mixiユーザー(id:14560321)

2019年10月18日03:13

155 view

Replay三代目ヤマト零11

死闘の結末

乱の蹴りは連の急所を、そして迷わず次に目を潰しにきた。間違いなく乱は連を殺そうと思っている。と連は確信した。「このままだと殺られる」
乱の右腕が伸び切っている今、反撃のチャンス
選択肢は3つ・・・
○ 乱の顔面にカウンターで左ストレートを放つ
○ 乱の胸にカウンターで膝蹴りいれる。
○ 乱の伸び切った右腕を掴み投げに転じる。
一瞬、連は躊躇った。
・・・女の子相手に顔と胸はダメだ 投げるしかない。
だが、一瞬連の判断は遅かった。時間にして、恐らく100分1秒 その判断の遅れが致命的だった。
乱は伸びた右腕を引き戻しながら連の首にその右腕をひっかけると同時に連の額めがけて頭突きを入れる。
連の額が割れる そして血がにじむ。乱の額も切れ血がにじむ。恐らく両者のダメージに差はない。
が、仕掛ける側と仕掛けられる側では、心構えが全く違う。
2人とも床へ倒れ込むが、先に動き出すのは、当然乱だった。
乱は起き上がると連の右腕に自分の両足を絡める。そしてなんの躊躇いもなく関節と逆方向へ折り曲げる。
連の絶叫とともに骨が折れる鈍い音がする。そして連の右腕は普段は曲がらない方向に向いていた。
痛さを堪えて、連は乱との距離を取る。が乱は素早く距離を詰め、片腕で防御の薄い上半身と左手での攻撃の軸となる右足を執拗に攻める。
「とにかく 距離を取れ 防御に徹しろ」連は自分に言い聞かせる。殺されそうな状況でも反撃しないのは連の優しさだったのか?乱に対しての後ろめたさだったのか?
連は乱と距離を取るように時計とは逆回りに円を描くように回りだす。動きはかなり速い
「もっと速くだ」連は今出せる最大の力で動き回る
が、乱の動きは連の動き以上に速かった。乱の筋肉は見てくれだけでなかった。
パワーだけでなくスピードも兼ね備えていた。そもそも乱の肉体は戦闘機の強力なGに耐えるものだったが、十分格闘戦でも凄かった。
既に、攻撃を捨て、逃げるだけの連と追いつめる乱
「連、なぜ反撃してこない もしお前が○○しなければ、俺はお前を殺す それが父との約束だからな」
その差は歴然で、傍から見てももう勝敗は見えている。
しかし、乱は攻撃の手をやめようとしない。連がどんどんボロきれのようになっていく
「やはり○○しないのか・・・連 ならば殺すだけだ」。
乱の一撃はひとつひとつが重い 乱の放った右拳が連の左腕のガードを抜けて胸に突き刺さる。鈍い音が響く 「しまった。あばら骨が何本か折れたか・・・肺に突き刺さったかもしれない・・・」
これは正直、もう試合になっていない。殺し合いにすらなっていない。一方的すぎる。
そして、連の足は止まり、乱の素早いパンチ、キックは片腕しか使えない連には塞ぎきれるわけはなく、徐々に連の身体にダメージが蓄積されていく。
そして乱の放った渾身のローキックが決定打となり、連の右足を砕く。
為すすべもなくその場に崩れていく連。
亀のようにうずくまっている連に更に乱は攻撃を加える。もう連に戦う力はもう無い。
「もうやめてよ 連が死んじゃう・・・」悲鳴にも似た、雛子の声がもれる。
いつか見た風景・・・・小学生の頃の雛子なら迷わず、「ヒナちゃん、キーーーークッ!」って止めに入っただろう
だけど、レベルが違いすぎる。
この戦いを見た今の雛子の力では、乱を止めることは不可能なことは分かり切っていた。
2人なら止められるかも知れない。雛子は隣で見ている三葉を見つめる「三葉、私と一緒に連を助けて・・・」
三葉は雛子の両肩に手を置くと「無理、私に格闘センスも強い肉体もないもの」
雛子はその言葉を聞いて意を決する「私が連を助けないと連が死んじゃう」唇を噛みしめ立ち上がろうとした時・・・
いつの間に制服を脱いだのだろう 下着姿の二神アリサが雛子を制する「不快だわ」そう言うと連と乱の間に割り込む。
「乱さん、私が相手するわ」「俺もお前と殺りたかったんだ」
「あらそう でもあなたじゃ私の相手にならないよ」
「そんなのやってみなきゃわかんないだろ!!!」乱はアリサとの距離を詰めて今まで以上に素早いパンチを繰り出す。
アリサは小さい身体少し沈ませる「二神流格闘術 つむじ風」と呟くと次の瞬間には乱は倒れていた。
「早く2人を病院へ」そう言うと脱いだ制服を着て道場を出て行った
すぐさま、救護班が駆け付けると、連と乱を軍中央病院へ搬送する。

三葉は何があったのかわからずキョトンとしている。
雛子ですらハッキリとは見えなかった。
そこに、頼んでもいないのに、五名麗香が解説する。
「あ〜ら、一条さん 今の見えなかったのかしらぁ〜」雛子はちょっとしゃくだったのでソッポを向く。
「今のアリサさんの技は首への高速の廻し蹴りですわ」
「延髄斬り・・・」乱は脳震盪を起こしたってわけね 
これが格闘技術「SS」と「S+」の差・・・格闘「S」の私じゃはなから相手にならなかった・・・・まして格闘「A+」の連じゃかなうわけがない 雛子は戦いを止めなかった事に後悔した。
だけど今は、連 連のとこにいかなきゃ
「連が無事ならいいけど・・・・」
「三葉、付き合って」。
そう言うと雛子と三葉は軍中央病院へ向かった。

写真はフリーアプリ「カスタムキャスト」で作った八桐乱のイメージです

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する