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2020年01月24日02:50

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なぜついつい金龍に行ってしまうのか、その謎がようやく解けた

ミナミの名物ラーメン屋の金龍。
大阪時代の古田新太がバイトしてたことでも知られるこの店を初めて利用したのはいまから38年ほど前。
なんや道頓堀のほうにえらい美味いラーメン屋があるらしいぞと、学校終わってからみんなで行った。
御堂筋の角、通りに面してL型のカウンターがあるのみ、今もそのまま営業しているそこには当時は椅子が並んでいた。
まだラーメンブームが来る前で、中でも豚骨なんてのはほかには薩摩っ子くらいしかなかった時代、500円で食べられる金龍は間違いなく大阪でも屈指の美味いラーメン屋やった。
その後、道頓堀にも店を出し、相生橋、千日前でもやるようになった頃から、じつは金龍って美味しくないんやないかと言われるようになる。

3店舗目が出た頃くらいからかな、ラーメンブームが起こって、いろんな店が趣向を凝らしたものを出すようになり、選択肢が広がったのがあるんやろ思う。
そのうち、働いてるのはほとんどが外国人になり、いまでは客の大半が外国人観光客で占められるようになっている。
美味しくない美味しくないと言いながらも時折寄って食べてしまうのは、青春の味やからやと思ってた。
しかし、先だって消費税があがったから値段も変わってるかと思って覗いたら600円のままやったのを見て、そういうことやったのかとピンときた。
つまりボクたちは、美味しくない美味しくないと言いたいがために金龍に行っていたのだ。

昔は美味かったけど、今は美味しくない。
それは金龍が変わったのではなく、食べる自分たちの経験値が変わっただけやねん。
金龍はいまも昔のあの味で、いまとなってはちょっと頼りない豚骨のスープも、めったにないほど辛いキムチも創業時からなにも変わってない。
500円やったのが600円に上がったのは昭和60年頃で、それ以来、消費税が導入され、5%から8%、そして10%になってもまだそのまんまと、値段まで変わらず、しかもその間にご飯のサービスがつくようになったから、実質的にはどんどん安くなっていっている。
あの頃と変わらない味を変わらない値段で体験することで、自分自身の変化を実感できるんやね。

80年代、金龍は間違いなく大阪でもっとも美味いラーメン屋のひとつやったし、だからこそ行列になり、店も増えた。
その後、ラーメンブームやB級グルメのせめぎ合いを経て、ラーメンは多様化、進化を重ねた結果、飛躍的に複雑で美味しくなった。
ところが金龍は金龍のままで、豚骨ラーメンは珍しいものではなくなったし、ニューウェイブと比べると凡庸さばかりが目立つようになっていく。
記憶にある限りやと、20年くらい前から店長らしき人を除けば金龍の従業員が外国人ばかりになってしまっている。
それは、その頃にはすでにラーメンを志す人に取って、金龍で学ぶようなことはなくなってたからなんやわ。

記録は更新され記憶は上書きされる。
ある時代においてトップだったからと言って、いつまでもトップでいられるわけではない。
常に変化を続けなければトップで居続けることはできない。
いま、ミシュランの星を落とした落とさないでもめてるのはそういうことやね。
頂点を保ち続けるのもひとつの道やけど、変わらない味を提供し続けるのもまたひとつの道。

進化を遂げた後発の神座や來來亭などは全国展開へと踏み切ったのに対し、金龍はいまも千日前周辺の3店舗のみで生き続けている。
変わらない味を確かめつつ、金龍を美味しく感じられないほどほかに美味しいものを体験してきた自分に浸る。
そのためなんやね、ついつい金龍に行ってしまうのは。
そのたびに「金龍って、別に美味しくないよな」と言って悦に入るわけですわ。
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