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2019年11月14日06:38

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映画「GO」38度線とパンジョッパリ。

喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた在日韓国人の杉浦。通名で過ごすことには何のためらいもなかった。しかし父親がハワイ旅行するため朝鮮籍から韓国籍に切り替えたことから民族の血が騒ぎだす。

けんか相手の加藤は指定暴力団の組長のせがれ。ただ、こいつと喧嘩してからというもの二人のあいだには友情が目覚める。この加藤の催したパーティーで桜井という女子高生と知り合い懇意になる杉浦。ふたりは彼女の通っていた小学校の朝礼台の足元で恋人となる。杉浦は自分が在日朝鮮人だということをひたすら隠し加藤との逢瀬を重ねる。

杉浦の父親は日本ランキング7位の元プロボクサー。現在はパチンコの景品交換所で働いていた。この父親のパンチの破壊力はまるで現役ボクサーのそれのように鋭さがある。喧嘩をして杉浦が警察に捕まると、担当の目の前で極めつけのストレートを見せつけ、息子をボコボコにした。そして「これで家裁行きは免れたろ」とうそぶいてみせる。

杉浦と桜井の二人は毎週土曜日、桜井の家でデートした。そんなある日、ジョンイルという杉浦の大親友が、韓国人差別をする高校生により咽喉元をナイフでえぐられ即死。葬式の席でジョンイルの仇討ちをしようと詰め寄る元同級生に対し杉浦は、「ジョンイルはそんなこと望んじゃいねえんだ」と突き返す。ジョンイルは大学を出て、日韓平和のために民族学校の教師になることを夢見ていたのだった。

そんなジョンイルの死を無駄にせまいと杉浦は在日の誇りを胸に刻む。そして桜井との初夜に自分が在日韓国人だということを桜井に告げる。が、彼女は父親の教育のため「韓国人や中国人の血は穢れている」と口走る。そして自分がまだ処女だったことも。いったん二人の縁はここで途絶える。

筆者も以前、在日の女性と付き合っていたが、彼女は日本人とは結婚できないと言い張っていた。私が「パンジョッパリ」といえば「ヤマトンチュウ」と言葉が返ってきたこともあった。その彼女はシングルマザーで、三人の子を成長させていた。19歳も年上の女性だった。

日帝36年の歴史は杉浦と桜井の間に大きな溝を穿っていた。シェイクスピアのロミオとジュリエットでいうところの「バラは名前を失っても甘い香りに変わりはない」ということを体現するかのように、桜井の感情は杉浦に向かっていた。そしてクリスマスイブの晩、鍵裏の家に電話が鳴った。桜井だった。「小学校で待っている」と伝言を告げ彼女は電話を切る。

真冬。コートをまとった桜井は杉浦の来るのを待っていた。訪れた杉浦は「おれは何物でもねえ。おれはおれなんだと大声で言葉を発した。桜井はそれ等すべてを受け入れて交際は再スタートする、という物語。

まだ韓流ブーム前夜の日本でこの映画が受け入れられたのは、まさにパンジョッパリである杉浦の日本に対する情熱、落語や漫才という文化の吸収力、などがあげられる。たかだか二十年前までは反韓ムードは誰しもが抱いていた。が、それも時代の流れ。現在では韓国人にあこがれる女子層が増加している。日本男児より、韓国男子という風潮に素直に思考が転換できないのは、筆者も年を取ったからだろう。

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