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2020年02月16日14:45

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ネルソン・デミルThe Deserterを読んだ!

ネルソン・デミルの新作The Deserterを読んだ。
非常に面白い、絶対のおすすめです。

デミルらしく長編である(530頁)が楽しめます。アメリカ人らしいジョークはとても楽しい。今回は息子のアレックスとの共著である。

陸軍准尉(ランク4)スコット・ブロディとマギー・テイラー准尉(1)の二人の捜査官の新シリーズである。
あのUP CountryやCuban Affairを思わせる、独裁主義の軍事支配国家に潜入するミステリーです。
今回は無政府状態のベネズエラが舞台である。超ハイパー・インフレにあえぎ、何百万と言う難民がアメリカに向かって行進している状態で、マドウロ大統領派と反政府側との戦闘の真最中の無政府、無秩序の中へ潜入するスリリングなミステリーです。


主人公スコット・ブロディは38歳、Chief Warrant Officer。陽気でジョークを連発してくれる。最もブロディは緊張状態になると、「そうでも言ってないとやってられない」と本音も言う。「いつも死と隣合わせ」なのだから。
ジョン・コーリーやポール・ブレナーではないがよく似た典型的なアメリカ人である。

ブロディはハケット将軍から呼び出しを受け、陸軍本部に出かけた。

デルタフォースの超エリート、キール・マーシャ大尉がアフガニスタンで脱走しタリバンに捕らえられ、拷問を受けていた映像がネットで流れていて有名だった。その彼がなんとタリバンのキャンプからも逃げ出し、完全に姿を消したのだ。

陸軍を脱走したのも、タリバンから逃げたのも、そのまま姿を消してしまったのも陸軍にとってすべてが謎だった。

それから1年後突然、マーシャ大尉がベネズエラのカラカスでその姿を元戦友に目撃されたと言うのだ。
マーシャと戦友だった石油コンサルタントのシンプソンがビジネスで訪れたカラカスのマリオットホテルのバーで見かけた。マーシャ大尉は元戦友シンプソンと目があった途端に姿を消して逃げたと言うのだ。
戦友同士なら声をかけるはずなのに明らかにマーシャが元戦友を避けていた。

スコット・ブロディとマギー・テイラーの二人がカラカスに派遣されることになり、アメリカに連れ戻すように命令された。

マーシャ大尉はまだ米軍所属なのだ。連れ戻し尋問しなければならないのだ。
その生存が確認されたからは、陸軍としては逮捕しなければならない。姿を消したままのほうが何もしなくていいのだが。しかも彼が生きていることが都合の悪いものもいたのだ。

二人はドンブロスキー大佐から、カラカスへの渡航方法、現地でのウォーリー大佐の協力を得てマーシャ大尉確保の行動するように命令された。

出発を前に二人は事実確認のためシンプソンに会った。彼の話はすべてが真実ではなかった。

マーシャを見かけたのは、マリオットホテルのバーで友人と話していた時ではなかった。
商談がまとまり、ご機嫌で酒に酔ったシンプソンが出かけた郊外の治安の悪い危険地帯にある売春ホテルだったのだ。そこのバーでたまたま見かけたのだ。
しかし、マーシャはタリバンの捕虜の時の写真よりもかなり健康で元気な様子だった。
シンプソンはマーシャ大尉に気付いて、そばに行こうとしたら、すぐに逃げたのだ。しかも、追いかけるシンプソンをバーの用心棒が止めたのだと言う。

アフガニスタンで行方不明当時のマーシャ大尉を米軍が捜索活動中に、シンプソンの友人二人がタリバンに殺されていたから、彼は裏切り者で憎いから陸軍に報告したのだと言った。

マーシャはデルタ・フォースエリートで、最も危険な奴だ。将軍の命令は「生きて連れて帰れ」でも、「連れ戻すな。捕まえたら殺してしまえ」とシンプソンは言った。恨みからではない、連れ戻す途中で奴に殺されるから、先に殺してしまえ。さもないと生きてブロディやタイラーは帰国できないと忠告した。マーシャはそれくらい凄い奴だから。

ブロディとタイラーは新婚旅行の夫婦としてビジネス席に搭乗してカラカスへ飛び立った。

空港の両替所でドルを両替しようとしたら、係員が「無駄ですよ。1分ごとに値下がりしますから」ドルを持っていなさいと言った。
「言っただろう。ハネムーンにはベネズエラは良くないって」とブロディは軽口をたたく。
「ベニスに行こうと言ったのに、彼女が聞かないから」と両替担当に言う。

Cuban Affair で同じようなセリフがあった
憂鬱そうにビールを飲んでいるとメイドが「どうしたの?」
「キューバへ行くはめになったから」「どうしてキューバなの」(当時キューバとアメリカは国交断絶中)
「北朝鮮ツアーが満杯だったから}

カラカスにつくと、迎えに来た大使館手配のSUVに乗り街に向かう途中で、すぐに2台の車に挟み撃ちにあうのだ。
そこでブロディは運転手のルイスのグロックを借りると、後ろの車の運転手を狙って構えた。すると後ろの車の運転手が気付いて急停車。それから前の車に体当たりして道路わきに弾き飛ばして、ホテル「エルドラド」に入った。そこでウオ―リー大佐に会い、情報屋を当たれと言われる。しかしウオ―リー大佐は何か怪しい人物だった。カラカスで何をしているのだろう。大使館に駐在しないでどんな仕事があるのか。

運転手のルイスはかなり慣れたもので、拳銃や、マガジンを車の中に隠し持ち、役に立ちそうだった。
その夜すぐにブロディは活動を開始し、反政府側の情報屋に接触した。情報屋は危険な人物でホテルへ帰るのも、途中命を狙われかなり危なかった。

そしてマーシャのいた売春ホテルを聞き出し」、ルイスと二人で乗り込んだ
そこは反政府派、ギャングの巣だった。キューバの支援を受けたSEBIANや,MBR200の反体制派、マーシャの部下、軍隊などがたむろしている場所だった。

二人は若い女性のいる、それぞれ別の部屋に案内されるたが、ルイスは若い女ではなく大男が現れいきなり殴られ、縛り上げられ拷問された。
ブロディも部屋に入ると、男にいきなり拳銃を突き付けられ、「何故マーシャの居所を聞く」と尋問されたのだ。既に彼等はブロディの事を知っていたのだ。
ブロディは、すきを見て男を倒し、ルイスのいる部屋を探し、彼を助け出した。そして、そのホテルにカルメンと言う英語を話す若い女から、マーシャ大尉のことを聞き出したのだ。

なんと彼女はマーシャと1週間マーシャと行動を共にしたことがあると言った。彼女が英語を話せたので、1週間の契約でマーシャが連れ出したのだ。
その時プライベートの小型飛行機で、ベネズエラのジャングルの飛行場から、南へ飛び、国立公園の中にある「エンヘルスの滝」(エンジェルと言う人物名、天使ではない)を飛行機の中で見たというのだ。
その近くの飛行場へ降り、ジャングルの中にあるキャンプ地に滞在したと彼女は言った。
そこには数十人の若者が軍事訓練を受けていたと。しかもアメリカ人らしい捕虜もいたのだ。キャンプ「ツームストン」と言いマーシャ大尉がリーダーだった。

その上マーシャ大尉は売春ホテルで有名な政府側のゴメス将軍と会い、話こんでいたとの目撃証言もしたのだ。将軍の顔はTVで見ていたから分かったと。場違いな雰囲気の落ち着いた将軍が売春ホテルで逃亡者のマーシャ大尉と会談していた。しかしマーシャが何故政府側のゴメス将軍とそんな場所で話し合ったのだろう。

ウオ―リー大佐にはあまり報告しなかった。ルイスによると、大佐はマーシャ大尉と同じころアフガニスタンに派遣されていたが、スコットにはそのことを言わなかった。しかも、大佐の部下のCIAの情報担当官が、マーシャによって拷問され殺されていたのだ。
殺し方が残忍で拷問を加えられていたのだ。それにしてもなぜ、マーシャ大尉はベネズエラに逃亡したのか、単なる逃亡、CIA捜査官を殺したからなのか、全てが謎で、マーシャに会わなければ分からないのである。
ゴメス将軍は、なぜ反体制側のホテルに現れ、会談したのか、ゴメス将軍も政府に対するクーデターを計画しているのか等、全てが謎だった。

スコットとルイスは売春ホテルで派手な銃撃戦をして反政府軍を殺して逃げかえったのだ。

そしてスコットは小型飛行機をチャーターして南部のジャングルにテイラーと向かった。
ジャングルの中で、いったい何が起きているのか、スコットたちは無事帰国できるのか分からないのだ。

アメリカにいるリーダーのドブロウスキ大佐は信頼できても、ベネズエラにいる人物はすべてが味方ではなく敵だと言えた。

ここからが、目まぐるしく展開し、派手な銃撃戦、心理戦がはじまる。
パブリッシャー・ウイークリーの☆印もここからを褒めている。楽しく読めます。
正にデミルの見せ場です。

スコットとテイラーはモーター付きのカヌーでジャングルの上流に川を上っていく。
そしてマーシャ大尉のキャンプ「ツーソン」で逆に捕虜になる。
しかしスコットは所属、氏名を名乗りマーシャ大尉を連れ戻すため来たと言った。
そこで初めてマーシャ大尉の本心を聞いたのだ。マーシャ大尉は最近また彼を殺すためジャングルに来たCIAを返り討ちに殺したと言った。
マーシャ大尉はスコットを同じ魂の持ち主と知り、心を開いていく。
何故、脱走し、アフガンでCIA情報員を殺したのか、またベネズエラでもCIA 情報員を殺したのか。なぜCIAが隠密裏に彼を逮捕して連れ戻すためでなく殺しに来るのだ。
陸軍の本部が彼を殺そうとするとは考えられない。それともほかの誰かが画策しているのか。
そこには深い闇が潜んでいて、個人的な出世のため、偽の軍事作戦、戦果、出世の犠牲になった兵士たちを思うマーシャ大尉の話が語られるのである。
そして、マーシャはもちろん帰国をしたいし、無実を証明する機会がほしいと考えていると。しかしそれはかなり、厳しい闇が待ち構えている。およそ不可能に近いと。だから、ここで戦い続けているのだ。
スコットとマーシャ大尉はアメリカに戻るべく、キャンプを直ちに脱出した。スコットが居場所を本部に報告したと分かると、すぐにブラックオプの攻撃ヘリが現れキャンプを爆破し吹き飛ばしたのだ。誰かが本部への連絡を傍受したのだ。ブロディの報告、これを待っていたのだ。皆殺しにしようと。
そして、別のヘリが現れ、その人物がスコットたちが生きているのを見て拳銃を向け、スコット、テイラー、マーシャ大尉の3人に消えてもらうと言った。

このあとは読んで楽しんでください

余談:
ルイス「どちらへ行きます?」 「パリへ」とスコット。
ルイス「行きたいですね」 「プラザの博物館へ」
(カラカスのプラザ博物館は現在秘密警察の本部になっていた)
「博物館とは素敵ですね」 「そうだね。特にパリのは」とスコット。

ネルソンは滑舌で、衰えを感じるインタビューだった。いまだに彼がPCを使わず、鉛筆で原稿を書いてるのは驚いた。
ただし、二人とも、サインは万年筆での太い字体の上手いサインだった。

ネルソン・デミルはサイモンであと3冊の契約があり、2冊はスコット・ブロデイものを書くそうだ!


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