またも子宮に沈む

先刻朝のチビたち送り用に車を移動したところ、車内アナウンスの「今日は何の日？」で７月８日のこの日は語呂から「質屋の日」とあった。



質屋の存在をいまの若い人は理解していないかもしれない。ブックオフなどは売りっぱなしで質草を後日買い取るということはないからだ。電車広告ではかつて大阪屋のそれを見かけたが、広告に出ているということは今も需要があるのだろうか。かの広告では質屋は歴史が古いとあった。７０年代のドラマなどでは時おり質屋が登場していたように思う。

まあ僕にはちょっと用事がない。そも換金性の高い質草を持っていない。中古ＣＤくらいのものだ。５４歳にもなって資産のない人生って(-_-;)。まあ財産ないのも僕の取り柄としておこう。

昨夜のＮＨＫニュースでまたもたいへん嫌なイヤないやあな事件を知った。今朝の紙面でもスペースを割かれていた。こちらである。



育児ネグレクトによる虐待死だ。２４歳のシングルマザーの母親が３歳にしかならない娘を自宅に置き去りにして一週間遊びに行ってしまい、帰ってきたら娘は死んでいたというのである。
どうもこの娘ちゃんは母親の外出時以前から体調不良で咳して食欲減退であったらしい。なればすぐに医者に診せるべきところ、この母親それでめんどうくさくなったのであろうか外出して昼夜遊びに興じていたようだ。
これを聞きすぐに十年前のこの事件を思い出した。



大阪の幼い二児のネグレクト遺棄致死事件だ。やはりシングルマザーだった。
この時はふたりを放逐してこの母親は一か月以上外で遊んでおり、保護責任遺棄とはされず殺人罪の判決量刑となり懲役３０年という極めて重い懲罰となり世間を驚かせていた。

これをモデルに映画にもなったのがこちらだ。



２０１３年公開の「子宮に沈める」だ。僕はこれをレンタルして観た。あまりの残酷さに吐き気を催したことを記憶している。
映画では最初は両親と二児併せて四人の幸せな家族であったのだ。それがどうしてか夫婦ですれ違いが生じやがて離婚。母親が二児を抱えて就いた仕事が夜の飲食業で、そこから悪い男がついて母親の暮らしぶりは一気に荒れて凋落し、やがて子どもを放逐してひとりを遺棄致死させてもうひとりを絞殺してしまうという救いのまったくない非道い映画であった。

監督の緒方さんは取材で言っていた。これはどの家庭でも起きうる可能性のあることであり、他人事ではない、と。僕もそう思い他山の石とするよう肝に銘じたものだった。
あれから十年。また起きたということである。

ニュースによればこの母親、昨今のコロナ禍による外出や外食の自粛で窮屈な思いをしたのであろう、ＳＮＳで出かけたい遊びたい酒飲んで騒ぎたいとつぶやいていたそうだ。幼子抱えて加えてコロナの生活にくたびれ果てていたのかそれとも生来遊び好きかあるいはその両方であったか、リアルな生活をほっぽり出しての愚挙でこうなったという感じである。



どうも亡くなったお嬢さんは日頃から栄養失調気味ということはなかったようなので、ここへきて母親が発狂して暴挙に出たとも考えられる。遺体は汚物により下半身がただれていたとあり痛ましい。

この案件も今後精査されてやがては裁判そしておそらく思い量刑が下されることと思う。母親が容疑を認めているとあるが、それだけでは救いにもならない。
そもこの母親は上記の十年前の痛ましい事件の顛末を知らなかったのであろうか。一週間の遊びの代償はその後の人生のおしまいになろうとは思わなかったのか。

まあ思っていたら酒飲みに外には行かないわなあ(-_-;)。僕も３０代は毎日飲み歩いていたが、それでも時々は家飲みでじっとしていたものだった。映画観ながら湯豆腐つついてハイボールあおるのもそれはそれでけっこう楽しかったぞ。家が空き缶でごみだらけであっても娘が無事生きている方がなんぼも幸せだったろうに(´；ω；`)ｳｩｩ。
お嬢さんのご冥福を祈るばかりだ。

先日２９８０円の高額ながら即買いしたフジファブリックの「両国国技館ライブ２００７」を昨日観終えた。生の志村正彦くんの様子が随所に見られて満足だった。



そして気がついた。志村くんって歌がけっこうヘタなのだ。それでも会場は拍手喝采の満開でありすごかった。ファンのみんなはわかっていたのだ。志村くんは歌手じゃない。ロックを歌う詩人である、と。だからいまも彼に心動かされるのだ僕らはね♡。