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2021年01月22日18:53

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マイクル・コナリーThe Law of Innocenceを読んだ

マイクル・コナリーのThe Law of Innocenceを読んだ。
非常に面白い、絶対のお勧めです。
ミッキー・ハラ―弁護士の6作目です。
ミッキー・ハラ―は1965年生まれの55歳、円熟味の増した活躍とジョークも楽しめます。(ウオーターストーン版は巻末にミッキーとジャックの短編「6分間」がついていた)
ハリー・ボッシュ、シスコ(ワッチャウスキー)も登場します。

ミッキーは裁判に勝訴してクラブで打ち上げご機嫌で帰宅途中、パトカーに停車を命じられた。免許提示を要求され、その上車から降りるよう要求された。
警官は「車のプレートナンバーが欠落している」と言った。誰かが盗んだのだろうか。
リンカーンのプレートはITAKEM(奴等を刑務所へ連れて行く)だった。

そして車のトランクから血がしたたり落ちていた。警官の指示でトランクを開けるとサム・スケールという有名な詐欺師の射殺された死体があったのだ。サムはミッキーが以前に弁護したことがあった。

ミッキーはその場で逮捕され、裁判まで殺人容疑で通称ツインタワーと言われる刑務所に入った。
刑務所の中はメキシコギャング(ホワイトオフェンス)が支配していた。そのため、同房のエッガーに毎週400ドルの用心棒代を払い、ミッキーはほかの囚人から襲われないように守られることになった。

5週間たってやっと裁判のための予備審議が始まった。なぜ5週間も待たされたのだ。
サムは詐欺師として派手に動いていたが、現在のミッキーとの接点はなかった。
サムが射殺された時刻には、ミッキーは自宅の前に駐車させていた。サムが殺されたのを知らずにいて、翌日ミッキーはリンカーンを走らせていたのだ。
事件の夜近所の人が人の声や、物音を聞いていたが、ミッキーではなかったと証言した。

ミッキーは探偵のシスコ、パートナーのジェニファーと刑務所の接見室で裁判の対策を打ち合わせした。ミッキーは刑務所内で警察が彼の情報収集をしているのを知り、逆に罠を仕掛けたのだ。そして検事の保釈金300万ドル要求を50万ドルに減額させることに成功し、GPS装置を付ける条件で釈放された。
逮捕した警官ミルトンのボディカメラ、パトカーのカメラの映像を確認していった。そこで車のトランクのサムの死体にパンツのポケットに財布が見えたのだが、警察の押収物には財布がなかったのだ。詐欺師が本物の免許証、カードを所持していることはない、何故、財布が消えたのか、警察の押収後に消えたか、何者かに盗まれたのだ。偽名の免許証、カードを隠す必要性はないはずだった。
そして一体誰がミッキーに冤罪を押し付けるのだろう。ミッキーは弁護活動から考えて、思い当たるのは一人だけいた。
マフイアのルイス・オパラジオだ。
9年前に証人として登場し、ミッキーに叩きのめされ、「証言拒否」をした人物である。
Fifth Witness(憲法修正5条適用証人)
彼は警察側証人として出廷したが、被告の有罪を証言する予定だったが、証言により自分が麻薬取引で有罪になるため、証言を拒否、それでミッキーは被告の無罪を勝ちとったのだ。(事実は被告のコールガールは真犯人だったことが、あとでわかったのだが、心ならずも真犯人を弁護し無罪にしたのだ)

そこで異母兄弟のハリー・ボッシュがルイスを警察の元の仲間などから調べ上げたのだ。
今はバイオ・グリーンという工場を経営していたが、重役の中には名前がなかったのだ。元ストリッパーを代表者に仕立てていた。
「自慢にはならないけど俺の事件で、ルイスは賢くなったのか。表に出ないで陰でビジネスを支配することを覚えたのか」とミッキー。
しかし、サムはバイオ・グリーンに勤務したわけでもなく、何故ミッキーの車の中で射殺されたのだ。サムとルイスの接点はどこにあるのだ。

そしてまた問題が発生した。検事は前の殺人事件を取り下げ、新たに殺人事件として大陪審での審議に入ることになり刑務所に収監されたのだ。
きわめて不利だったが、早く審議されることになったのだ。

FBIもミッキーがマフイアを巻きこむことを警戒していた。検事も何か企んでいるのだ。
しかもミッキーのボデイガードのエッガー(通称ビショプ)がリンカーンの運転手になりたいと現れたのだ。どうしてミッキー保釈の後、彼もすぐに刑務所を釈放されたのだ。
警察か、マフイアのタレコミ屋かと半分疑いながらミッキーは運転手として雇うことになる。

ミッキーは刑務所の独房に入り、身柄の安全は保障されたが、刑務所と裁判所の途中の刑務所のバスを恐れていた。それが現実のものとなり、バスの中で殺人犯にチエーンで首を絞められたのだ。
何とか命はとりとめたが、病院のベッドで目を覚ました。
ここからミッキーの反撃が始まります。そしてミッキー得意の法廷戦術を楽しんでください。痛快な気分になれます。
次々想定外の展開が繰り広げられ、驚くべき人物が検察側証人として登場します。
できれば、Fifth Witness(証言拒否)を読まれたうえでお読みになればより面白いと思います。 面白くて痛快です。
余談 コナリーのフロリダ時代の記者仲間だったダン・デイリー弁護士も本編に登場します。

フアンの方ならご存じの通りダン・デイリー、ロジャー・ミラー弁護士、リック・ジャクスン元刑事等の名前も後書きに出てきます。

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