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2021年01月13日09:59

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「北京原人」以来の脱力感

年間300とか400本ほど映画を見てると、時折どうしてこれが世に出てしまったんやろってのに遭遇する。
さすがに海外の作品はあまりにもどうしょうもないのは日本に入ってこないからあんましないけど、日本映画に理解に苦しむものがたまにある。

古くは白都真理扮する海女がもりで人をつきまくる「人魚伝説」や、なぜだかまたもや白都真理主演で、これ1本で名脚本家橋本忍を吹き飛ばしてしまった「幻の湖」、話のスケールはでかいのにやたらちまちましてる「さよならジュピター」もたいがいやし、織田裕二の「ベストガイ」、真田広之の「ヒーローインタビュー」もすごい。

企画が発表された時点でどう考えても駄目やろなと思ってたら、実物はそれ以上に駄目やった「北京原人」みたいなのもある。

録画しておいて見た「空母いぶき」はそれらに勝るとも劣らないひどさやった。
原作では侵略してくる中国軍から日本を守るために自衛隊が活躍すれようになっている。

そもそも東亜連邦てなんやねん。
建国して3年でなんで空母てか潜水艦持ってるねん。
原作のまま、中国にでけへんにしても、もうちょっとやりようがあるんちゃうか。
たとえば、アジア一帯の支配を目論む巨大国家の傀儡だとでもしておけば、まだリアリティがあったはず。
しかも、敵の姿まったく見えへんし。

中井貴一がやってるだけに、ただのコンビニ店長やないやろなと思ってたら、ほんまにただのコンビニ店長やったり、佐藤浩市の首相はもごもご言ってるだけやったり、交戦中に民間人が勝手にうろうろしてたり、イージス艦が砲弾を避けるためにバックしたりと、細かいことを突っ込み出したらキリがないけど、いちばんの問題は原作者のかわぐちかいじやわ。

この脚本にOK出したらあかんやろ。
原作の世界観がまったく反映されてないし、内容が散漫すぎて、なにが言いたいのかさっぱりわからん。
映像化にピッタリだと言われながら世界中で50年間ヒットし続けたダーク・ピットシリーズってのがあるけど、初めて映画化された80年の「レイズザタイタニック」のあまりの出来の悪さに激怒した原作者のクライブ・カッスラーがそれ以降は映画化を拒否。
ようやく25年後になって「サハラ、死の砂漠を脱出せよ」が映画になったくらいやからね。
日本でも「海猿」の佐藤秀峰がフジテレビともめて、現在ではドラマ、映画の公開ができなくなっている。

それもこれも、作者の世界観にひかれて見に来る人への配慮とイメージを守るためやん。
なにも知らないで「空母いぶき」を見てしもた人、かわぐちかいじをこの程度や思ってまうで。

ひどいひどいと言われてたから、金出して見に行く気になれず、レンタルもせんかったけど、正解やったわ。
なんぼなんでもこれはないやろって映画、そうそうないくらいやし。
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