皆様、お今日は。原田マハさまの『暗幕のゲルニカ』新潮社刊を読了致しました。その感想です。
反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した。誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか?
原田マハさま渾身の一作でして、第155回直木賞候補になったのも素直に頷ける傑作です。これを読んで思ったのは20世紀を代表する絵画でありながら、自分が如何にピカソとゲルニカのことを知らなかったのか恥じ入るばかりでして、「世界で最も借り入れることが難しい絵」と言う事実と、何故そうなのか?が徐々に明らかになる過程は本当にスリリングでして、20世紀実在した人物と21世紀の創作上の人物が綾なして行く様は圧巻の一言であります。
『ゲルニカ』は2013年に退職金を使ってスペインに行った際に現物を観た貴重な作品でありますが、本作を読んでまたもう一度観たいと言う思いがこみ上げて参りました。
本作は『リーチ先生』と並んで原田マハさまの代表作として残るのはほぼ間違いないでしょう。
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