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2020年04月11日14:40

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グレグ・アイルズCemetery Roadを読んだ!

グレグ・アイルズのCemetery Roadを読んだ!
本当に面白い、絶対のお勧めです。
実に深い内容で、奥行きを感じる重厚なミステリー小説です。まるでウイリアム・フォークナーを読んでいるようなそんな気持ちになります。590頁の長編(文庫本1200頁)です。
ディープサウスのミシシッピー州を舞台のアメリカそのものです。
(これまでのアイルズの代表作ペン・ケージものシリーズではありません。)
ステーブン・キング、ジョン・グリシャムも推奨のレベルの高い作品です!

マーシャル・マコーエン46歳は成功したジャーナリストとしてワシントンDCから故郷に凱旋帰還してきた。
しかし彼は故郷を捨て二度と帰らないと決めていたのだが、父ダンカンが心臓病、高血圧等で余命いくばくもないことを知り最後を看取るため帰らざるを得なかったのだ。

故郷ビアンヴィルは、もはやマーシャルの知っていた故郷ではなかった。
父の地元新聞「ウオッチマン」は150年の歴史を誇っていたが売り上げが減少し、倒産寸前だった。それでも彼は著名なジャーナリストの名前を捨て、新聞を支えてた。

しかも子供のころからの恋人ジェットは、マーシャルの同級生だったポール・マチソンと結婚してケビンという息子がいたのだ。

ビアンヴィルは人口3万余りで、12人の金持ちがすべてを支配していた。
「ビアンヴィル・ポーカークラブ」は南北戦争当時からあり、街の金持ちの白人たちが街を牛耳っていた。
マチソン家は代々この地で製材工場、森林業を営んでいた。
マックスは60代、その息子ポール・マチソン親子と、銀行家、実業家、カジノ経営者、ギャング関係者たちが「ポーカークラブ」のメンバーを構成し、街のすべてを支配していた。彼らは数十億の金を各自拠出して巨大な利益を上げていた。

その街では今、中国資本の「アズーラ・ドラゴン」が進出し、「製紙工場」を建設しようとしていた。
ポーカークラブは雇用を確保するという名目のもとで、彼らだけで莫大な利益を生み出そうとして動いていた。

そんな時、考古学者のフェリスがミシシッピー川で死んでいるのが発見された。
子供のころ、マーシャルを親代わりに指導してくれた立派な教育家だった。
フェリスは溺死だとして警察の上層部は処理しようとしていたが、黒人の州初の検死官は、マーシャルに個人的な見解だとして、殺人事件だと告げたのだ。
フェリスの首の後ろに殴打された傷があったのだ。しかもフェリスは別の場所で殺されて、運ばれてきたと考えられた。彼の車が別の場所で見つかっていたのだ。
そのあたりは製紙工場の建設される予定の土地だ。
考古学者は150年前の地図から、昔の人骨、遺品を発掘するため、土地所有者のポーカークラブの反対する中、夜になると発掘していたのだ。
彼の殺された夜は何故か誰一人警備員がいなかった。誰かがこの事件を仕組んだとマーシャルは考え調査を開始した。
フェリスは考古学者として発掘をしていて、製紙工場に反対していたわけではなかった。
では、何故彼は殺されたのだ。

アズーラ製紙工場の建設の竣工パーティがアローホテルで行われることになっていたが、マーシャルは招待されていなかった。ある女性から彼は同伴者として誘われた。

彼女は街で書店を経営する38歳のナディーンだった。彼女は弁護士として大きな事件を勝利し成功をおさめ、街に読書を広めるため、作家のサイン会などを開いていた。
マーシャルは成功したジャーナリストだったので彼女の本屋を訪れていた。だから同伴者指名はマーシャルにとってもパーティに出席は絶好の機会だった。こんな町では二人が独身であったので噂にならなかった。

そしてマーシャルは黒人の少年がドローンを飛ばして、考古学者の最後の様子を撮影していたことを知り、そのUSBメモリーを渡すという連絡を受けるのだ。フェリスが発掘に来るよう、わざと警備員を配置せず、おびき寄せたと明らかになった。最後にフェリスに近寄った人物が映像にあると少年が言った。

その夜パーティに行くと、すぐにポーカークラブのメンバーで親友のポール、マックス、銀行家などが近寄りマーシャルのパーティ参加の真意を探り入れてきたのだ。
やはり彼らが絡んでいるのだとマーシャルは確信した。
マーシャルはジャーナリストとして、ポールの民間軍事会社の活動状況を調べるため、イラクに飛び、そこでの戦場記録を発表し、ピューリッツア賞を受賞した。その記事によりポールを英雄になり、ビアンヴィルに戻った。しかしその裏には、ポールの残忍な行為等や莫大な横領が隠されていた。

マーシャルが故郷を飛び出した後英雄になったポールは、マーシャルの恋人と知りながらジェットと結婚していた。
しかし、時が流れ二人の仲は今では冷めていて、帰郷したマーシャルにジェットはすぐに接近してきたのだ。

二人はすぐに昔のように恋人関係になった。これは町の誰にも知られてはならないマーシャルの秘密だった。特にこの町では致命傷になるのだ。

マーシャルは10代のころ、ポールたちとふざけているとき、兄アダムを川で溺死させていた。そのためマーシャルは父から憎まれ、恋人ジェットを捨て、すべてを捨て、街を飛び出していたのだ。彼にはいつも心を悩ますトラウマを抱えて生きていた。

その後彼も東部で結婚していた。生まれた息子に兄と同じアダムの名前を付けたが、またも不注意から溺死させてしまい、その苦しみから、離婚して、ジャーナストとして夢中で仕事に没頭していたのだ。

パーティの真最中にナディーンに電話が入り、彼女の家に何者かが侵入し、部屋が物色されていると伝えられた。彼女には何も大事なものや、秘密もなく、困惑した。
そんなパーティの場で、マックスの妻サリーが夫に悪態をつく場面を見たのだ。彼女は上品で、大きな声を出したことなどなかったのだ。
マーシャルとナディーンは参加者にみられることもなく、早々に引きあげた。

その夜、今度はサリーが射殺されたという電話が入った。しかも、マックスが寝室で呆然としているところを警察に逮捕されたのだ。
実はマックスが街の数人の女性と浮気をしていて、それをサリーに責められ殺したものと思われたのだ。驚いたことにマックスの弁護をポールの妻ジェットが引き受けることになったのだ。彼女もまた有能な弁護士だった。
そして、今度はナディーンの母親の家にも何者かが侵入して物色していたことが分かった。

翌日マーシャルの家にジェットが訪ねてきているところへ、マックスが訪ねてきた。
マーシャルがジェットを裏口から逃がしてマックスを迎えた。マックスはジェットが来ていたことを知っていると言った。そのうえで息子の妻ジェットがマーシャルと不倫している証拠を持っていると脅してきた。
しかし彼はマーシャルとジェットの不倫を公にする気はないといったのだ。ポールにも内緒にするが、マックスの邸宅から盗まれた秘密情報を取り戻してほしいと依頼してきた。

マックスは秘密の情報が一体何かは明らかにしなかった。しかしその情報が洩れると、マックス、ポールのマチソン家はポーカークラブに殺される、ポーカークラブも壊滅するといったのだ。
ポーカークラブの、カジノ経営者、マフィアのどちらかが考古学者フェリスを殺したのは間違いないと思うと言った。
そしてマックスはサリーを射殺していないと告げた。誰が、何故サリーを殺したのだろう。それともサリーが自殺したとでもいうのか。
マックスがマーシャルの不倫を責めないのは何故なのか。

ここからはとんでもない方向に展開するのである。
長い間のしがらみ、人間関係の闇が現れ、マーシャル自身の過去からの秘密が浮かび上がってくる。彼もまたミシシッピー河で殺されそうになりアダムと同じように溺死寸前で助かるのだ。マーシャルとポールの間の過去の秘密とは。
ジェットもポールと別れたくて、何か考えているとマーシャルに告げる。マックスはそれを止めてくれと懇願しているといった。孫を連れてジェットが邸宅を出れば、後継ぎがなくなるからだ。
マーシャルはジェットと一緒にワシントンに行くことは考えられなかった。

フエリックスの死、続いてマックスの妻の死が続き、ナディーンの家の泥棒事件と不可解なことが続くのだ。

あとは楽しんで読んでください。長いですが、読みごたえはあります。
絶対のおすすめ、面白いです。南部の白人社会の深い闇が見えてきます。

余談:ホテルのパーティにジェリー・リー・ルイスが演奏する場面が出てきます。80代でも現役のロッカーです。ほとんどのゲストは彼が目当てで来ている。マーシャルもそうだ。Whole Lotta Shaking Goin On,Mean Woman Blues, That Lucky Old Sunなど懐かしい歌が。
(ケニー・ロジャースは亡くなったが、ルイスの親戚ミッキー・ギーリーもまだ現役なのはうれしい!#映画アーバンカーボーイ#に登場。(二人ともピアノの弾き語りだ)
エルビス・プレスリー、スティービィ・ワンダー、ビリー・ホリディ、レイ・チャールス、グレン・ミラー、デューク・エリントンなどの名前も、ジョン・ウエイン、ロバート・ミッチャム、バート・レイノルズなどの名前も登場します。

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