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2019年11月12日10:39

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スカーレット(仕事のブログより)

 あまりドラマは見ませんが、このところ何年もNHKの朝ドラは見ています。

 今回のスカーレットもなかなか面白いドラマで、女性陶芸家の波乱万丈の生涯が信楽や大阪を舞台に展開していきます。

 神山清子さんという実際の陶芸家の方のお話を参考にしているとのことですが、特にモデルということではないらしく、基本的には脚本家の方によるフィクションの物語ということです。

 まだドラマは序盤ですが、戸田恵梨香さん演じる主人公喜美子は、大阪での住み込みの仕事を一生懸命やり遂げることで、次の人生の局面を迎え陶芸の道に入っていきます。

 実は、戦前から昭和にかけて、大を成した人と言うのは、このような生き方をしたケースがかなり多いものです。

 叙々苑の創業者新井泰道氏が、「とにかく目の前の仕事を一生懸命すること。そうすれば自然に次のことが見えてくる。」と言っているのをテレビで見たことがありますが、下積み時代は他のことをやっていて、その後何らかの転機を迎え、大成するのは全く違う分野という話は非常に多く聞く話です。

 スカーレットには特に人としてのモデルはないとは言え、そのようなかつては普通にあった生き方が、ある意味でのモデルになっているとも考えられるかもしれません。

 不肖私自身も、教育の現場で仕事をして20年になりますが、元々は大学を卒業して普通のサラリーマンをしており、当初は塾を開業しようとなんて考えてもいませんでした。

 大学卒業後に就職したのは中堅のメーカーで、直属の部長は業界では有名な立志伝中の人で、それはそれは厳しく鍛えて頂きました。

 朝8時から夜12時まで仕事するのが当たり前の毎日で、その後飲みに行ったりすることもよくあり、土曜日か日曜日は半日寝ていないと体が持ちませんでしたが、それでも学生時代のレベルを落とさないため、英語の勉強だけは続けるため土曜日はブリティッシュカウンシルに通っていました。

 入社後1年半くらいは毎日が五月病のような状態でしたが、徐々に仕事も覚え、取引先の方にも評価して頂けるようになり、会社でも大きなことを任されたりもして、色々と楽しくなってきました。

 この頃になると自分のペースで仕事できるようにもなって来て、忙しい中でもメリハリを付けて、プライベートも充実していたのです。

 というわけで、特に会社を辞めて転職しようなどとは本当に思っていなかったのですが、そんなサラリーマン生活が5年目を迎える頃転機が訪れました。

 まず、さんざん目を掛けてくれ、C調大学生だった私を社会人として鍛えに鍛えてくれた部長が、さらに上席に上がることになり、一緒に仕事をすることがなくなったのです。

 そして、大学時代の4年間を学習塾でアルバイトをしていたこともありますが、実際ひょんなことから塾を開業する話が舞い込み、もちろんここでも悩みに悩み、迷いに迷いながらも決断し、運命の糸に導かれて教育の現場に身を投じたということなのです。

 それから20年が過ぎ、悲喜こもごも実に様々なことがありながらも、これまで続けることができたのは、当然私自身がこの仕事に適性があったという自負はありますが、同時に、そのように導かれてきた大きな要因は、若き日、自分なりの苦労を経験し、何かを掴み取ろうと必死で努力したあのサラリーマン時代の5年間があったからだと感謝しています。

 若い人と話をすると、やりたいことが見付からないとか、今やっているのがやりたいことではないとか、そういうことを聞くことはとても多いものです。

 時代は変わって、今や自分の感覚に少し合わないと思ったら簡単に次のことを考えるのが当たり前なのかもしれませんし、それを完全に否定することはできないでしょう。

 ただ、少し前の時代までは、スカーレットの主人公のような生き方も普通になされ、大きな成功ではないにしても、そのことでそれなりの幸せを掴むことは多かったと思いますし、若い人にもそのことは頭の片隅に入れてもらいたいなと思うのです。

 最近はあまり使われなくなりましたが、「お天道様は見ている。」という言葉を、最後に挙げておきます。
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