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2015年11月14日15:40

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【映画】『ミケランジェロ・プロジェクト』(映画編)

ナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーの命を受け、ドイツ軍は侵攻した欧州各国の美術品を略奪。それに強い危機感を抱くハーバード大学付属美術館の館長ストークス(ジョージ・クルーニーさま)はルーズベルト大統領を説得し、美術品や歴史的建造物を保護する部隊モニュメンツ・メンを結成する。中世美術に精通したグレンジャー(マット・デイモンさま)や建築家キャンベル(ビル・マーレイさま)などのメンバーを集め、ヨーロッパ各地を奔走。だが、劣勢を強いられて自暴自棄になったナチスや、妨害しようとするソ連軍が彼らの前に立ちはだかる。

この映画について語りだすと長くなるので「映画編」と「絵画編」の二つに分けると致します。

この映画で感心させられるのは、当時の紐育の舞台美術がアールデコ様式で統一されている事でしてレンピッカの絵から出てきたようなゴージャスな衣装と意匠の数々にはため息が出ます。

そして、松尾芭蕉の句ではありませんが「夏草や 兵どもが 夢のあと」を彷彿とさせるD-DAYから一ヶ月後のノルマンディの海岸線。地雷処理は済んだかのようなお気楽さで御一行は進んで行きます。

「古い教会は残せだと?そこに狙撃兵が潜んでいたら味方の兵士が殺られるんだぞ」とは現場の将校のお言葉ですが、実に御尤もでして、仮に今の自分が彼の立場でも「仰ることは重々承知しておりますが」と言って協力出来ない旨を伝えるでしょう。

この映画では三人の死が描かれますが、この三人共に「英雄として死んだ」ように美化されていないことに一番の感銘を受けたのであります。

誰と誰が死ぬかはネタ明かしになるので言えませんが、二人目のクリスマス・イヴの人に付いては申し上げても差し支えないでしょう。この方、名前はおろか顔も映し出されておりません。銃創を受けた患部と手が映しだされるだけのですが、末期で助かる見込みが無いのでモルヒネすら与えられず死を待つのみの「名もない無名兵士の死」であります。たまたま居合わせたサム・エプスタイン さま演じた18歳のドイツ系アメリカ人兵士が手を握ることしか出来ませんでしたが、痛みで苦しみながら死んで行った彼にとってはどれほどの救いとなったことでしょう。

これしか出来ないと言う無念さと恐らくはパープルハートしか遺族に与えられない「戦死者一名」の重みを実感したのであります。
残り二名のメンバーも一人は作戦とは全く関係無く、そしてもう一人は志半ばにして倒れるのですが実に淡々と描いていて好感が持てます。

あと、坑道に隠されていた金塊と金歯の出し方も毒が効いていて、あの金塊の?パーセントかは金歯のリサイクル品と踏んでいます。

「黄金伝説展」鑑賞の前にリサーチしたのですが、六千年前に金が使われてから現代に至るまでの採掘量は50メートルのオリンピックプール僅か三杯分にしか過ぎず、「略奪品」が一つも無いことが自慢のプラド美術館にしてもそのコレクションの財源となったのはインカ帝国から略奪して溶かしてしまった「金細工」に他為らないのでありまして、そこのところがエラかったのはスキタイの金細工の再利用を禁じたロシア皇帝ピョートル1世でして、彼が居なければ金細工の至宝の一つであるスキタイの黄金細工は現在に残って居なかったでありましょう。

さて、この映画の唯一の不満はドイツ兵にはホントに優しい眼差しを向けているのに、スターリン配下の赤軍将校への仕打ちがあんまりな点でして、第二次世界大戦で最も多くの死者を出したのは他ならぬ旧ソ連なのであります。
スターリンの性格からして「作戦失敗」に終わった赤軍将校の待つ運命は「粛清」と言う名の処刑でして、星条旗を見上げる彼の後の運命に思いを馳せると「もう少し優しくしてもバチは当たらないだろうが…」と思ったのでありました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2015年11月10日 TOHOシネマズ新宿にて鑑賞)

http://miche-project.com/
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