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2019年08月19日06:27

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ブラウン管のかなたに

先々週録画した「男はつらいよ ぼくの伯父さん」を今朝途中まで観た。寅さんの甥っ子で恋に悩む予備校生の満男の屈託をみて相談に乗るぞと寅さん満男を連れ出し酒場でたらふく酒を飲ませつつ彼の恋愛の懊悩を聞いてやりひと時の快楽にふたりして寄って後だんご屋の家に帰宅すると満男の父・博に母のさくらにおいちゃんおばちゃんから寅さんさんざんの批難ごうごうにあってしまうのであった。そして満男の博に殴られてしまうのである。

そんな満男を指して寅さんは酩酊しつつもこいつはいいやつだなぜみんなそれを分かってやらねえんだと叫ぶのである。ここにも山田監督の真面目(しんめんぼく)を垣間見ることができてすごいなと思わされるのである。

人が人の人心を救うのに体裁などいらない。本音で胸襟開いて話してこそ救いを得られるということではなかろうかと思う。寅さんは頭は悪くても心でその本質を理解しているのである。やっぱり寅さんはかっこいいなあと朝から気持ちが晴れやかになったものだった。

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この回では満男が九州の親戚宅に肩見狭く住まう片思いの女の子をオートバイで旅して訪ね、そこで寅さんもまみえて忘れがたき青春を謳歌する。寅さんが彼女を養う頭の固いおじさんに放つセリフがいまから楽しみである。

先日の紙面文化欄から面白い記事を発掘した。

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動画配信サービスで大躍進を遂げているネットフリックス略してネトフリについてであった。近年当サイトの利用者増加にともないオリジナル作品が増えているとのことである。地上波放送局によるテレビよりも自由度が高く、映画などに比べて労働環境も良いとあって俳優やスタッフから歓迎の声が上がっているそうだ。一方で行き過ぎた表現の防止策については第三者に頼らず自社で判断していることから懸念の声も上がっているとのことである。それについて記載されておりたいへん興味深かった。

ネトフリは世界を相手にしており会員数が1.5億人おり彼らの支払う会費が直接収入につながるため、特定のスポンサーにおもねる必要がないので自由度が高いのだそうだ。そのためクリエーターが構想したそのものに近い作品を制作できる環境にあるということらしい。

たしかにテレビではスポンサーの意向や要望だったりそれだけでなくエログロやナンセンスや政経宗教文化批判といったハードルが高いであろうからして縛りがきついのであろう。それと比較すればこのネトフリのスタイルはやはり自由度が断然高いということのようだ。

僕が今回この記事に興味を持ったのは実はその数日前に紙面広告でネトフリが大々的に広告していたオリジナルドラマに食指が動いたからである。
タイトルその名も「全裸監督」。広告では監督イスに俳優山田孝之くんが背を向けつつも全裸で腰掛けておりななななんだこれはと思わされたのであった。

今回の紙面でドラマのテーマが分かった。バブル期前後のかつてアダルトビデオ界でその名を知らしめた名物監督・村西とおるさんの半生を描いたドラマであるとあり、おお、す、すごいこれ観てえなあ!と僕ものどが渇いたのであった。
「ナイスですね〜♡」の声がけでAV女優をリラックスさせつつノセて名作を積み上げていった村西監督を主題にしたドラマなど地上波放送局ではまず不可能だ。そのあたりからしてネトフリのセンスというか懐の深さを感じ感心する。

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しかも配信先が全世界。これにより日本の日本人の本質を世界の方々に今までよりよく理解してもらえるかもしれずたいへん有意義なことに思える。
紙面では今回主演を務める俳優の山田孝之くんのインタビューも掲載されていた。そこからちょっと引っ張り出したい。彼はこれらのコメントを残している。

「ネットフリックスに人が集まって当然だと思います。見る側も作る側も」。

「(テレビでは)それは出来ません。それも無理です。その中でできることをやってください。といった制約ばかり。作りてはフラストレーションがたまりにたまっている。『全裸監督』のスタッフや俳優はそれを爆発させ、表現に変えていった感じです」。

受け取る側がどう思うかではなく、作り手側が「これを作りたい」、という作品を出すことが、山田くんにとっての「表現」とのことだそうだ。スポンサーの意向を意識せず、途中でCMが入ることを想定した作りにする必要もない。そういった足かせのないネトフリ制作体制を強めていることを山田くんは歓迎しているとあり、俳優がより広範囲に活躍できる場になりえると見ているそうだ。そして最後に彼はこう言っていた。

「少なくとも僕は本気になれるものを見つけてしまったという感覚はあります」。

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こりゃいよいよテレビ離れが加速するかもしれないね。かつては茶の間の主役がテレビであったが、もはや時代はここまで来ている。茶の間からテレビが消える日が来るかもしれませんなあ(*´Д`)。
でも僕も「全裸監督」観たい。家族の縛りがなかったら僕も間違いなくネトフリに会費を納めていると思う。この作品がDVDになるのを待つか。それはありえまい。記憶媒体をハナから念頭におかず各自の脳内に直接働きかける。それがネトフリなのではあるまいか。

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あとでドデカミンを飲むとしよう。今日も暑くなるのかなあ(@_@)。
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