3期「大海獣」後編。今回も食い入るように見て参りました。
山田が鬼太郎さんを元の姿に戻す薬を完成させた辺りから「はぁ」。
ねずみ男が警備対策本部に話をつけているとこで「はぁぁ〜〜
」となんというかため息……
この後見られる感情のぶつけ合いを考えるとはぁぁ〜ってため息が出た
毎回思うけど、鬼太郎さんが山田の取った行為や犯した罪に対して拳で山田を責める場面、メチャクチャカッコイイんだけど切なかった
「鬼太郎くん、済まなかった」
大海獣と化した鬼太郎さんの前に立った山田は、今まで見せてきた妖怪に対しての非礼や横暴な態度を改めて鬼太郎さんに詫びるのだけれど、大海獣鬼太郎さんは睨みつけるのだった。
そうして元に戻してもらった鬼太郎さんは山田と会話をするより先に山田のもとへ駆け寄ると有無を言わさず顔を殴りつけるのだけれども、そうなんだよなぁ、鬼太郎さんはどうして山田がこんな非道なことをしたのか言葉で責めるよりも先に拳で山田を責めたんだよなぁ、それが鬼太郎さんの本当の怒りを表していたんだろうなぁ、と痛切に感じたよ。
鬼太郎さんは山田の「たくさんの命と引き換えにして手に入れたものを自分一人だけの功名に利用しようとしたこと」を最も許せない行為だと言っていたけれど、罪のない人間が無下にされたことだけを伝えたのではなかった。
自分が葬り去られようとしたことも許せない、とも確かに言っていたと思う。
これはきっと鬼太郎さんの体が自分一人だけのものだと認識していたならばこの言葉は出てこなかったんじゃないかなと思う。
鬼太郎さんには自分を何よりも大事に思ってくれる父さんがいるから、その為だよね。
「お前は、自分の名誉の為だけにぼくを葬り去ろうとした」
との言葉の真意はさ、単に山田に、こういうことをしただろ!って怒りをぶつけたかっただけじゃなく、
自分が死んだら父さんはどうなると思ってんだ!!!!
って気持ちをぶつけたかったのもあるかな、と考えられそうだなと。
山田に大海獣の血液を注射されて大海獣の姿になってしまった鬼太郎さんは、日本から遠く離れたどこかの海から自力でなんとか日本へ帰ってきた。
それを見た山田は「鬼太郎が復讐をしに戻ってきた」と思ったけれど、当人は上陸すると真っ直ぐにゲゲゲの森を目指し、途中自衛隊機に邪魔をされた時も、
「ぼくはただ、父さんに生きていることを伝えたいだけだ!」
と声にならない雄叫びを上げていて、帰ってきたのはただただ父さんに会いたかっただけだったんだなと分かったのが辛かった
こんな思いをしてまでようやく父さんと対面したのに、その大きな爪の先で父さんに触れようとしたら大海獣が鬼太郎さんだと気付かない父さんからは
「わしに触るな!お前が息子を殺したようなもんじゃ!!」
との言葉を浴びせられ、仲間からは攻撃されて、認めてもらえなくて悲しげだった。
やっと大海獣が鬼太郎だと分かった父さんに、お前とは気付かずあんなことを言って済まなかった、と謝られた時は、
「いいんだよ、こんな姿になった上、言葉も交わせないんだもの」
と、父さんに語るように呟いた言葉も残念ながら伝わらなかったけど、本当に父さんへ対する優しさと愛情が伺い知れて、これまた切なかった
親父さんが鬼太郎さんを大事に思う気持ちも、鬼太郎さんが父さんを大切に思う気持ちも、この76話以前の話の中で幾度となくたくさん感じることが出来た3期親子。その上たった二人の家族で、たった二人きりの幽霊族なんだもの。←幽霊族っていうとピンとこないけど、この世の中にたった二人きりの日本人、と考えると、その孤独さがより一層分かる
鬼太郎さんは父さんを一人にするわけにはいかないのよ。
「死神」回では鬼太郎さんの偽の母親を仕立てた死神に平手打ちを食わせ、
「今のはぼくの代わりに死んでいった母さんの分だ!」
と言ってくれた鬼太郎さんだもの、今回自分にもしものことがあって父親を悲しませることがあったとしたらと思ったら、ぶん殴るのも分かるような。これは父さんの分の怒りだったかも。
だからこその山田へのあの怒りでもあったのかなって、今日見ていて思いました。
だって父さんは山田を問い詰めることはしても怒ってみせることはなかったのよ。それどころか、鬼太郎さんがなぜ大海獣になってしまったのかその理由も聞かなくていい、とまで言ってくれた。
「言いたくなければ言わんでも宜しい。きみと鬼太郎との間に何があったかは聞かん」
ただ、
「鬼太郎を元の姿に戻して欲しい」
原因の解明はぶっちゃけどうでもいいよね、親ならば健やかな子どもの姿を見られたらそれだけでいいんだよね。目玉だって父さんはいつも本当に子どもを思う「ただの父親」なんだよなー、父さんみたいな親に本当になりたい
そういえば山田んちも山田と啓子さんの二人きりの家族なんだよね。それは啓子さんに言われて初めて気付いた山田だった。
いつも自分の気持ちが最優先で、他人の思いに気を回せなかった山田。たった一人の妹の啓子さんに対しても温かい態度で接することがなかったかな、でも啓子さんは山田に懐いているようだったからさすがにちょっとは優しくしていたのかも(笑)。でも残された者の気持ちまでには考えを巡らせることはできなかったのが山田。いや、なまじ頭がいいばっかりに、自分のしでかした行いがバレるとは思わなかったんだろうし取り繕えると思っていたんだろうナァ。
今回相手が鬼太郎さんだったから山田は許してもらえたんだからね! ←「ねずみ男は死刑だ」回でのネコ娘のセリフみたい、てことは山田とねずみは似ているのか?(笑)
これで自分の行いを反省して、真っ当な人間になってくれているといいんだけどな山田(笑)。
「大海獣」やっぱり面白かった!!!!!!
何度見てもいろんなことを考えさせられるし、今回深読みしてウルッ…ときたし
また見る!!!!見ますよ
因みにタイトルの「警備103地区」とは大海獣が上陸した後居座った場所の自衛隊が警備していた地域で、恐らくこの近辺にゲゲゲの森があるようです
そしてこの場所が大海獣が鬼太郎さんだと気付いた父さんが初めて言葉をかけたシーンでした
それと写真と内容が一致しておりませんでしたが、せっかくだからあげとく。
怒りがおさまらないけど拳を下ろさねばならなかった鬼太郎さんの悔しさを感じてください
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