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2021年09月20日15:08

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加藤典洋

文学界の苅部直と与那覇潤の対談で加藤典洋に触れられていた。加藤の敗戦後論と苅部の光の鎖国和辻哲郎は同じ頃に出たが、その二つに触れて、ナショナリズム復活の危険な動向と論壇時評で評された、と苅部が語っていた。絵に描いたような話で、まあ論壇時評というのは、そのようなものだから。そのなかで、苅部が、加藤は政治的には江藤淳に批判的で思想の科学でデビューしたから今の言い方ならリベサヨ系で、だからこそ文壇や論壇から反発を受けたのかもしれない、と語っている。加藤が思想の科学に関わっていた、とは加藤の死後に僕は知ったが、僕が最近知ったことと苅部の認識にずれがあるので、述べておきたいと思った。
加藤の著書が文壇論壇でパッシング受けたとき、思想の科学の黒川創から手紙が来て、文芸雑誌でつまらない論争やっているよりも、思想の科学に来ませんか、と誘われたという。知り合いからは、おまえが思想の科学か、と言われた、というようなことを語っている。実際、僕も思想の科学など読んだことはなく、黒川創や加藤のような活きの良い人間がいる所とは思いもしなかった。ただ、加藤をリベサヨと思い、あんな面白い人間とは死後まで知らなかった。思想運動も行ってみると先入観を裏切られて面白かったけれど、思想の科学の方がもっと面白そうだったと思った。
この文、また後に加筆します

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