11月30日は水木先生のお命日です。
七回忌でした。
もうそんなに経つのか……
3期鬼太郎さんをリアルタイムで見ていたけれど、当時ははっきり言って特別な気持ちを持って見ていたわけではなかった。
日本昔話とかドラえもんとかサザエさんとかみたいな、日本人なら誰でも知っている番組だったから「ゲゲゲの鬼太郎」という作品を見ることに抵抗がなかったんだよね。それに一話完結なので続けて見なくても話が追えて次回を見なくてもいいという気楽さがあり、内容もそこそこ面白い。丁度いい時間潰し的にしか見てなかった。
のにねーーーーっ!!!!!!(笑)
毎年夏休みの午前中に放送されていた3期映画……「妖怪大戦争」の鬼太郎さん……あの年のあの時がわたしの人生を大きく変えたわよ……
あの時が初めて見る「妖怪大戦争」じゃなかったと思うんだよね、夏休みっていえばほぼ必ず鬼太郎さんの映画が放送されていた記憶があってさ。←「今年は鬼太郎映画やらんな」って思ったことがあった記憶があるので←てことは多少なりとも楽しみにしていたのだなエライ(笑)
ある年、「妖怪大戦争」でのあの「えへへ…」という愛想笑いを見てハッとした。
「鬼太郎ってスカした奴じゃなかったんか!!!
」
カワイイ!!!!!
と思い、そっからだよねー、鬼太郎さんを見る目が変わって再放送を録画して何度も何度も何度も繰り返し見た!
何とも思ってなかったただのアニメのキャラクターだった鬼太郎さんが、気付けば自分のヒーローに変わっていた
アニメの鬼太郎さんにのめり込み、原作も読みたくなって本屋の片隅に並んでいた漫画を読み耽り鬼太郎誕生の秘密を知った時は魂が抜けるかと思ったなぁ、鬼太郎さんのお父さんが目玉の親父と呼ばれることになった理由…怪奇マンガにそぐわないと思わせるような愛情や優しさが話しの中に溢れていたんだ…
妖怪退治を始めるようになった鬼太郎さんは人間たちに素っ気ないような態度を見せるけど、人間が見ていない所ではいつも体を張って戦ってくれていたし、人間に鬼太郎さんの頑張りが伝わらなくて憎まれちゃうエピソードなんかもあって切なくなることもあり、ただいい奴を見せるだけではなくて調子のいい話で終わらせるだけでもなく、例えいいことをしたとしても理解されないこともあり正義を行使することが全て讃えられるわけではないという理不尽さだったり矛盾だったりを見せてくれる原作の奥の深さに感嘆した。
古本屋に三日に一度のペースで通っては二・三冊買い続けて一棚空けた(笑)。古本屋さんからは「この本面白いですか?」と聞かれるほどだったナァ
水木先生のマンガのスゴさというのはひねりや風刺が効いている作品であってもストーリーそのものはひねくれていないという点だと思うんだよな。
飽くまでもサラリと描き流しているというような。
気取ってもおらずイキってもなく孤高を貫いている風でもなく、いつもただ淡々と表現されている。
その作風がかえって胸に刺さるんだよね。その作品についてじっくり考えたくなるから。
鬼太郎さんはもとよりだけど、松下版と山田版でもまた味わいが違う悪魔くんで思うこともそれぞれあるし、短編作品がこれまた深くて面白いよね、とにかく水木マンガは興味深いです!
あと三平が読みたい
水木しげるという漫画家を知ることができたことと、作品に触れることができたことは本当に幸運でした
今年も調布に集った多くの方々の姿を知れば、その偉大さがお分かりになるでしょう
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