皆様、お今晩は。ようやくスティーヴン・キング御大の『ドクター・スリープ』(文春文庫刊・上下巻)を読了致しました。その感想です。
冬季閉鎖中のホテルで起きた惨劇から30年。超能力“かがやき”をもつかつての少年ダンは、大人になった今も過去に苦しみながら、ホスピスで働いていた。ある日、彼の元に奇妙なメッセージが届く。差出人は同じ“かがやき”をもつ少女。その出会いが新たな惨劇の扉を開いた。
映画版を先に観ておいて良かったなぁというのが第一の感想でして、映画と原作ではところどころ設定が異なるのです。内容に大きく触れない部分で言えば、ダニーの親友であるビリー・フリーマンは原作では70歳を過ぎた老人となっておりますし、ところどころ原作と映画では異なる箇所があるのですが、それを説明するには、スタンリー・キューブリック監督に因って映画化された『シャイニング』の継承と修正と言う意味合いが大きく関わっていて、原作者キング御大が望んでいた『シャイニング』の続編と言う形で終わらすには映画の設定をこうするしか無かっただろうなぁと思ったのであります。
今回原作を読んでみて驚いたのが、ステーィヴン・キングの本ってこれだけ読みやすくなったのか!と言う事でして40年も書き続けていれば作家としての腕も上がるでしょうが、お世辞にもスイスイと読めなかった『シャイニング』とは、雲泥の差でして、章単位が短い事もあって仕事を一休みしての休憩時間にも読めてしまうんですよねぇ。
映画版も見事な脚色でして、これは確かに原作者のキング御大も、キューブリック監督は亡くなりましたが、その遺族も映画版を絶賛していたと言うのが頷けました。
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