皆様、おはようございます。三羽省吾先生の『ヘダップ!』新潮社刊を読了致しました。その感想です。
桐山勇、18歳。かなりの天狗。J1所属のチームに入団が内定していたが、“ある噂”により取り消される。仕方なくこの春から、JFLの武山FCへ腰掛けのつもりで入ることになった。父と姉を残し向かった新天地で、天狗の鼻はぽきりと折れる。
平成最後と言うよりも、五反田に配属になっていた時に最後に読んだ本がこれでして、五反田配属時は読む本が無いと時間の潰しようが無かったので兎に角良く読みました。本作もサッカー小説とは露知らずに読んでいた一冊。
サッカーの事はとんと興味が無いので読むのに難儀したかと言えばそうでもなく、武山FCのスポンサーであるスーパーマーケットでの先輩社員である咲田のおばちゃんの描写が魅力的でして、ある事で頓挫してしまう桐山にアドバイスを掛けるのですが、そこのところの描写がお見事でして、一銭の得にも為らないことを汗水垂らして応援して下さっているサポーターの存在があってチームは成り立っているんだなぁと気づかせてくれる一冊でありました。
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