国土交通省は昨日、高速道路の料金所を
段階的に自動料金収受システム(ETC)専用に移行する検討に
着手したと報じられました。
僕の車には、ETCは付けていません。
高速道路を利用するのは、年間で2・3回程度ですから、
付ける必要はないと考えて来ました。
更に、ETCはクレジットカードと連動します。
いつもニコニコ現金払いをモットーにしている僕としては、
特にクレジットカードは危ないとの思いがあるので、
なるべく使わないようにしている事もあります。
そのような事もあり、今回の発表には非常に腹を立てています。
これまでも、ETCによる割引制度や、ETC専用のスマートインターなど、
ETC導入のための優遇措置を面白くないと思っていましたが、
それも含めてETCを使わない事にしているので、
それはそれで仕方のない事だと思って来ました。
優遇措置とETC専用化とは、まるきり次元の違う話です。
しかも言うに事を欠いて、ETC化の理由に新型コロナウイルスを持ち出すのは、
いかにもどさくさ紛れの感があり、
新型コロナウイルスならば何でも通るとの官僚の悪知恵のような気がします。
あるいは、新型コロナウイルス対策の予算の中に、
そのような経費まで含まれているのかも知れません。
料金所で感染の心配があるのならば、
スーパーなどのレジはどうすれば良いのでしょうか?
2001年に導入されたETCは、年々利用率が上がって、
2016年には90%を超えたとの話ですが、
その後は頭打ちになっていて、今の利用率は93%程度になっているとの事です。
90%を超えているのだからとの発想があるのかも知れませんが、
都市部はともかく、地方では、
僕と同じように高速は滅多に使わない人が多いのではないかと思います。
何となく、少数派の切り捨てのような感じがしています。
本来、道路は無料の社会資本です。
ドイツなどのアウトバーン、イギリスなどでのモーターウェイ、
アメリカやオーストラリアのフリーウェイなどの高速道路は基本的に無料です。
2003年(平成15年)の第43回衆議院議員総選挙で、
民主党は、「高速道路無料化」をマニフェストに掲げましたが、
この時、少し目から鱗が落ちる思いがしました。
東名高速道路の建設開始当初は、
各路線の借入金がそれぞれの路線の収益により返済された後は、
無料開放される予定でした。
しかし、田中角栄内閣の時に、高速料金全国プール制が導入され、
全国の高速道路の収支を合算することとなったため、
建設費を賄い終えても無料化されなくなりました。
一般の有料道路では、概ね30年の料金算定期間が終わると、無料化されています。
例えば栃木県日光市の有名な「いろは坂」は、以前は有料道路でしたが、
現在は無料になっています。
ともかく、高速道路のETC専用化については、
クレジットカードを持っていない人はどうするのかなど、幾つかの問題点もあります。
そうした技術的な問題だけではなく、
そもそも道路とは何かとの問題に立ち戻って検討するのも必要な気がします。
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