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2016年10月17日19:00

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【美術】古典の展示はかくあるべし「クラーナハ展 −500年後の誘惑−」

皆様、おはようございます。国立西洋美術館にて来年の1月15日迄開催中の魅惑の大展覧会「クラーナハ展―500年後の誘惑」を鑑賞して参りました。その感想です。

ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を運営して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。

日本初のクラーナハ展となる本展では、そうした画家の芸術の全貌を明らかにすると同時に、彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。1517年に開始された宗教改革から、ちょうど500年を数える2016-17年に開催されるこの展覧会は、クラーナハの絵画が時を超えて放つ「誘惑」を体感する、またとない場になるはずです。

今迄東京で色々な巨匠の展覧会を観て参りましたが、遂に待ち望んでいた展覧会の形がこの展覧会で実現出来た気がしております。
今回の展覧会の特色はその画家を取り巻く人々の作品だけでなく、後世に与えた影響をも含めて現代美術まで含めて取り上げていることでして展示室で岸田劉生の『川幡正光氏の肖像』(東京国立近代美術館蔵)と村上知義さまの『ヘルタ・ハインツェ像』(神奈川県立近代美術館蔵)が並んで展示されているのを見た瞬間、「これなのよ!\( ^O^)/」と展示室内で叫びそうになった程嬉しかったのであります!更に先に進むとピカソの『ヴィーナスとキューピッド(クラーナハにならって)』で横浜美術館は出てくるし、マルセル・デュシャンの『選ばれた細部、クラーナハおよび〈休演〉にならって』では国立国際美術館が!そして町田市立国際版画美術館や東京都写真美術館までも出品作品があるのでもう嬉し涙が止まりません!

嬉しい事に貸し出し先は日本国内の美術館だけではありません!ウィーン美術史美術館を筆頭にアムステルダム国立美術館、ブタペスト国立美術館、ケムニッツ美術コレクション、シュテーデル美術館、ティッセン?ボルサミッサ美術館、ウィーン造形芸術アカデミー、そしてウフィツィ美術館になんということでしょう!ワシントン・ナショナル・ギャラリー『泉のニンフ』とあのシブチンのメトロポリタン美術館『サムソンとデリラ』がそれぞれ作品を貸し出している!!!
更にそれだけではなく、お隣の台湾からも奇美美術館が『子どもたちを祝福するキリスト』を貸して下さっている!

今迄の巨匠の展覧会だと大概はその巨匠の出身国の美術館が中心となって貸し出しを行うのが常でありましたが、此処まで様々な国の色々な美術館がタッグを組むことは異例中の異例でして自分が知る限りでは東京都美術館で開かれた「エル・グレコ展」以来の快挙であると思います!(大興奮)

さて、作品そのものに話を移すと「魔性の女」と言うものを此処まで執拗に描いた画家も珍しいと思います。『ヘラクレスとオンファレ』(トゥールズ、バンベルグ財団蔵)や『女性の肖像』(フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵)を観てもまた『サムソンとデリラ』(ニューヨーク、メトロポリタン美術館蔵)を観ても「手玉に取る」系の女たちであるのであります。


ううむ。来年の1月15日迄あと三か月あるのであと何回観ることが出来るのか?楽しみ
な展覧会がまた一つ増えました。


http://www.tbs.co.jp/vienna2016/
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