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2020年01月16日02:12

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ヘレとヒレ

なんでフィレ肉のことを関東ではヒレ、関西ではヘレと言うのかをテレビで説明していて、いたく感心してしまった。
もともと日本人にはフィの発音ができず、明治時代にフィレ肉が伝わってきたときも、うまく言えなかった。
昭和初期に生まれた人にはその名残があり、フィリピンをフイリッピン、フィルムをフイルムと言ったりするとのこと。
あら、うちの母ちゃんまさにそれやし、この前ドンキでティファールをテハールと呼んでたおばあさんもそうなんやわ。

それがどうして関東と関西では違う言い方になったかと言うと、そこには日本語の法則性がある。
日本語を規範的に話そうとすると「い」が強くなり、独自性を持たそうとすれば「え」を強くする傾向があるんやて。
元来、日本の中心は大阪を中心とした近畿なので、「い」が用いられ、江戸期に入ってから発達した関東では「え」が使われる。
古い江戸言葉である「べらんめえ」「てやんでえ」「めえった」「えげれす」など、「え」が多用されるのはそのせい。
いや、ちょっと待てよ、それやったら関東がヘレにならなおかしいやん。
なんとなんと、それが逆転したのには明治維新が関係するんやて。

明治になり、東京に都が移されてまず着手されたのが標準語で、それが今の東京弁のベースになっており、当然ながら規範性を持たせたために、「い」が強い言葉となった。
するとおもしろくないのは上方の人間で、反骨心から言葉に独自性を盛り込もうとし、「え」を使うようになる。
そうした流れの中で、関東ではヒレ、関西やとヘレと呼ぶようになったとのこと。

言葉のおもしろいところはまだあって、大阪ではヘレなのに、京都に限ってはヒレになっている。
京都は昔から国の中心で、そこに住む人たちは今でも自分たちが日本人の代表だと思い、京言葉こそが標準語と信じ込んでいる。
だから、規範性の強い「い」にこだわった結果、ヒレが定着しているとのこと。

標準語で「来ない」と言うとき、京都では「きいひん」と言い、大阪では「けえへん」。
「やらない」は「しいひん」と「せえへん」になり、京都ではきつねうどんと呼ぶ同じ食べ物が大阪ではけつねうどんになってしまうのが典型。

なるほど、おもしろいもんやね。
そやけど、こっちで言うところのミンチカツを関東ではメンチカツ言うのはなんでなんやろ。
「い」と「え」が逆転してるやん。
また調べなあかんことがひとつできてもたやないか、ぽてちん。
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