お布団の上でお見送りするイティさん。もっと布団に潜っていたかったようですが、行かねば。頭を撫でます。ほかほかしてるのにまだ足りなさそう。
濁空である。霞んだ目にはとても届かない、その先を見る。春は少しずつ人が狂っていく。【バス停】 Sさんの話。田圃の前にあるバス停は、1人でバスを待っている時に限って、近くで誰かの咳払いの声が聞こえる。お年寄り、だと思う。以上、本日の怪談である。
停めたエアコンを見つめるイティさん。今朝は晴れているし、とタイマー起動にしてます。何となく不満そう。頭を撫でます。毛布にビタ付き。
柔獄である。視線が定まらない。見るものが不安定に歪む。【虚】 Sさんの話。近くにある山沿いの道を歩いていると、ぼそぼそと人の話す声のする場所がある。山の斜面に虚のような穴があって、其処から聞こえてくる。古びた注連縄らしき細い紐が、切れそうにな
今朝は鳥さんが軒下に来てました。わくわくが止まらないイティさん。時間ぎりぎりまで窓を開けときました、雨ですが。頭を撫でます。ちょいほかほか。寒い感じはなくて良かったです。
今朝は鳥さんが軒下に来てました。わくわくが止まらないイティさん。時間ぎりぎりまで窓を開けときました、雨ですが。頭を撫でます。ちょいほかほか。寒い感じはなくて良かったです。
乱射である。耳鳴りを聞く。轟々と特に今日は。【水溜り】 Sさんの話。子供の頃の記憶。雨の上がった初夏の日で、舗装されていない埋立地の近くを散歩していた。そういう場所なので、でこぼこして大きな水溜りが幾つも出来ていた。ふと通り掛かったところに一
雨が不満なチョビ子さん。近くに行って頭を撫でます。ベッドやら炬燵周りやら整えました。行ってきますね。イティさんは玄関までお見送り。
雨が不満なチョビ子さん。近くに行って頭を撫でます。ベッドやら炬燵周りやら整えました。行ってきますね。イティさんは玄関までお見送り。
黒海である。何かが起こりそうな湿った晩。どこまでも彷徨いたい。【三味線】 Sさんの話。祖母の部屋から、時々三味線ぽい音が聞こえることがある。ほんの数秒だが、はっきりくっきりしててちょっと驚く。勿論祖母は持ってないし弾けない。そもそも家の家系で
何とも言えないお顔のイティさん。お出掛けを察しているのかな。頭を撫でます。柔らか、なでらか。行ってきますね。
漂着である。何も思い出せない。秒毎に死に、ぼんやり蘇り続けている。【腰紐】 Sさんの話。時々紐が怖いことがある。家で襖を開けると、不意に垂れ下がっていることがあり、驚くと消える。あれは多分、着物の腰紐だと思う。何でそうなるのかはよく分からない
イティさんもチョビ子さんも近くに居てくれます。静かな時間が流れます。時々背中を撫でます。寛いで居て安心です。
揺籃である。金物を鳴らす。袋小路では無い、と思っている。【机】 Sさんの話。使っている机は、自分が生まれる前に古道具屋で買った文机である。時々、わけもなくガタガタと揺れる。以上、本日の怪談である。うーむ。
朝から探検するイティさん。いろんなとこを巡ってます。楽しそうですが気を付けても欲しいところ。背中を撫でます。今年のお布団潜りは何月くらいまでしたがるかな。
黙示である。奇なる時間。揺れながら進む。【街で】 Sさんの話。大きな町に行くと時々ある。ビルなどに入り、窓やショウウィンドウに映っている自分の後ろに誰かいて、自分に手を振っている。本当に誰かに会った気がして、いつも振り返るが、誰も居ない。窓を
チョビ子さんは、2階から名残惜しそうにお見送り。ご飯は美味しそうに食べてくれました。一緒に階段を降りてくれました。頭を撫でます。また、登っていきました。玄関ではイティさんが待ち伏せ。文句鳴きでお見送り。
熟柿である。灯りが暗く薄暗い、どこもそんなふうに見える。【竹藪】 Sさんの話。外を歩いていると不意に肩を掴まれた。誰も居ない。いつもそうだが、そういう時は大体竹藪の近くである。場所が変わっても。何かあるのだろうか。以上、本日の怪談である。うー
渇望である。忘れてしまえと声がする。かさかさと動きまわっている。【影】 Sさんの話。小学生の頃、地面に映る影が薄い友人がいた。引越して切ってしまったが、今でも気になっている。根拠もなく、酷く失礼なのだがもう生きてないんじゃ無いか、という気がし
朝から謎にうろうろするチョビ子さん。何やら頑張ってます。ご機嫌は良さそう。頭を撫でます。いつものふかふかさん。行ってきますね。
渇望である。おどろおどろしく空が鳴る。冷たい風が絶え間なく浴びせられる。【優しい声】 Sさんの話。ある駅で、人気の無い夜にホームの端にあるベンチに座っていると、時々ある。不意に、『もしもし』とすぐ後ろの方から老女の声がして、振り返ると誰も居な
はみ出すほど育ったチョビ子さん。ふーんふーんと鼻を鳴らして甘えてきます。頭を撫でます。張り切って胸の上に乗ってきます。ちょっとトイレなんでごめんね。
はみ出すほど育ったチョビ子さん。ふーんふーんと鼻を鳴らして甘えてきます。頭を撫でます。張り切って胸の上に乗ってきます。ちょっとトイレなんでごめんね。
釉薬である。怪しい色がついて回る。涙で景色が歪む。【習慣】 Sさんの話。部屋のものの位置が、知らない間に動いていることがある。木が割れるような変な音も聞こえたりする。そういう時は、仏壇に線香をあげて拝むと、大概おさまる。以上、本日の怪談である
空き箱に入るイティさん。近頃見せていなかったせいか即入居。空き箱があればとりあえず入りますね。頭を撫でます。膝の上でばりばりするのはやめてください。
空き箱に入るイティさん。近頃見せていなかったせいか即入居。空き箱があればとりあえず入りますね。頭を撫でます。膝の上でばりばりするのはやめてください。
喪失である。唄が聴こえる。微かに呪いを届ける唄が。【顔】 Sさんの話。昔、小さかった頃のこと。空き家が近所にあって、ほんの興味本位で玄関の引き戸を開けようとしたら、鍵がかかってなくて開いた。その時に見た。奥の暗がりに幾つもの顔が浮かんで、消え
イティさんはお膝の上から動きません。灰色の渦が巻いているようにころころと身体を回します。器用ですね。背中を撫でるとすりすりします。少し爪が痛し。
イティさんはお膝の上から動きません。灰色の渦が巻いているようにころころと身体を回します。器用ですね。背中を撫でるとすりすりします。少し爪が痛し。