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2020年02月11日12:12

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クルーズ船はなぜでかい

横浜のこれもでかいけど、ここ20年ほど、クルーズの流行と共に使用される船はどんどんでかくなり、いまでは全長300メートル、排水量で10万トンを越えるものも珍しくない。

客船には大きく分けてふたつの分類があり、定期客船とクルーズ客船にわかれる。
飛行機による旅が一般化する前、太平洋、太平洋などの航路には定期客船が行き交っており、それらの多くは1〜3万トン程度だった。
全盛期は1930年代で、40年代、50年代とどんどん衰退して行き、ボーイング747が就航した70年代には趣味で乗る人しか利用しなくなったため、絶滅寸前に。

船会社は余った船腹をクルーズ船に模様替えし、日本にも馴染みの深かったQE2、キャンベラ、オリアナなども次々クルーズ客船に模様替えして延命をはかる。
そのビジネスが思った以上に好評だったため、世界中に残っていた客船がこぞってクルーズに用いられるようになったわけやね。
ただ、その時代はクルーズで訪れるような場所は港湾施設が十分でなかったこともあって、大きくても3万トン程度の中型船が中心。

そこへド〜ンと飛び出したのがアメリカのカーニバルクルーズ、いまもクルーズ船業界のシェアの20%程度を握るこの会社、いきなり7万トンクラスのクルーズ船をずらりと揃え、主にカリブ海方面への航海を安値で売り出した。
カーニバルクルーズが安価でクルーズを売り出せたのは、まさにその巨大船を作り出したから。
優美さには程遠い、自動車運搬船に窓をつけたかのようなでっかい箱を載せた新世代クルーズ客船の収容人員は3000人以上、最大クラスならなんと6000人を収容できる。

空の旅が劇的に安くなったのはボーイング747、通称ジャンボの出現による。
200人乗りでも500人乗りでも、飛ばすのに必要な人数に大きな差はなく、エンジンの数が同じなら燃費にも極端な違いはない。
単純計算して、その前の707と比べると747は半分の費用で客を運べたので、利益を確保しつつダンピングもできたから、航空運賃はどんどん下がっていった。
それと同じ理屈をあてはめたのが巨大クルーズ船で、70年代初頭には1泊あたり5〜10万円が当たり前やったクルーズ料金を安いクラスなら1万円程度まで引き下げることに成功。
余暇を楽しみ長期休暇をとる文化が広まったこととあいまって、空前のクルーズブームを呼び込んだってこっちゃね。

建造費や燃料費などを含めたランニングコストは大きいほうがかかるし、港湾使用料もかさむけど、運行するための人員は大型船でも小型船でも大差なく、カジュアル化することでサービス要員も大幅に削減できる。
乗組員数を比べると、かつての定期客船とそれらを改装したクルーズ船は乗客2人あたり1人のクルーが乗り込んでたけど、いまはおおむね3人に1人ってところ。
かくしてクルーズ客船はどんどん巨大化し、安くなった料金で利用者をどんどん増やしていってるってこっちゃね。


■横浜のクルーズ船、旅費全額返金へ 全乗客に書面で通知
(朝日新聞デジタル - 02月10日 13:41)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5967982
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