mixiユーザー(id:14921690)

2021年08月04日05:53

92 view

よりぬきザッパマンその3

昨日の東京五輪ではあらたにふたつの金メダル受賞に沸いた。まずはこちら。

フォト

ボクシング女子フェザー級の入江聖奈選手だ。まだ20歳と聞いて驚いた。鳥取県初の金メダリストだそうで地域にも貢献しており大したものである。
あの南海キャンディーズのしずちゃんがかつて五輪代表を目指して猛特訓をしていながらも結果代表に選ばれず涙を呑んだ光景を思い出す。たしか彼女往時に世界ランキング7位にまでありながらも五輪に出られない事実に厳しい世界であることを知ったものだった。
なのでこの20歳の女の子の偉業が僕にはいちだんとすごく思えます。優勝おめでとうござます。そしてこちら。

フォト

体操男子種目別鉄棒で橋本大輝選手が個人総合に続いて優勝しておりこちらもすごい。なんでも鉄棒での金メダルはあのロス五輪の森末慎二さん以来だとあった。あの森末さんの雄姿をいまも思い出す。そして橋本選手。内村選手との世代交代をも知らしめる偉業に時の流れを感じます。こちらも優勝おめでとうございます。

さて今日もこちらのお方である。

フォト

ザッパマン義父だ。ちょうど10年前の話であり長女めぐみが生まれた年の歳末のことである。あの年は悲喜こもごもの年であり、7月に長女めぐみが誕生しながらも11月に家内の母方祖母が急逝してしまった。たしか享年86歳であった。

祖母が独居していた家は県営団地であったので、死後やむなく家財を遺産分配したり処分したりして後立ち退いた。これにより義母の実家が消滅することとなりああ借家だと実家や田舎ってなくなるんだなあと思わされた。それもまた生きていくということだと思った。

遺品の分配にあたる中、祖母の持ち物のうち家電でひとつだけ高価なものがあった。当時購入してあまり年月の経っていない東芝製液晶テレビレグザの32インチモデルであった。

フォト

聞けばすでに認知症が進行して生活の一部に支障が出始めていた祖母であったが、どうやら町内の個人経営の家電屋から騙されてまだ使えるテレビを下取りしてその新品レグザを高値でつかまされたとあった。それでも祖母はテレビを観るのが好きだったのでまあ仕方ないとは思った。

このテレビを義父が引き取った。食欲旺盛ながら物欲はさほどない義父であっても家電品は好きであり、自室の20インチのテレビを義弟の息子宅に譲ってこの32インチレグザを自室に迎えるとのことであった。

そして歳末を越して年始に義父母宅に遊びに行った時のことである。義父の部屋に入る用があり入室したところ、くだんの32インチ液晶テレビが見当たらないのである。その時義父が所用で外出していたので義母にあのテレビどうしたんですか?と訊くと衝撃の事実を伝えられた。

「お父さんがテレビを激しく叩いたものだから、壊れちゃったのよ」。

驚いた。叩いて壊す。なにごとかと思った。義母によれば当初そのテレビの画面にちょっとだけチラつきが出たのだそうだ。すると義父が配線をはずしてテレビを間近に寄せるやいなや、テレビの背面をてのひらでバンバンバカバカと叩き始めたというのである。そうしてふたたびテレビの配線を組んで映そうとしたところ、画面は真っ暗となり以後うんともすんとも言わなくなったというのである。

その症状をテレビのメーカーである東芝の修理センターに伝えて口頭で修理費用の概算見積もりを依頼したところ、明確な回答は得られなかったものの、数万円かかるとのことであったので、直すより新しく買った方がいいとなりやむなくレグザを処分したというのである。

まだ僕が少年だった頃のブラウン管テレビであるが、往時のそれらは確かに背中をぶっ叩くと映りがよくなることがあったりした。

フォト

こんな感じのコンソール型テレビというやつである。およそブラウン管で成り立っている当時のテレビは配線の不具合でもって映りに支障があったのであろう、ぶっ叩いて刺激を与えると配線の具合が瞬時よくなり直ったりしたのでありおおらかな時代であった。

だがいまから十年前ではすでにそんなことははるか昔だ。テレビは液晶が主流となり、その薄っぺらい中身は電子デバイスの集積によるもはや家電を超えたエレキテクノのかたまりであり精密機器であると認識すべきものだ。

それをあのザッパマンは往時のコンソール型テレビよろしく叩けば直るだろうと思い込んでいるところにこいつの低脳さがよくうかがえる。まあおよそ自身の行動には思慮が伴っていないのである。

そのうち義父が外用から帰ってきたのでテレビ壊れちゃったんですねえと声をかけると、義父からは思いもしない返事がきたのであった。

「うんそう。東芝のテレビって、根性がないねえ♡」。

ぎゃはははははははははははははは!こ、根性!テレビに!東芝に!その物言いには笑わされながらも同時に大いに驚かされたものだった。
たいがい根性含めた精神論というのはスポーツや武道や仕事ほか過酷な事業に向けられるものである。それがよもや先進的家電製品やそのメーカーに向けられるとは思わなかったので驚いた。

そこで僕は義父に訊いた。東芝のどこが根性ないんですかと問うと続いて彼はこう言った。

「経営者に根性がないんだと思うよ」。

はあ?経営者?なぜそのような言いになるのであろうか。疑問が増したので僕は義父に対して、じゃあどこの(メーカーの)テレビならいいんですかねと訊いた。すると義父ははっきりとこう言った。

「パナソニックだよ。松下幸之助は根性ありそうだから」。

どわははははははははははははははは母はははははは!ここで経営の神様の名前が出てくるとは思わなかったよ。というか義父もバカな割には幸之助翁の名前くらいは知っていたのにちょっと感心させられたものだった。

まあこれがやはりザッパマンたるゆえんだと強く思わされた一件だった。その後義父は自腹でパナソニックの液晶32インチのテレビを高額で購入しており、それで番組を観てご満悦であったそうである。

今日はここまでです。ザッパッパ(-_-;)。
2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する