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2020年07月07日10:23

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【美術】「日本絵画の隠し玉 ‐大倉コレクションの意外な一面」展

皆様、おはようございます。大倉集古館にて7月26日迄開催中の「日本絵画の隠し玉―大倉コレクションの意外な一面」展に行って参りました。その感想です。


大倉コレクションには数々の名品に埋もれて興味深い作品が静かに再評価を待っています。本展では日本絵画について、その発掘をしてみました。一見珍品や稀少な作品に見えるものを、改めて現代の価値観で見直すとなかなか面白い作品が浮上します。

「扇面散らし屏風」の片隻の絵師は、今はやりのゆるキャラを得意とし、その表現は魅力的です。「寒山拾得図」の怪異な表現は、劇画を好む人々に愛されるでしょう。「遊楽人物図屏風」では彦根屏風の新たな展開がみられます。「虫太平記絵巻」には素直に擬人化された虫たちの好演がみられます。

その他、宗教的な背景を持つ素朴な表現の作品や、古典に典拠した気品に満ちた作品など、従来の当館のイメージを覆す作品に出合えることでしょう。


非常に勿体無い展覧会でして、コロナの影響で6月2日の開催予定だったものが、27日に繰り下げられて、しかも二階、一階と展示室をフルに使った大規模な展示で今迄一度も展示された事が無い文字通り「蔵出し」の逸品もあると言うのに、チラシ一枚で公式㏋にも画像も、本展の図録も売っていない。写真撮影可能ならばビシバシ撮りたい作品が『空也上人絵伝』や、英一蝶の雑画帖より『子猫に蛤図』、『布袋図』、職人尽画帖より『鍛冶師』、『砥師』、かわほり帖より『鹿図』そして山口雪渓作『十六羅漢図』の全図公開や、先日東京ステーション・ギャラリーにて観た「神田日勝」展の遺作である『馬』を彷彿とさせた桃山時代の『繋馬図』、同じく桃山時代の『平家物語図扇面散らし屏風』等この機会を逃したらまずお目に掛かれないであろう図録さえ作っていないのは非常に以て残念でして、売っていたら間違いなく買っております。いわゆる「名品・優品」はいくらでも日の当たるチャンスがあるのですが、これが再度お目に掛かれる機会は皆無では無いかと思うと無性に悔しくなります。

観れる内に観て頂かないと「伝説の展覧会」になってしまう可能性が非常に大きいので機会を作って是非足を運んで頂ければ嬉しく思います。



https://www.shukokan.org/exhibition/
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