愛されるためのキャスティング。「ほうこう」4期感想。

6期「水虎」がヨカッタとか言いつつまだ見返していないので、先に4期の「ほうこう」の感想を書いておこー。

ほうこうはねずみ男を騙すためにお面？覆面？を被って人間らしきものに化けていたんだと思うんだけど、あの一見素の顔つきだけど実はかぶりものだったことが分かった時、昔読んだコワイ小説が思い出されてゾッとしました。
確か「鬼の子」とかいうタイトルだったと記憶しているんだけど…山の中で女と待ち合わせをしていた男を殺して顔の皮を剥ぎ、それを被って男に成りすましてじきにやってくる女を待つっていうシーン…旱魃で飢饉に陥ったとある村での人間を食べることを覚えた少女の話で、この男女は少女の食糧になっちゃうんだと思うんだけど、その背景もあり、ほうこうが鬼太郎さんの妖力を栄養分にしておいしい漬物を作ろうとしたことと結びついて非常にコワくなったこの回。ほうこうがかぶりものをつけている時の様子がなんだかすごく不自然だと感じていたんだけれども、それがあの少女が人の顔の皮をつけていたのもまたこんな感じの不自然さだったのだろうかというイメージと重なって、ほうこうの不自然さが異常に恐ろしく思えてなりませんでしたかぶりものを取ったら取ったで、これまたコワイ顔だったし…（←失礼）
コワさってほんのちょっとした普通と逸れた行動から感じ取れるものなんだな、と思いました。鬼太郎さんを捕まえて漬物樽の中へ放り込み、おいしくなぁれと霊力のある岩塩で溶かして児泣きで重石をかけた後、うまくいったことを大喜びしながら漬物が出来上がるのを楽しみにして飛び跳ねるほうこう…
なんてことない行動なのに、尋常じゃないものを感じてメッチャコワかった

ほうこうコワイ!!!!!!!!!

出された漬物をお味見する鬼太郎さんはカワイカッタのに…そしてウマウマしていたけれどすぐに妖気に反応したのはさすがでしたしカッチョヨカッタ〜！カッコよくてデキルひとだと本当にビックリした（笑）。

ほうこうを小屋からおびき出すために燻すくらいにしようと思った火事騒ぎが本当の火事になってしまって、鬼太郎さんが入った漬物樽もろとも小屋が焼け落ちてしまう事態に！
なんとか漬物樽を見つけて霊水（っつったか？）をかけて鬼太郎さんの復活を待つ砂かけ・児泣きそして父さんでしたが、三人の前に4人の姿となったほうこうが現れて大苦戦！
鬼太郎さんを待ちますがなかなか復活の兆しが見えません。
そこで砂かけと児泣きは、自分の命をかけて妖力を鬼太郎さんへ送ることを決意しました。二人を心配する親父さんへ砂かけは自分は長いことを生きたから死んでも後悔はないのだと告げ、鬼太郎さんを再生させることの希望をこそ望むことを伝えたのです。
砂かけに同調する児泣き、二人の決意に涙する親父さん…そうして二人は自分の妖力を鬼太郎さんへ送るのですが、そこへほうこうたちの攻撃が！

「これほど妖力を送っているのに鬼太郎はまだか！」

焦る親父さん。
そこへチャンチャンコとゲタが飛んできました！
みんなが振り返ると、焼け跡にうごめくものが…

鬼太郎さんふっかーーーつ!!!!!!

そうして無事ほうこうを倒すことができました（←かいつまみすぎ笑）

鬼太郎さんを助けるため自らの命を投げ打つ仲間のシーンは何度も見てきたけれど、今回砂かけと児泣きがなぜ鬼太郎さんの仲間としているのかっていうことがなんとなく分かった気がして勝手に感動したんですけど…（笑）。
悪い妖怪を退治するために日々戦う鬼太郎さん（…語弊…笑）の仲間としてだったら、もう少し若めの妖怪が選ばれていてもよかったんじゃないかとよく思っていました。なぜ老人二人が戦力で加わっているのか…？
それは2期を見て漠然と分かったような気がしていたんだけれど、つまり鬼太郎さんには常に共闘する仲間って別に必要じゃないんだってことなんだろうなぁっていうこと。それは一匹狼を気取っているわけではないんだよね、鬼太郎さんは一人でこの戦いを始めたんだろうから、戦うのは自分一人でいいと思っているからなんじゃないかなって。時々手に負えない相手と戦わなきゃならない時は手伝ってもらうけど、基本砂かけや児泣きは多分戦力として一緒にいるわけではなくて、どっちかといえば家族的な感じなんじゃないのかな。
強い鬼太郎さんには力としての戦力よりも、年の功としての知恵だったりアドバイスだったり、若い鬼太郎さんを導く存在こそ必要で、だから鬼太郎さんの周りにはお年寄り（笑）がたくさん存在しているんじゃないかちら。
そして鬼太郎さんはそんな仲間にすっごーーく愛されているんだろうなと思う。いや、父さんをはじめ砂かけや児泣き、ネコ娘やねずみ男の存在すら、もしかしたら孤独に戦わなければならない鬼太郎さんを、愛し包み込んでくれるための仲間が必要でありむしろそういう者たちが周りにいて欲しいと思ってのこのキャスティングだったのかも、と自分で勝手に考えたくせに涙が出ました（←そして多分水木先生はそんなつもりなかったと思う笑）。
特に砂かけは鬼太郎さんのことを孫のように思っていると言ったり、母親代わりの存在でいたりもして可愛がっていることを示すシーンがたくさん見られるので、今回、自分の身を投げ出しても鬼太郎さんを助ける行動をとってくれた砂かけを見ると、砂かけ婆は鬼太郎さんを愛するためにキャスティングされたんだろうと思ったらしっくりきました。

砂かけばあさん、いつもいつも鬼太郎さんに寄り添ってくれてありがとう

鬼太郎さんは辛い思いをたくさんしなきゃならない立場だから、たくさん愛してあげてくださいね！

そして鬼太郎さんがみんなにたくさん愛されてもらうのがいい



ってことで、「ほうこう」でしたー



次回！「がんぎ小僧」!!!!!
あーこの回もダイスキィィ
次回予告で見たがんぎ小僧、やっぱし3期鬼太郎さんに似てると思った！（←やっぱしわたしだけ？）
3期鬼太郎さんがねずみを「兄ィ」と呼び慕い、ねずみを守り、そしてねずみに可愛がられて最終的に助けられる…見てみたいシチュエーション!!!!!!