SF小説ファンの内気な高校生の主人公の前に突然現れたのは、十年後の「自分自身」。
最初は訳がわからず戸惑う彼だったが、一人の少女の運命を変える為に、十年後の「自分」と共に奔走するというストーリー。
作品冒頭部分だけ眺めていると、「君の名は。」や「時をかける少女」のような、主人公が時間の中を行き来する「タイムリープ」モノだと思ってました。
しかし、この作品はキアヌ・リーブス主演映画「マトリックス」やレオナルド・ディカプリオ主演映画「インセプション」のような、「現実世界」と「仮想現実の世界」を舞台にした作品の方に近い。
うっかりして見ていると、主人公がいる世界が「現実」か「仮想現実」か?が分からなくなります。
ストーリーも捻りが効いていて、「十年後から来た自分」の本当の目的が何か?が分かってからの展開が面白い。
「平行宇宙」の概念が知っていないと、ラストの博士のセリフの意味が分からないあたりは、SFファンなら面白いのですが、普段SFに馴染みのない人には訳がわからんかと…。
主人公の部屋の本棚に並んでいた早川SF文庫の背表紙にあったのは、グレッグ・イーガン、フィリップ・K・ディック、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」などなど…。
制作者がまるで「この作品は、本格的なSF作品です」と宣言しているようです。
この作品のキャッチコピーの「この作品は、ラスト一秒でひっくりかえる」、嘘じゃないですよ。
面白かったw
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