mixiユーザー(id:1437527)

2019年10月23日12:35

28 view

映画「タイピスト」

パラノイア的に散りばめられたスクリーン上の配色。1959年のフランスを舞台に片田舎から都会に現れたローズ。中年前の男性ルイが経営する保険会社の面接を受ける。様々な色に散りばめられた面談の応募に訪れた若いお姉さんたちのファッションにも目が向く趣向。採用試験に受かったローズではあったが、一週間でクビ……というところでルイはある生き残りをかけた採用条件を提示する。それはローズの唯一の得意技「タイピング」の腕を買ったのだ。

ふたりはタイピスト大会の優勝を目指して日々精進。一本指打ちから十本指打ち、様々な手作りな機材を開発してはそれらを用いてローズはタイピングの腕を徐々に磨かれてゆく。

付いたり離れたりのフランス映画の定石付きで故意に陥るローズとルイ。フランカ大会優勝を機にふたりは結ばれる。目指すは世界大会あるのみ。

メディアにも引っ張りだこになるタイピスト名人ローズ。華やかな1959年のパリの夜に蝶のごとく羽ばたいていく。やがてルイとの別離を挟んでタイピング世界大会に臨む。


世界大会では僅差で勝ち進んでいき、不仲になっていた雑貨店を営んでいる父にプレゼントされたタイプライターを用いて決勝戦に挑む。この神経ビリビリのローズのもとに分かれたはずのルイが戻ってきた。すべてはローズの世界一を思っての行動だった旨を聞かされふたりは再び番の伴侶となる。いざ決勝。そしてドラマツルギーに依存したサクセスストーリー。優勝を手に入れたローズ。

作品全編を通じて垣間見られる当時の空気管やセンスてんこ盛りのファッションスタイル、そして懐かしき街並み。映画としてだけでなく絵画的にも魅力あふれる快作。

【追記】なんとなくだけど、オードリー・ヘップバーンの名作「マイ・フェアレディ」に成り上り方に相似性を見てしまうのは筆者だけだろうか?
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する