ステキで自慢で仲良しだからいいことにする。

次は「風の又三郎」回で、この回の又三郎と風子ちゃんとの別れのシーンを思い出すと胸がキュッとなってしんどいのですが見返したい気持ちがあるのに、なぜかまた「大海獣」後編ラストシーンを見るのがやめられなくなっているこの数日（笑）。
いやー続きを見ようとDVDを再生したら、前回見ている途中で止めてたんでしょうね、山田が鬼太郎さんにフルボッコされているシーンからのスタートでした、それで啓子さんに「お兄さんのバカ！」と泣いて責められている時の山田の表情に胸をえぐられてしまったので……

鬼太郎さんに殴り飛ばされて地面に倒れ伏せた山田が、啓子さんに「バカ！」と言われて涙を浮かべてうずくまるシーン、切ない……

いくら自己中でクズで最低なヤツであっても、この場面を見ると人間の弱さ故だったのだろうなと思えてちょっと山田が可哀想になって同情してしまうんだ……

本当に可哀想だったのは、人間の寿命を延ばすことができるかもしれないという夢のような研究の為にと懸命にゼオクロノドンに立ち向かって命を落としてしまった調査隊の方々だったかもしれない。自分たちが果たせなかった純粋な理念を鬼太郎さんと山田を始めとする研究者たちへ託し信じて死んでいった隊長たちの気持ちを、山田は独り占めにして自分一人の功名にしようと企んだ訳だからね。そして人間のエゴに巻き込まれた鬼太郎さんだって勿論、実質的な被害者なのですけれども、けれどもなのですよねー。

判官贔屓だから（笑）。

入好さんの作画がより一層、山田の後悔の思いを伺わせる。
この島へ来る前に、啓子さんに諭されてようやく山田は「自分一人で生きているのではない、自分だけが生きているわけでもない」と自分の置かれた立場に気付けたと思う。それで今度は自分の為ではなく他人の為に動き、鬼太郎さんを助けた。
でもそんな反省と行動だけでは許されないことに殴られて気付く。
そうして更に深く深く自分のしでかした行動を情けなく思い悔やんで悔やんで悔やんだのだろうと思った。

3期鬼太郎さんは「ぼくは妖怪の方がいい」と言い人間になりたいなんて憧れることはないけど、客観的には「人間は素晴らしい」と見てくれていることが多いと思うし人間寄りに立ってくれることも多かったから、この回は正直衝撃だった。だけど鬼太郎さんの怒りを理解できたわたしは山田を殴ったことはすんなり受け止めることができて、むしろ山田に何の反撃もせずにあっさり許してしまった原作さんの行動の方にこそ違和感を抱いたくらいだった。

だからわたしもやっぱり人間なんだろう。

山田のしたことはアニメとはいえ結構自分としても見ていて本当に怖かったので、被害を受けた当事者である3期鬼太郎さんが、反省して謝ったから「その気持ちを忘れないでくれ」と握手で別れることができなくても当たり前なんじゃないかと思うけど、ラストのあの山田の顔を見ると鬼太郎さんの気持ちを棚上げにしても尚切なくて切なくて。

後悔してもしきれない悔恨をにじませる山田の背中と、彼に背を向ける怒りの矛先を失った鬼太郎さんの横顔。

二人の気持ちは最後まで交わることがなかった。

この二人の感情をどう捉えたらいいのか分からない。
「大海獣」は修羅の話と言った方がおられました。まさしく、人間ドラマでした。


言いたいことがなんだか分かんねー
でも山田のあの顔を何度も何度も、何度も見返して、最後に海を睨みつける鬼太郎さんの表情を見ると、居ても立っても居られなくなる
人間の性とか、悪意とか善意とか、あぁ一体なんなんだろうと考えさせられる。
しかし、この後、怒りを抑える鬼太郎さんの姿をみたネコ娘が、

「今日の鬼太郎、乱暴だけど素敵だな」

と言ってくれたし、父さんも

「さすがワシの息子じゃよ！」

って自慢してたし（笑）、ねずみ男がにこやかに元気いっぱい鬼太郎さんを迎えに来てくれたので、

鬼太郎さんがステキで自慢の3代目でねずみ男と仲良しだから、もーーーいっか!!!!!

って思うことにして次回「又三郎」に気持ちを切り替えるとする（笑）。

でもこの後の鬼太郎さんと山田がどうなったのか、誰か教えてくれ