本「三鬼 三島屋変調百物語四之続」　宮部みゆき

再再読。ことしになって最新巻六を読んで、その前の五を再読、勢いで一・二・三そしてこの四巻へ、短期間に全巻読破！
今までは読む間隔が開いていたせいか、この巻の最後の「おくらさま」で物語の流れが急変したことに気づいていなかった。
富次郎が百物語にかかわり、勘一と出会い、青野利一郎との別れ、ずいぶん盛沢山だった。もっとゆっくり変わっていった気がしていたのだ。
そして最後まで私のもやもやは解消されなかった。
そこにいなかったのにどうしてご存じなんでしょう？

初読の時のレビュー
このシリーズはずいぶんたくさん出たように思ったけど、まだ４冊目だった。
内容が濃いからそんな気がしたのかな。
今回も重い話が多かったが、ひだる神の話はちょっとほっこり出来た。
本の題名になってる「三鬼」は途中も辛くて、最後にもう一度重いものが待ってたので、おちかが心配になった。
「おくらさま」でおちかの人生がまたちょっと違ってきたかな？
少しずつ前に進んでいけると良いと思う。

再読の時のレビュー
先日「泣き童子」を再読、これももう一度読みたくなった。
「迷いの旅籠」「三鬼」の両方とも「荒神」を連想した。
「食客ひだる神」は「あんじゅう」を、「おくらさま」の富次郎の怪我の一件はおちかのつらい過去を、という感じで、宮部さんの作品は底の方で繋がってるような気がした。
だから何度でも再読したくなるのだろう。