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2020年07月01日17:56

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ふるさと納税・・・

 昨日、大阪府泉佐野市がふるさと納税の新制度から除外されたのは違法として、
 総務大臣に除外取り消しを求めた訴訟の上告審判決があり、
 最高裁第3小法廷は、国側の主張を認めた大阪高裁判決を破棄し、
 除外決定を取り消して、市側の逆転勝訴が確定しました。
 意外な結果と受け止めた方も多いかも知れませんが、
 国と争おうとした泉佐野市の姿勢は、評価できると思っています。

 ふるさと納税制度は、2008年に始まりました。
 名称は納税となっていますが、実態は寄付で、寄付金税制の1つです。
 既にご利用になっている方もいらっしゃるでしょうし、
 名前だけはご存知の方も多いかと思います。
 僕は、制度が出来た時に、変な制度が出来たと思いましたが、
 その後も、何か面倒な感じがするので、制度を利用しないで来ました。

 ふるさと納税は、そもそもは地方間格差や過疎などにより、
 税収の減少に悩む自治体に対しての支援のために考えられた制度です。
 しかし、地方間格差の問題は、地方交付税制度など、
 制度的に対処すべき問題だと思います。
 変な制度だと思ったのは、その辺の事もあります。

 制度が始まって、当初は想定されていなかった、
 寄付金の額に応じ、主にその地域の特産品を返礼品として送付する自治体が現れ、
 注目を集めるようになりました。
 このことは、地方自治体の知名度を上げ、地場産業の振興を図る事が出来、
 それなりに悪い事ではないと思いますが、
 各自治体間での返礼品での競争が激しくなりました。
 泉佐野市では、地場産業と関係のない高額の返礼品やアマゾンギフト券などで、
 多額の寄付を集めた事で、多額の寄付が寄せられました。
 2017年度には、全国で初めてふるさと納税の受入額が100億円を突破し、
 2018年度には約497億円を集めたとの事です。
 この点に関しては、上述の最高裁の判決の中でも、
 「社会通念上、節度を欠いていたと評価されてもやむをえない」と批判がありました。
 また、ふるさと納税に関する仲介サイトなども現れていて、
 本来の趣旨とは大きく様相を異にしているような気はします。

 別の意味で、今回の裁判は、国と地方の関係が改めて問われた裁判だったと思います。
 豪華返礼品による競争過熱を受け、
 総務省は是正を求める通知を相次いで発出しています。
 2019年6月の法改正で基準を守る自治体のみ参加できる新制度に移行した際、
 法施行前の寄付募集を問題視して、泉佐野市などを不指定にしました。
 国の第三者機関「国地方係争処理委員会」は2019年9月、
 過去の行為だけを理由に市を除外するのは違法の恐れがあると
 再検討を勧告したにもかかわらず総務省は、不指定を維持して裁判となった訳です。
 最高裁は、新制度の対象となる自治体の指定基準を示した総務省告示のうち、
 過去の募集方法を考慮するとした部分について、「違法で無効」と判断しました。
 2000年の地方分権一括法で、
 国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」に転換され、
 省庁が自治体に出す通知は法的拘束力のない「技術的な助言」となりました。
 総務省としては、ふるさと納税制度を守るため、
 突出した自治体を排除しようとしたのでしょうが、
 総務省の方針は、昔の上意下達の関係が残っていたようにも感じました。

 新型コロナウイルスの感染対策においても、
 国は、地方の状況など全く念頭に置かずに、全国一律にこだわった感じがします。
 国が緊急事態宣言は出すが、休業要請などの権限は知事にある、
 現在の新型コロナ特措法にも問題があるのかも知れません。

 ともかく、今回の最高裁の判断や、新型コロナウイルス対策などを踏まえて、
 改めて国と地方の関係を見直しても良いような気がします。


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