在宅医療 一回 ６０００円

「私、今度からビジターになるから」
と、宮田さん。

私を スマイルという卓球同好会に誘ってくれた女性だ。

聞けば、
彼女が介護している認知症の ご主人が 病院に行くのを嫌がるようになった、との事。

デイサービスに出すのも大変で、
「ベッドに戻る、ベッドに戻る」
と、言って困るというのは聞いていた。

でも、なんとか着替えて 食事させて 迎えの車に乗せねば
彼女は毎日 何もできない。
一旦、デイに行けば、ご主人は ご機嫌なのだから。

で、今回 在宅医療を申し込んだら
一回 ６０００円の請求が来たという。
月に２回で１万２０００円

今までは、２ヶ月、６０日分 出ていた持病の薬も、２週間分しか出ず、
その度に 彼女が病院に 受け取りに行かなくてはいけなくなった。

卓球のクラブ費用は 毎月 ３０００円だ。 (週に一回 )

これが ビジターになると
来た時に 一回 ３００円の支払いだけになる。フルに来ても
今までの３０００円が
１２００円で済む。

彼女は長年卓球を やっていて文京区の 試合にも出てるし、もっと強いクラブにも所属している。

たぶん
そこも ビジターになって 節約する気だろう。

「卓球を辞めちゃったら 私、何の楽しみもないしねえ」


ご主人は 妻を 長年
「お母さん」と呼んできたから、
認知症が進んだ 今は、勘違いして

「お母さん、俺、いい人がいたら結婚しようと思うんだ」

と、妻に言うらしい。

宮田さんは 元は看護師さんとして働いていたから その知識や覚悟もあるだろう。

しかし、年老いた夫婦では
酔っぱらいと同じで、先にボケちゃったもん勝ちだなあ、と思う
今日 この頃。