亥年も間もなく終わりますが、
ここのところイノシシのニュースが多いように感じています。
今月3日には、東京都足立区の荒川の河川敷で目撃されました。
走り回る姿が、テレビのニュースでも放送されましたので、
ご覧になった方もいらっしゃるかも知れません。
このイノシシ、4日には20km離れた埼玉県富士見市で捕獲されたとの事です。
今朝の下野新聞によると、
栃木県の南端の野木町、小山市、栃木市で目撃や捕獲数が急増しているとの事です。
野木町では、台風19号が通過した後の1か月で15頭捕獲したとの事で、
前年までの捕獲頭数が年間で概ね1頭程度だった事からすると、
異例の事態になっていると報じられています。
野木町には3か所の罠があり、捕獲されるのは、生後1年程度の幼獣が多いとの事です。
その外、小山市でも台風通過後1か月で11頭捕獲していますし、
栃木市でも例年余り目撃情報のない地区で、
20件程度の情報が寄せられているとの事です。
その理由として挙げられているのが、渡良瀬遊水地の冠水です。
渡良瀬遊水地は、栃木県・群馬県・埼玉県・茨城県の4県にまたがり、
約33㎢の広大な面積を有しています。
今回の台風でも、渡良瀬川、巴波川、思川の3河川の水を溜め、
3河川が流れ込む利根川の水量を調整して、
利根川流域の災害を未然に防いだと思います。
渡良瀬遊水地には、第1調節池、第2調節池、第3調節池があり、
第1調整池の一部がコンクリート張りの谷中湖になっていて、
谷中湖を除く第1調節池の大部分と第2・第3調節池は
増水時のみ貯水する構造になっています。
敷地内にはゴルフ場もありますが、他には人工的な工作物も余りなく、
広大な原野が広がっていますので、イノシシにとっては、格好の住処なのかも知れません。
しかし、そこに台風19号の冠水です。
総貯留量2億㎥の最大95%に達したとの事ですので、
イノシシも逃げ出さざるを得なかったのでしょう。
イノシシが一斉に堤防を越えたり、河川敷に逃げたようで、
その数は100頭を超えると報道されています。
昨日、栃木・茨城・群馬の3県知事が、安倍総理に豚コレラ対策の要望を行いました。
栃木県内では、まだ豚コレラは発生していませんが、
かなり危ない状況にあります。
本年12月2日までに岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府、三重県、福井県、
埼玉県、山梨県の1府8県での発生が確認されています。
また、本年9月13日以降、岐阜県、愛知県、三重県、福井県、長野県、富山県、
石川県、滋賀県、埼玉県、群馬県、静岡県、山梨県の12県の野生イノシシから、
豚コレラの陽性事例が確認されています。
豚コレラの原因として、野生のイノシシからの感染が考えられています。
県では、来月から野生のイノシシ用の豚コレラワクチンを
餌に混ぜて散布する事を決めているような状況にあります。
今回、遊水地から逃げ出したイノシシが、
豚コレラウィルスを保有している可能性もあります。
栃木県南部は、畜産業が盛んな地域です。
十分な対策を講じないといけないと思います。
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