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2019年10月17日21:14

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【美術】致命的な動線の悪さ「ゴッホ展」

皆様、お今晩は。来年の1月13日迄上野の森美術館にて開催中の「ゴッホ展」に行って参りました。その感想です。

豊かな表現力と鮮やかな色彩で人々を魅了し続ける画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。彼が画家として独自の画風を確立するまでには「ハーグ派」と「印象派」の画家たちとの出会いがありました。本展では、彼に影響を与えた画家たちの作品を交えながらゴッホの画業の変遷をたどり、ゴッホが後期印象派を代表する画家の一人になるまでを紹介します。


通常の「ゴッホ展」ですと、オランダにある「ファン・ゴッホ美術館」と「クレラ=ミューラー美術館」の両方の美術館から大量の作品を借りてきて展覧会を行うのが今迄のパターンでしたが、何と今回のゴッホ展では御本家の「ファン・ゴッホ美術館」からは、『パイプと麦藁帽子の自画像』の一点だけしか借りてきて居ないのでありまして10か国25か所の所蔵先から丹念に作品を集めてきたことには素直に敬意を表します。

ただ、作品自体は素晴らしくても東京会場である上野の森美術館の今回の動線は最悪でして、通常の正面玄関から入るのではなく、横にあるガラス張りのキャラリーから入って二階に上がると言う理解不能な作りをしているので戸惑い、怒る事間違い無しなのであります。

今回実質的にこの企画を仕切っているのは、ハーグ美術館でありまして、そこからファン・ゴッホの師匠であったアントン・マウフェ先生の作品を含めて「ハーグ派」の画家の作品18点が一挙に観れて、ファン・ゴッホの画風もどんよりと重たいものになっていくのが良くわかります。

それから、アドルフ・モンティセリを初めとして印象派の画家の作品から感化されて、今我々が「ゴッホらしい」作品になる前からなった後の作品を通観することが出来ます。

今回意外だったのは、印象派の作品は日本国内調達のものとモナコ王室コレクションから借りているものも沢山あって普段は滅多に拝める機会が無いので貴重な機会であるとは言えます。

今回感心した一枚は、ニュ・カールスベア美術館所蔵の『タンギー爺さんの肖像』でして、ゴッホは他にも彼の肖像を描いておりますが、今回の作品が一番「写実」に近くて素敵だと思いました。

ただ、やはりと申すべきか終章を含めてインパクトのある作品はクレラ=ミューラー美術館から借りてきた8枚の作品であって、シブチンのメトロポリタン美術館から5年ぶりの再来日を果たした『糸杉』や気前の良いワシントン・ナショナル・ギャラリーから借りて来た『薔薇』の二点を持ってきても敵わないのが何だかなぁ……と思ってしまったのであります。

台風19号が襲来した10月12日と大晦日と元日のみの休館日は有難いのですが、かつてフジ=サンケイグループが企画した「伝説の洋画家たち 二科展百年」の時のように東京都美術館にて開催すると言う選択肢もあった気がします。自分は東京在住ですが兵庫県立美術館の環境で観たいなぁと切に願ったのでございました。それほどまでに東京会場の動線は最悪であります。



https://go-go-gogh.jp/
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