みたいだ」と語った。

 太地町は「古式捕鯨発祥の地」だ。その町を選挙区に抱える二階氏は早くから商業捕鯨再開を主張。今年9月のIWC総会で日本の提案が否決されると、10月に開かれた捕鯨議員連盟の会合で外務省幹部を「何をぼやぼやしているんだ」と一喝するなど、脱退に向けて強硬姿勢を強めた。

 一方、首相の地元である山口県下関市も「近代捕鯨発祥の地」として知られる。ある政府関係者は、今回の決定で大きな役割を果たしたキーマンについて「山口と和歌山の政権ツートップ」と語り、首相と二階氏だったことを示唆した。

 政府は表向き、脱退の決め手は「9月のIWC総会」(菅義偉官房長官)としている。ただ、政府内では、漁師から「商業捕鯨の将来が見えない中では、老朽化した漁船を買い替えられない」との悲鳴が上がっていたことが、首相らの判断を後押ししたとの見方も出ている。

 政府は25日に脱退を閣議決定したが公表せず、発表を26日にずらして、その間に関係国に説明、衝撃を緩和しようとした。菅氏は26日の記者会見で、農産物などの価格安定を目指す「一次産品共通基金」という国際機関を2013年に抜けた例を持ち出し、日本の国際機関脱退は珍しくないと強調してみせた。

 しかし、IWC脱退は、日本が戦前に孤立化を深めるきっかけになった国際連盟脱退を想起させ、パリ協定など国際枠組みからの離脱を表明するトランプ米大統領の姿とも重なる。来年は大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議をはじめ重要な外交案件が立て込んでおり、影響を懸念する声も漏れる。

 「今後、外交的に厳しくなる。そこまでしてクジラを食べる必要があるのか」。外務省関係者はこう不安を口にした。 
1 3

コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2018年12月27日 13:50
    日本経済新聞の記事も残しておく。

    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39409090W8A221C1EA2000/

    商業捕鯨、展望見えず IWC脱退へ 豪州など非難
    2018/12/26 20:20

    政府は26日、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退すると発表した。日本は来年7月から領海や排他的経済水域(EEZ)で商業目的の捕鯨を再開する。政権幹部の意向で商業捕鯨に向かうが、鯨肉の国内需要は大きく減り、再開しても産業としての展望は描きにくい。主要7カ国(G7)の一つである日本が国際協調から離れるのは異例で、批判のリスクも残る。

    日本政府は脱退を通知した上で2019年6月末に離脱する。転機は9月のIWC総会だった。日本は商業捕鯨の一部再開などを提案したが、オーストラリアなど反捕鯨国が反発し、反対41、賛成27で否決された。

    日本の調査などによるとクロミンククジラは南半球に51.5万頭、ミンククジラは北西太平洋に2.2万頭生息し、年数%のペースで増えている。調査が正しいなら捕鯨国と反捕鯨国の争いは食文化の違いともいえる。中央学院大の谷川尚哉教授は「IWCはクジラの保護組織としての性格が強まっている」と話す。

    「地域のにぎわいが増し、豊かな鯨文化が継承されると期待したい」。菅義偉官房長官は26日の記者会見で、脱退の狙いの一つに地域活性化を挙げた。地場産業として捕鯨を抱える和歌山県の仁坂吉伸知事は26日、「政府の決定を支持する」とのコメントを発表した。

    脱退の決定には、安倍晋三首相と自民党の二階俊博幹事長という2人の政権幹部の意向が働いた。

    衆院和歌山3区選出の二階氏は、捕鯨が盛んな和歌山県太地町を選挙区に抱える。商業捕鯨の再開は二階氏の持論で、早くから外務省などに要望していた。首相の地元である山口県下関市も「近代捕鯨発祥の地」として知られる。

    千葉県の地元に捕鯨拠点を持つ自民党の浜田靖一捕鯨対策特別委員長も、同日の党捕鯨議員連盟の総会でIWC脱退への支持を表明。「伝統的な捕鯨をしっかり後世に伝える目的を達成するための判断だ」と評価した。

    (続く)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2018年12月27日 13:50
    (続き)
    ただ、産業としての捕鯨は厳しい状況にある。IWCの管理対象外である小型捕鯨すら日本では6業者が5隻で操業しているにすぎない。かつては年20万トンを超えた日本の鯨肉の消費量も、ここ数年は年3千〜5千トンにとどまる。

    政府は19年度予算案に捕鯨対策として51億円を計上した。水産庁はIWC脱退の決定を受け、調査捕鯨の拠点である山口県下関市で沖合操業を復活させ、同時に和歌山県太地町など全国6カ所でミンククジラなどの沿岸捕鯨をする構想を描く。手厚い支援は続くが、産業としての自立が見えてきているわけではない。

    吉川貴盛農相は26日、記者団に対し「IWCから脱退するのは残念なことだと個人的には思う」と語った。水産庁は「今後もIWCの科学委員会に出席し、IWC改革も強く求めていく」とするが、早稲田大の真田康弘客員准教授は「脱退は外交上の敗北であり、世界から日本の資源管理の姿勢に懐疑的な見方が強まる」と懸念する。

    日本が近年、国際機関から脱退した例はある。09年には国際コーヒー協定(ICA)から脱退(15年に再加盟)。12年には1次産品共通基金協定から脱退した。これらの脱退は分担金負担を減らすのが主な目的だった。

    反捕鯨国からは非難の声が相次いでいる。

    豪州のペイン外相は26日、プライス環境相と共同で「非常に失望した。優先事項として日本に復帰を促す」との声明を出した。ニュージーランドのピーターズ外相も同日発表の声明で、捕鯨は「時代遅れで不要な慣行だ」と指摘。「日本が(脱退を)再考し、海洋生態系保護のため、あらゆる捕鯨を中止することを望み続ける」とした。

    欧米のメディアも詳しく報じた。米紙ワシントン・ポストは「日本の国際的評価に大きな傷になりかねない」と指摘。米CNNは、鯨肉食は日本でまれになっているとし「ほとんどの日本人は捕鯨に関心がない」とする日本国内の反捕鯨団体の話を伝えた。英紙ガーディアンのコラムニストは「商業捕鯨を復活させるという日本の考えは恐ろしい」とする記事を掲載した。

    環境保護団体グリーンピース・ジャパンは「日本は19年の20カ国・地域(G20)サミットの議長国として脱退を撤回すべきだ」との声明を出した。

    外務省には9月のIWC総会以降「脱退は外交上のリスクが大きい」といった声があがっていた。反捕鯨国との感情的な対立を招き、外交関係全体に影響しかねないためだ。外務省は9月以降、一部のIWC加盟国に対し日本が脱退を含めた検討をしていることを説明。脱退表明が「サプライズ」にならないよう地ならしをしてきた。

    反捕鯨国が多い欧州連合(EU)の反発で経済連携協定(EPA)の発効に影響が出るとの見方もあった。今月20日の双方の国内手続きを滞りなく完了させるため、脱退通告を年末まで待った。

    それでも日本が国際社会の批判を浴びるリスクは残る。来年1月には安倍晋三首相が反捕鯨国の英国を訪問する予定で、首相が英国世論の非難を浴びかねないと懸念する指摘もある。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2018年12月27日 14:03
    https://goo.gl/d62Cb2
    産経新聞から

    IWC脱退に関する内閣官房長官談話全文。
    反捕鯨国との「共存の可能性なし」で決断
    株式会社 産経デジタル 2018/12/26 11:23

     政府は26日、国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を発表し、菅義偉官房長官談話を発表した。談話の全文は以下の通り。

     1 わが国は、科学的根拠に基づいて水産資源を持続的に利用するとの基本姿勢の下、昭和63年以降中断している商業捕鯨を来年7月から再開することとし、国際捕鯨取締条約から脱退することを決定しました。

     2 わが国は、国際捕鯨委員会(IWC)が、国際捕鯨取締条約の下、鯨類の保存と捕鯨産業の秩序ある発展という2つの役割を持っていることを踏まえ、いわゆる商業捕鯨モラトリアムが決定されて以降、持続可能な商業捕鯨の実施を目指して、30年以上にわたり、収集した科学的データを基に誠意をもって対話を進め、解決策を模索してきました。

     3 しかし、鯨類の中には十分な資源量が確認されているものがあるにもかかわらず、保護のみを重視し、持続的利用の必要性を認めようとしない国々からの歩み寄りは見られず、商業捕鯨モラトリアムについても、遅くとも平成2年までに見直しを行うことがIWCの義務とされているにもかかわらず、見直しがなされてきていません。

     4 さらに、本年9月のIWC総会でも、条約に明記されている捕鯨産業の秩序ある発展という目的はおよそ顧みられることはなく、鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらないことが、誠に残念ながら明らかとなりました。

     この結果、今回の決断に至りました。

     5 脱退するとはいえ、国際的な海洋生物資源の管理に協力していくというわが国の考えは変わりません。IWCにオブザーバーとして参加するなど、国際機関と連携しながら、科学的知見に基づく鯨類の資源管理に貢献する所存です。

     6 また、水産資源の持続的な利用というわが国の立場を共有する国々との連携をさらに強化し、このような立場に対する国際社会の支持を拡大していくとともに、IWCが本来の機能を回復するよう取り組んでいきます。

     7 脱退の効力が発生する来年7月からわが国が行う商業捕鯨は、わが国の領海および排他的経済水域に限定し、南極海・南半球では捕獲を行いません。また、国際法に従うとともに、鯨類の資源に悪影響を与えないようIWCで採択された方式により算出される捕獲枠の範囲内で行います。

     8 わが国は、古来、鯨を食料としてばかりでなくさまざまな用途に利用し、捕鯨に携わることによってそれぞれの地域が支えられ、また、そのことが鯨を利用する文化や生活を築いてきました。

     科学的根拠に基づき水産資源を持続的に利用するという考え方が各国に共有され、次の世代に継承されていくことを期待しています。

mixiユーザー

ログインしてコメントを投稿する