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2020年01月21日09:18
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おったまげー！
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2011年にはフィギュアの世界選手権がある予定だった。
シルク・ド・ソレイユの公演もある予定だった。
国技館である相撲も含めて母を連れて行ってあげる予定だった。
けれど流れた。
東日本大震災のせいだった。
尤も相撲は八百長がらみの騒動のせいだったが。
その後、母が亡くなりフィギュアに行こうという気力が萎えた。
ところが友だちが新横浜のアイススケート場で高橋大輔や荒川静香、鈴木明子、村上佳奈子、田中刑事たちの出るアイススケートショーに誘ってくれた。
しかも最前列の席！
これが喜ばずにいられようか！
観客席はほぼ女性で埋まっていて、彼女たちのお目当てが高橋大輔だということは彼が出てくるたびに上がる歓声の大きさでわかった。ファンは文字通り「うわー！」と叫んでいた。
そして大輔が滑り終わるたびにスタンディングオベーションとひときわ大きい拍手。
高橋大輔の私の第一印象は思ったより背が低いということだった。
織田信成も小柄だし宇野昌磨も小柄だが、高橋大輔は大きいと思っていたので意外だった。
なんでもスケーターは小柄な方が向いているらしい。
あの羽生結弦もすらりとした体型から背が高そうに見えるけど、170�僂�らいだとか。
荒川静香は安定した滑りを見せ、テレビで見るより華があり綺麗だった。
鈴木明子もテレビより細く可愛かった。
対して高橋大輔は残念ながら二回も転倒して、選手としてのピークはすぎたことを感じさせたが、ファンというのは本当に有難いもので、何があろうと温かい拍手を惜しまない。
ショーの構成はバラエティに富んでいて、特に「おったまげー！」という声で始まった村上佳菜子たち3人のスケーターによる、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」の歌に合わせたバブリー・ダンスはコミカルで楽しかった。
しかもちゃんと「しもしも」でラストを締めたものだから会場が盛り上がったのは言うまでもない。
彼女は最近バラエティ番組で活躍しているらしいが、可愛いルックスでこんな風な役回りを引き受ければ好感度は上がるはずだ。
私の気分も幾分持ち直した。
実はこの日、ダウンの下にセーターをしっかり着込んで出かけたら暖かかったものだから、スケート場に到着した時は結構歩いたこともあり、暑くて後で寒くなるとわかっていてもダウンを脱がないではいられなかった。
そしてショーが始まってどれくらいだったろうか。
冷えてきた私は照明が消えたのでスケーターの演技が終わったと思い「今のうち！」とダウンを羽織ろうと立ち上がって、右手を袖に通した。
その時だった。
「演技の途中で立ち上がらないでください」と右隣のそのまた隣の女性に言われてしまったのである。
え？
演技はもう終わったんじゃなかったの？と思ったが反射的に「あ、すみません！」と詫びて左手を袖に通せないままの状態ですぐ座り、ステージを見たらスケーターはもうそこには居なかった。
終わったと思ったけど終わりきっていなかったのだろうか？
例えば映画の最後のエンドロールも見ないで終わったと思うか、それも見て終わったと思うかの違いのような？
でも時間にして2〜3分もかかってなかったはずだ。袖に片方しか手を入れられなかったのだから。
どうやら彼女は高橋大輔の追っかけらしかったけれど、幸いにもその時のスケーターは彼ではなかった。
もちろん私の方が終わったと勘違いしたとはいえマナー違反だったのだろう。
私を誘ってくれた友だちにも恥をかかせ、迷惑をかけたことで私は落ち込んだ。
だけど正論を振りかざし、鷹揚さのかけらもないそういうファンは高橋大輔のためにはならないんじゃないかなあ。
おかげで私はそのあと高橋大輔が滑ろうと少しもスケートに集中できず、後半の村上佳奈子の「おったまげー！」の一言でやっと吹っ切れたくらいだったもの。
新しいファンを排斥しかねない熱烈なファンの一言に私は
「おったまげ」
その程度のことで凹んでスタンディング・オベーションができなくなった自分にも
「おったまげ」
フィナーレで総立ちになった観客が、スケーターたちとリズムに合わせて体を上下に揺らし拍手をした時、足踏みもしていないのに地震か？と思うほど床が揺れたことにもおったまげた。
そして思った。
良くも悪くも、たまげることがあるうちは人生、飽きることはないってことよね、と。
＊写真はネットの記事からのものです。
シルク・ド・ソレイユの公演もある予定だった。
国技館である相撲も含めて母を連れて行ってあげる予定だった。
けれど流れた。
東日本大震災のせいだった。
尤も相撲は八百長がらみの騒動のせいだったが。
その後、母が亡くなりフィギュアに行こうという気力が萎えた。
ところが友だちが新横浜のアイススケート場で高橋大輔や荒川静香、鈴木明子、村上佳奈子、田中刑事たちの出るアイススケートショーに誘ってくれた。
しかも最前列の席！
これが喜ばずにいられようか！
観客席はほぼ女性で埋まっていて、彼女たちのお目当てが高橋大輔だということは彼が出てくるたびに上がる歓声の大きさでわかった。ファンは文字通り「うわー！」と叫んでいた。
そして大輔が滑り終わるたびにスタンディングオベーションとひときわ大きい拍手。
高橋大輔の私の第一印象は思ったより背が低いということだった。
織田信成も小柄だし宇野昌磨も小柄だが、高橋大輔は大きいと思っていたので意外だった。
なんでもスケーターは小柄な方が向いているらしい。
あの羽生結弦もすらりとした体型から背が高そうに見えるけど、170�僂�らいだとか。
荒川静香は安定した滑りを見せ、テレビで見るより華があり綺麗だった。
鈴木明子もテレビより細く可愛かった。
対して高橋大輔は残念ながら二回も転倒して、選手としてのピークはすぎたことを感じさせたが、ファンというのは本当に有難いもので、何があろうと温かい拍手を惜しまない。
ショーの構成はバラエティに富んでいて、特に「おったまげー！」という声で始まった村上佳菜子たち3人のスケーターによる、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」の歌に合わせたバブリー・ダンスはコミカルで楽しかった。
しかもちゃんと「しもしも」でラストを締めたものだから会場が盛り上がったのは言うまでもない。
彼女は最近バラエティ番組で活躍しているらしいが、可愛いルックスでこんな風な役回りを引き受ければ好感度は上がるはずだ。
私の気分も幾分持ち直した。
実はこの日、ダウンの下にセーターをしっかり着込んで出かけたら暖かかったものだから、スケート場に到着した時は結構歩いたこともあり、暑くて後で寒くなるとわかっていてもダウンを脱がないではいられなかった。
そしてショーが始まってどれくらいだったろうか。
冷えてきた私は照明が消えたのでスケーターの演技が終わったと思い「今のうち！」とダウンを羽織ろうと立ち上がって、右手を袖に通した。
その時だった。
「演技の途中で立ち上がらないでください」と右隣のそのまた隣の女性に言われてしまったのである。
え？
演技はもう終わったんじゃなかったの？と思ったが反射的に「あ、すみません！」と詫びて左手を袖に通せないままの状態ですぐ座り、ステージを見たらスケーターはもうそこには居なかった。
終わったと思ったけど終わりきっていなかったのだろうか？
例えば映画の最後のエンドロールも見ないで終わったと思うか、それも見て終わったと思うかの違いのような？
でも時間にして2〜3分もかかってなかったはずだ。袖に片方しか手を入れられなかったのだから。
どうやら彼女は高橋大輔の追っかけらしかったけれど、幸いにもその時のスケーターは彼ではなかった。
もちろん私の方が終わったと勘違いしたとはいえマナー違反だったのだろう。
私を誘ってくれた友だちにも恥をかかせ、迷惑をかけたことで私は落ち込んだ。
だけど正論を振りかざし、鷹揚さのかけらもないそういうファンは高橋大輔のためにはならないんじゃないかなあ。
おかげで私はそのあと高橋大輔が滑ろうと少しもスケートに集中できず、後半の村上佳奈子の「おったまげー！」の一言でやっと吹っ切れたくらいだったもの。
新しいファンを排斥しかねない熱烈なファンの一言に私は
「おったまげ」
その程度のことで凹んでスタンディング・オベーションができなくなった自分にも
「おったまげ」
フィナーレで総立ちになった観客が、スケーターたちとリズムに合わせて体を上下に揺らし拍手をした時、足踏みもしていないのに地震か？と思うほど床が揺れたことにもおったまげた。
そして思った。
良くも悪くも、たまげることがあるうちは人生、飽きることはないってことよね、と。
＊写真はネットの記事からのものです。
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