ＮＨＫスペシャル

　ＮＨＫスペシャル「インパール作戦」、結局いつも通りのインパール作戦番組だったと感じました。まぁ、年を追うごとに「こいつもダメ指揮官だった」の範囲が広がる傾向があるような気もします。
　ムリな作戦と判断。惨めに死ぬ兵士、悲惨な敗走。
　第二次世界大戦の回想や敗戦分析としてはこんなものかとも思いますが、もし制作者側が「反戦」を意図していたのなら、的外れな番組になっているのではないでしようか。

　負け戦が悲惨なのは当たり前のこと。
　その原因が指揮官たちの無能にあるとしたら、次の戦争はまともな指揮官を据えて勝ちゃいいんだという話になってしまいます。実際、ドイツは第一次世界大戦であんな惨めなおもいをしたのに、第二次世界大戦を始めました。
　みんな、順調に勝つつもりではじめて、そうならないのが戦争ってもんです。

　インパール作戦の回想は「はじめから失敗すると分かっていた」みたいなことを言う人が多いのが良くない。
　おそらく実際は「難しいと思うが、そんな酷いことにはならないだろう」といった楽観があったはずなのに、それが語られることが少な過ぎます。