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2020年01月27日00:58

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なんと見事な大相撲初場所

大相撲初場所は実に良かった。
まさかの幕尻の徳勝龍の優勝で幕を閉じたが、正代のまさかの頑張りもあり、早々に横綱2人が休場し、大関・豪栄道が陥落するという上位陣の不甲斐ない場所であるにも関わらず、平幕が大いに盛り上げた。僕自身、これだけ盛り上がった場所は久しぶりだ。
ともかく今場所の立役者の2人は、全くのダークホース。
徳勝龍なんぞは、十両と幕内を行ったり来たりの力士で、今場所も「ああ徳勝龍戻ってきたのか、まあ今場所は幕内に残れるように頑張りいや」くらいしか思っていなかった。
正代は、実力はそこそこあるものの、ここ一番に弱くとてもじゃないが優勝狙えるような器じゃない。たとえ前半調子よくても、後半になりゃ失速し、結果、ようやっと勝ち越しました、程度なので、今場所も、後半失速するかなーと思っていた。
僕は、中盤くらいで、大関の貴景勝がなんやかんや逃げ切るか、または朝乃山が奮闘するか、あるいは売り出し中の照強あたりが優勝争いに絡んでくるか、、という予想を立てていたのだが、いい意味で裏切られたな。
正代は最後まで強かった。特に貴景勝やら朝乃山などの実力者との一番なんかは、本当に強い、と思った。常に前で捌き引かない取り口。
たいして、徳勝龍は、神がかったように突き落としがバンバン決まり、これも場所中に亡くなった恩師の近畿大学・伊東監督の霊が乗り移ったか・・と思えるような強さ。
解説の北の富士なんかは、しきりに神がかっていると言っていたが、千秋楽の優勝をきめた貴景勝との一番は、実に良い相撲。押されても引かれても前に出て、四つ相撲で豪快に投げ勝ち。こりゃー、三役以上の力士の取り口だぞ、、なんて感動したもんだ。
いやでも、今まではたいした成績もあげられずインタビューなどもない力士だったので、優勝して初めて徳勝龍の声を聞いたくらい、地味で目立たなかったんだが、その優勝インタビューでは涙あり笑いありの、とてもよい人柄が伝わり、こちらも思わず貰い泣きしてしまいましたわ。。

今場所、もうひとつ自分にとって良かったのが、初めて国技館にて生観戦したことである。
9日目の月曜日に、仕事をズル休みして行ったのだが、朝早く7時頃両国に行き、当日券をゲットしたのである。
実は、去年の秋場所も同じように12日目くらいに当日券をゲットしに朝7時半くらいに両国へ行ったのだが、その時はちょうど僕の10人前くらいで売り切れという、非常に悔しい思いをしたのだが、今回は、無事当日券をゲットできた。
で、8時50分より序の口の取組開始で、もう、そこから結びまでじっくりたっぷり観ましたわよ。考えてみりゃ、大相撲観戦て、常に敷居が高く、子供の頃から行きたかったんだがなかなか行くチャンスがなかった。なので、本当に子供の頃からの願望がひとつかなえられたというところだ。
当日券は安いのだが、国技館2階席の一番上という一番土俵から遠いところ。
僕は、もう力士も何も全部お豆ちゃんかと思いきや、国技館て意外と狭く、結構しっかり見える。プロ野球の外野席なんかよりも全然みやすい。
それに、幕下くらいまでは会場はガラガラであり、その間、升席などに座っても文句は言われない。なので、幕下取組の途中くらいまで、適当に場所を移動しながら升席で悠々観戦できるのである。
面白いのが、序の口の取組だけビデオ撮影しながら観戦し帰っていった人なんかもいた。ここらへんになると相当マニアなんだろうな。
序の口は、まだ未成年で体も出来上がっていないような初々しい力士も多く、この中から誰が上がってくるのかなー、なんて思ってみるのも面白い。あと、僕のイチオシの服部桜(式秀部屋)のように、史上最高の敗戦記録、それも3勝200敗くらいの群を抜いて凄い力士などを応援したりするのも良い。
服部桜は、取組を写真に撮ろうとカメラを構えている間に負けてしまい残念だったが、会場のあちこちから「服部桜ー!」と温かい声援が飛んでいたし、先ほどのビデオ撮影していた人なんかは、「服部桜!相手軽いよ!勝てるよ!」なんて応援していた。
なんとも温かみがあって、いい気分だ。
あとは、スー女と呼ばれる相撲女子の存在。彼女らは、実によく下のほうの力士を知っていて、お好みの力士に声援を飛ばす。また、和服などを着てきたりして、品があるし、そこいらのおっちゃんなんかよりよほど熱心な相撲観戦者である。
国技館では、幕下以下の力士は、その辺をウロウロしているんだが、そのおきに入りの幕下力士に飲み物を差し入れしている和服のスー女なんかもいて、こういうところから恋が芽生えるのもいいなー、なんておっさんは思うのでした。

さて、幕下上位くらいから升席も込みだしてきたので、定位置の二階席へ。
ずーっと下の取組をみていると、十両あたりにくると、ようやく関取衆の登場だ!なんて盛り上がってくる。普段テレビ観戦していると、十両は幕内の土俵入り前の「おまけ」みたいなイメージなんだが、全体を俯瞰的にみると、「おまけ」どころか、これから本格的な力士の登場だ!といったような、凄い力士たちのような印象に変わるのである。
十両の土俵入りを観ていたら、やはり元大関の照ノ富士への声援が凄かった。みんな、この大関陥落から、序二段まで落ちて、また頑張って復帰してきた力士へのリスペクトみたいのがあって、相撲ファンはかくも温かい。
ちなみに、序二段では、あの宇良が頑張っていた。今日の千秋楽の優勝決定戦で、序二段優勝を果たしたが、この日は健司という序二段力士に圧勝。下手投げでたたきつけるような迫力で、やはり元幕内力士は別格であった。そもそも体つきからして、全く違っていた。宇良は小兵力士の代表みたいな力士だが、序二段力士の中に混ざると、小兵どころかひとまわりデカくみえる。
で、やはりみんな宇良の復活を心待ちにしているので、ひときわ声援もデカいんだが、僕は対戦相手の健司が、怯まずに何とかこの元幕内力士に勝ってやろうという気迫が実に素晴らしいと思った。宇良への声援が飛ぶ中、思わず「健司!ナイスファイト!」とまったく相撲の声援ぽくない声をかけてしまった。
話が脱線したが、十両である。
照ノ富士は、元大関の圧倒的な力で、十両優勝を決めたが、琴の若、豊昇龍、若隆景、琴勝峰といった、これから幕内にあがろうかという力士たちの活躍も面白かった。特に僕が肩入れしているのが翔猿。随分長いこと十両にいるが、御嶽海なんかと同期らしい。そろそろ幕内に上がってこないかなと思っているんだが、どうも安定感がないのが珠に傷である。

そうこうしているうちに、幕内の土俵入りである。
残念ながら、横綱不在の場所で、横綱土俵入りはなかったのだが、幕内力士になると、もうテレビでもお馴染みの有名力士ばかり。ここまで来ると、完全に別格だなーと思う。
会場も、中入り後にようやく満員になる。よくテレビなどで、「今日も満員札止めです」なんて言っているけど、それは幕内の取組に限ってであり、当日券を朝にゲットした人たちなんか、結構な人数が、最初に席とっておいて、中入り後まで戻ってこない。
こりゃーもったいない見方だよ。
本当に相撲好きなら、いやそうでなくても、序の口の取組からみるべきだ。だいたい幕下より下の番付なんてテレビでも放映しないし、折角そういう力士たちの取組をみれるチャンスなのに。あと、下からずっとみていると、徐々に番付があがっていき、力士が強くなっていく様子や、相撲のレベルが上がっていく様子などをみれるのも面白い。
升席の面々なんかも、中入り後にようやく来る人がいるけど、割と国技館は自由度が高いので、下のほうの取組を見ながら宴会して盛り上がるのも面白い。
ちなみに、団体客なんかは、幕下途中くらいからきて、相撲茶屋の接待を受けているグループが多かった。そういう人たちは、ハナから宴会モードで、相撲茶屋支給のビールや弁当で、さながら花見のように相撲観戦。
ああいう見方も、相撲の醍醐味だろう。
必死に土俵で戦っている力士たちにとっては、「俺たちが頑張っているんだから真剣にみろ!」という思いもありそうな気もするが、そういうざっくばらんさというか、緩さが面白いなーと思った。
んで、中入り後、幕内の取組になると、さすがに会場全体が熱心に観戦している。
人気力士は、炎鵬と遠藤が圧倒していた。彼らが土俵入りで紹介されると、歓声がひときわ大きくなる。まあこれも人気商売の宿命なんだが、コアなファンは、めいめいにお好みの力士がいて、ポツラポツラ声援を送っている。
徳勝龍、正代の今場所を盛り立てた2人は、あまり人気力士ではないのだが、実績を重ね、優勝争いのトップに躍り出てくると、観客の声援もひときわでかくなる。
こういう、その場所で頑張っている力士に対する、優しさが相撲ファンにはあり、そういうところも相撲のよさだなーと思った。
これですっかりヒールになってしまった白鵬が出てきたらどうなんだろうかね?
でも、国技館にきている客は、それはそれ、これはこれ。良い相撲を取る力士には温かい声援を送るので、世間で騒がれているほど白鵬への罵倒はないと思うけどな。
で、この日の幕内の取組は非常に面白い好取組がいくつかあった。思いつくままに列挙する。

炎鵬−豪栄道→大人気の小兵力士・炎鵬が初めて大関に挑戦し、勝利。豪栄道は結局カド番脱出できずに負け越しで大関陥落したが、どうした!豪栄道!ちなみに、炎鵬の応援がひたすら多い中、一部、豪栄道に熱心に声援を送り続けていた人がいた。炎鵬派も、ちょっとバツの悪い苦笑いがでて、豪栄道にも多少声援を送る。こういう優しさが心地よい。
宝富士−高安→高安10勝で大関復帰だが、すでに5敗していて後がない状態。ただ宝富士とは相性がいいはずなので、とりあえず今日はしのげるかなーと思っていたら、あっさり押し出され、大関復帰が消えた。ウーム、高安ぅ〜
阿炎−遠藤→遠藤人気の凄さにちょっと驚いた。隣の老夫婦の奥様が、今まで静かだったのに、遠藤登場でいきなり「えんどーー!!」と叫ぶ、、確かに相撲巧者の力士ではあるが期待されているわりに安定性を欠いていると思うのだが・・で、今場所調子が悪いものの、着実に実力を伸ばしている阿炎との好取組。と思いきや、遠藤あっさり突き押しで土俵を割る。2横綱から連続で金星をあげ、調子も上々と思われた遠藤だがやっぱり安定感を欠いていた。
貴景勝−正代→今場所、どうしちゃったの?と思えるくらい好調の正代だが、さすがに大関・貴景勝で土がつき、ここからそこそこ負けるだろう、と予想していたのだが、あれあれ・・という間に、勝っちゃった(決まり手忘れた・・突き落としだったか?)。この一番は、今場所の正代ミラクルの重要な分岐点だったろう。生でみる貴景勝ってなんか可愛らしい。動きが小動物みたいだ。

いやーもう、際限なく書きたいことが出てきちゃうのでこの辺でやめておく。
こりゃー次の国技館開催場所(5月場所)も絶対に観に行く。次は多少高くても升席押さえてじっくり観戦でもいいな。相撲みるなら、朝から晩までね。1場所2日くらいは行きたいなーと思う(許されるなら毎日でもいい)。
で、昨今、相撲がつまんなくなっただの、角界の不祥事をあげつらって「もう相撲は終わった」だのバッシングしている奴らにいいたい。あんたら、相撲をちゃんとみないで、週刊誌のゴシップ記事だけでワーワーいっているだろ!
国技館に一度足を運んで、じっくり相撲をみるがいいさ。あんな面白いものはないから!
それに、角界は暴力と不正の蔓延る悪の巣窟だと思っている奴ら!
相撲は面白く、温かく、懐が深く、度量の大きい世界であることを感じ取れ!

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